とはいえ、実際のところは、ここ10年ほどはだましだまし使ってきたというのが正直なところです。時折、ブォーンという大きな異音を発したかと思えば、数日後には何事もなかったかのように静かに回り出す──そんな不安定な状態を繰り返してきました。
ところが、3か月ほど前から様子が一変しました。これまでとは異なる「キュルキュル」という高い金属音が常時鳴るようになり、さすがの妻も使用を断念。料理中も換気扇を使わなくなった結果、キッチンはもちろん、リビング全体にも油っぽいにおいや空気の重たさが漂うようになりました。換気の重要性を、身をもって実感させられる日々が続き、ついに私も重い腰を上げることに。
最初は、どうせなら最新のスタイリッシュなレンジフードに買い替えて、自分で取り付けてしまおうと考えました。最近はDIY向けの動画もたくさんアップされており、やってできないことはなさそうだと思ったからです。ところが、いざ妻に相談してみると、思いがけず「まずは修理の方向で」と購入許可が下りず。しぶしぶ、現状の換気扇を修理する方向にシフトしました。
分解してみると、やはり原因はモーター部分にあるベアリングの劣化でした。2つあるベアリングのうち、1つが完全に「ゴリゴリ」になっていて、これが異音の原因だと判明。事前にネットで購入していた同型のベアリングで、慎重に交換作業を行いました。
作業は思った以上に手間がかかり、分解・清掃・取り付けを含めて、午後2時に作業を始めてから夜の9時過ぎまでかかりました。しかし、交換後のモーターは驚くほど静かになり、まるで新品に戻ったかのよう。長年の埃や油汚れもきれいに取り除いたことで、換気効率も明らかに向上しました。
とはいえ、すでに30年近く酷使してきた機器です。今回の修理でひとまず延命はできましたが、次にモーターなんかが壊れれば、さすがに完全な交換を視野に入れざるを得ないでしょう。
今回の一件を通じて痛感したのは、「日頃の掃除が肝心」という当たり前の事実。定期的に手をかけてあげるだけで、家電製品の寿命も大きく変わることを改めて実感しました。今後はせめて年に一度はメンテナンスしてあげようと、しみじみ思っています。

作業開始です。まずはレンジフードのフード部分を取り外します。

油で固着しているようで、シロッコファンを取り外すのに時間がかかりました。

モーターとシロッコファンを固定しているスピナーをドライヤーで温めたりして、なんとか取り外しに成功しました。ちなみにスピナーは通常とは逆で、右回り(時計回り)で外します。

ここは一度も掃除していない部分です。

やっとモーターを取り外せました。

カタツムリ部分を取り外したレンジフード。

この2つのベアリングを交換しました。画像でいうと上側のベアリングがゴリゴリでした。ベアリングに取り外しには、自転車整備で使うために持っていたベアリングプーラーが役に立ちました。

モーターを付けたカタツムリ部分を戻し、シロッコファンを取り付けて作業完了です。

LIXILさんより画像拝借
一番手間取ったのが、シロッコファンとモーター軸を同期(結合)させるためのシャフトピンの抜き差しでした。
2mm以下のポンチがあれば問題ありませんが、ない場合はかなり苦労すると思います。
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