
ぼんやり新聞を読んでいた午前、気づけば多度山にいた
その朝は、特に予定もやることもなく、なんとなく新聞をめくって過ごしていました。窓から射し込む日差しは気持ちよく、部屋には静かな時間が流れていましたが、ふと「このまま一日を終えるのはもったいないな」と思い立ちました。どこかへ出かけたい――そうだ、久しぶりに多度山へ行ってみよう。ドライブがてら、体も少し動かそう。
トレッキング用のウェアと靴を引っ張り出し、ガスバーナーやクッカーなど、湯を沸かす道具一式をリュックに詰め込みます。いつもの愛車・エブリイに荷物を積み込み、出発したのは午前9時半ごろ。車中には、なんとも言えない「小さな旅の始まり」の高揚感がありました。
多度峡の駐車場に着いたのは10時過ぎ。思った以上にクルマが多く、駐車場はすでに満車に近い状態でしたが、運よく1台分の空きを見つけてすべり込むことができました。車内でトレッキングウェアに着替え、環境保全協力金を支払って、いざ山道へ。
ところが、歩き出してすぐに気づきました。身体が思うように動かない。しばらくまとまった運動をしていなかったせいか、それとも年齢的なものか…。登り坂が続くにつれて、息は上がらないのに足が重い。不思議なことに、心拍数も100を少し超える程度しか上がらなく、しんどさだけが積み重なっていきました。
何度も「今日は引き返そうか」と心が折れそうになりながらも、自分を叱咤激励し、なんとか「海の見える展望所」にたどり着きました。青く広がる空と、はるか彼方にきらめく伊勢湾。久しぶりに見るその景色には、やはり来てよかったという安堵がありました。でも、そこに長居はせず、記念に数枚写真を撮っただけで下山を開始。
帰路は「黒石尾根コース」を選び、やや短めのルートで戻ることに。距離にしておよそ10kmほどの行程でしたが、体力的にはかなりぎりぎり。無事に駐車場まで戻ってきたときには、ささやかな達成感とともに、足元にじんわりとした疲労がたまっていました。
さて、今回のもうひとつの楽しみはエブリイでの湯沸かし実験。以前から試してみたかった“車中湯沸かし&コーヒータイム”をついに実行するチャンスです。クルマの後部にて、ガスバーナーでお湯を沸かし、お気に入りのドリップバッグでコーヒーを抽出。ついでに軽めの昼食も一緒に。
しかし、やってみれば出てきます。いくつかの問題点や不便さが浮かび上がりました。改善点が見えたことで、次はもっと快適にできるはず。あれこれと改良案を思い浮かべながら、次回の「エブリイ・カフェタイム」に向けて気持ちが少し前向きになりました。
特に特別なことはしていない一日。でも、思いつきで行動したおかげで、体も頭もリフレッシュできました。やっぱり、家でじっとしているより、ちょっと無理してでも外に出ると、思いがけない収穫があるものです。


年々、この「海の見える展望所」の景観が悪くなっている気がします。木々が伸びてきて眺望を妨害しています。


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