アンジェリーナ・ジョリー主演、映画『モンタナの目撃者』のあらすじ・感想な ど

私的評価

映画『モンタナの目撃者』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

前半部はやや退屈で、物語の進行もゆったりとしているため、最初のうちは少し我慢が必要です。しかし、ストーリーが本格的に動き出す後半は、一気に緊張感が高まり、ハラハラの連続で最後まで目が離せません。特に印象的なのは、妊婦の女性メディナ・センゴールの活躍です。彼女の行動力と勇敢さは、アンジェリーナ・ジョリーのアクションをも霞ませるほどで、まさに影の主役と呼べる存在感を放っています。

監督・脚本を務めるテイラー・シェリダンは、映画『ボーダー』シリーズや『ウインド・リバー』で知られる作家でもあります。これらの作品は武骨で硬派、繊細な心理描写と緊張感のある展開が魅力で、何度も繰り返し観たくなるほど私好みの映画でした。その点で比較すると、『モンタナの目撃者』は少し物足りなさを感じる部分があります。アクションやサスペンスの要素は十分あるものの、全体の引き締まりや緊迫感は過去作ほど強くなく、シェリダン作品のファンとしては「もう一歩」という印象です。

それでも、後半の展開は十分にスリリングで、主人公たちの知恵や勇気に引き込まれます。単純にアクション映画として楽しむもよし、妊婦という弱者が危機に立ち向かう姿に感情移入して楽しむもよし。シリーズ作のような深みを期待すると物足りないかもしれませんが、スリルと人間ドラマを手軽に楽しみたい方にはおすすめできる作品です。

★★★☆☆

作品概要

監督はテイラー・シェリダン。
原作はマイケル・コリータの小説『Those Who Wish Me Dead』。
脚本はマイケル・コリータ、チャールズ・リーヴィット、テイラー・シェリダン。
製作はアーロン・L・ギルバート、スティーヴン・ザイリアン、ギャレッド・バッシュほか。
主演はアンジェリーナ・ジョリー、その他出演者にフィン・リトル、ニコラス・ホルト、エイダン・ギレン、ジョン・バーンサルほか。

2021年のアメリカのサバイバルサスペンス映画です。大自然の脅威と暗殺者から少年を守るべく戦う森林消防隊員を描いた小説『Those Who Wish Me Dead』が原作で、アンジェリーナ・ジョリーが主演を務めます。

作品の紹介・あらすじ

解説
アンジェリーナ・ジョリーが主演を務めたサバイバルスリラー。殺人現場を目撃し命を狙われる少年を保護した森林消防隊員が、少年を守るため奮闘する。監督・脚本は『ウインド・リバー』などのテイラー・シェリダン。共演には『トールキン 旅のはじまり』などのニコラス・ホルト、ドラマ「タイドランド」などのフィン・リトル、ドラマシリーズ「プロジェクト・ブルーブック」などのエイダン・ギレン、シェリダン監督作『ウインド・リバー』などのジョン・バーンサルらがそろう。

あらすじ
過去の体験からトラウマを抱える森林消防隊員ハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)は、ある日異様な様子の少年コナー(フィン・リトル)と出会う。彼は父親が殺害される現場に遭遇したため暗殺者たちから追われており、父が命懸けで守り抜いた秘密を知る唯一の生存者だった。ハンナは彼を守ることを決意するも、コナーの命を狙う暗殺者たちの追跡に加えて、大規模な山火事が発生し二人は逃げ場を失う。

シネマトゥデイ

感想・その他

監督・脚本を手がけるテイラー・シェリダン作品でたびたび見かける俳優、それがジョン・バーンサルです。彼は映画『ボーダーライン(Sicario)』にも顔を出していますし、『ウインド・リバー』でも印象的な役どころで登場します。シェリダンの作品に欠かせない“常連”俳優の一人といっていいでしょう。

それ以外にも、私がこれまでに観た作品では、『ロスト・マネー 偽りの報酬(We Own the Night)』や、刑務所を舞台にした重厚な人間ドラマ『ブラッド・スローン(Shot Caller)』などにも出演しており、どれも存在感ある演技を見せていました。特に『ブラッド・スローン』では、荒々しさの中に繊細さも感じさせる演技が印象に残っています。

テレビドラマでは『ウォーキング・デッド』の初期に登場し、主人公リックの旧友でありながら、やがて敵対していく複雑な役柄を演じていました。彼の演じるキャラクターは単なる善人・悪人に留まらず、常に人間的な矛盾や葛藤を抱えている点が魅力です。

彼のフィルモグラフィーをざっと見ただけでも、2001年のデビュー以来、ほとんど途切れることなくコンスタントに映画やドラマに出演し続けており、まさに“引く手あまた”の実力派俳優であることがわかります。ハリウッドの「超美形俳優」というタイプではありませんが、そのぶん顔に刻まれた経験値や存在感が役柄にリアリティを与えています。いわゆる“味のある顔”というやつですね。

ジョン・バーンサル。名前を覚えておいて損はない俳優です。これからも、きっとどこかの作品で再び出会うことになるでしょう。

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