ジェイク・ギレンホール主演、映画『ロードハウス/孤独の街』のあらすじ・感 想など

私的評価

映画『ロードハウス/孤独の街』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

観終わった率直な感想としては、「ハチャメチャすぎて、映画の本来の魅力が少し台無しになってしまった」という印象でした。ストーリーや演出がどこか軽すぎて、悪役たちももう少し陰険で恐ろしい存在感があれば、緊張感や迫力が増したのではないかと感じます。もし、もう少しシリアスなトーンが加わっていれば、アクション映画としての完成度はさらに高まったでしょう。

とはいえ、娯楽映画として考えれば後味はスッキリしており、深く考えずにリラックスして観られる作品です。ソファに寝そべりながら、軽く楽しむにはちょうど良い映画と言えます。派手なアクションシーンもありますし、テンポも悪くないので、日常の疲れを忘れて気楽に観るには十分です。

ただし、『ワイルドカード』などのジェイソン・ステイサム主演作のように、何度も観たくなるリプレイ性のあるアクション映画とは少し異なります。一度観れば満足できる娯楽作、といった位置付けの作品でしょう。

総合的には、深みを求めるよりも、肩の力を抜いて楽しむ映画としておすすめできます。スリルや緊張感をしっかり味わいたい方には、少し物足りなさを感じるかもしれません。

★★☆☆☆

作品概要

監督はダグ・リーマン。
脚本はアンソニー・バガロッツィ、チャールズ・モンドリー。
製作はジョエル・シルヴァー。
主演はジェイク・ジレンホール、その他出演者にダニエラ・メルシオール、コナー・マクレガー、ビリー・マグヌッセンほか。

2024年制作のアメリカのアクション映画です。1989年のパトリック・スウェイジ主演映画『ロードハウス/孤独の街』のリメイクです。監督は映画『ボーン・アイデンティティ』のダグ・リーマンで、2024年3月21日よりAmazon Prime Videoで配信されました。

作品の紹介・あらすじ

解説
1989年のパトリック・スウェイジ主演作「ロードハウス 孤独の街」(ビデオ題「ロードハウス 誓いのカクテル」)を、ジェイク・ギレンホール主演でリメイクしたアクション映画。フロリダキーズにある美しい島「ロードハウス」で用心棒の職を得た元総合格闘技家のダルトンが、その楽園のような島でマフィアのボスと対峙することになる姿を描く。
監督は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマン、製作に「マトリックス」シリーズなど数々の大作を手がけてきたジョエル・シルバー。ジェイク・ギレンホールが主人公ダルトン役で主演を務め、「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」「ワイルド・スピード ファイヤーブースト」のダニエラ・メルヒオール、「アラジン」「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のビリー・マグヌッセン、「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」のジェシカ・ウィリアムズ、「search #サーチ2」のヨアキム・デ・アルメイダらが共演した。

映画.com

あらすじ
ダルトンはかつてUFCのファイターだったが、今は地下格闘技の賞金で生計を立てていた。
ある日、ダルトンはフランキーという女性からフロリダキーズにある彼女の経営するバー「ロードハウス」の用心棒をやらないかと持ち掛けられる。厄介な連中が連日、自分の店に来て荒らし回って困っているという。
その依頼を引き受けたダルトンは、早速その腕っぷしを発揮するが、背後には店を潰そうと暗躍するマフィアのボスの陰謀があった。

Wikipedia

感想・その他

映画『ロードハウス/孤独の街』を観ました。リメイク作品として話題になっていたこの映画、アクションはもちろん、独特の空気感が印象的でしたが、なかでも目を引いたのが敵役として登場するコナー・マクレガーの存在感です。

彼の顔を見たとき、「どこかで見たことあるな…」と思ったのですが、その時点ではてっきり、どこかの映画やドラマでよく見る俳優だろうと考えていました。体格もいいし、やたらと動きがキレる俳優だな、くらいの印象だったのです。ところが後から調べてみてびっくり、実は彼はアイルランド出身の伝説的な総合格闘家だったのです。

コナー・マクレガーは1988年7月生まれの35歳(2024年3月現在)。総合格闘技界、特にUFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)では名実ともにスーパースターで、元UFC世界フェザー級王者、元ライト級王者というだけでなく、UFC史上3人目の二階級制覇王者であり、しかもその両階級を同時に保持した初のファイターという、まさに伝説の男。アイルランド人としても初のUFC世界王者であり、母国でも“国民的英雄”といっても過言ではありません。

その名声は格闘技の枠を超え、2017年にはボクシング界の無敗王者フロイド・メイウェザーと、なんとボクシングルールで一戦交えました。もちろん専門外ということで厳しい試合になるかと思われましたが、結果的には大健闘し、多くのファンの記憶に残る試合となりました。この試合でマクレガーが得たファイトマネーは実に3,000万ドル。日本円にして約45億円(1ドル150円換算)にもなります。対するメイウェザーはその3倍、約135億円を稼ぎ出し、その年の「世界スポーツ選手長者番付」で堂々の1位に輝いたそうです。

格闘家として華々しいキャリアを築いた彼は、引退後も実業家として成功しているとのこと。ウイスキーブランド「Proper No. Twelve」の展開をはじめ、ファッションやフィットネス関連のビジネスにも乗り出し、その破天荒なキャラクターとは裏腹に、実業家としても手腕を発揮しているようです。

そんな彼が俳優としてこの『ロードハウス』に出演しているというのは、ある意味で時代の象徴かもしれません。スポーツ選手が映画界に進出するのは珍しくないとはいえ、彼のようなキャラクター性と実績を併せ持った人物がスクリーンに現れると、それだけで作品に強烈なインパクトを与えます。事実、彼が登場するシーンは迫力に満ちており、リアルな動きや殺気立った表情は「演技」というよりも「実体験に基づく表現」に近いものを感じました。

映画自体もなかなか面白かったですが、コナー・マクレガーという存在を再認識できたことも、個人的には大きな収穫でした。今後、俳優としてどこまで活躍するのか、その動向にも注目していきたいと思います。


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