草刈正雄主演、テレビドラマ『68歳の新入社員』のあらすじ・感想など

2018年6月22日金曜日

ドラマ 単発ドラマ

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私的評価

岡田惠和によるオリジナル脚本『68歳の新入社員』。
フジテレビ系全国ネットで放送された、高畑充希と草刈正雄がW主演する2時間スペシャルドラマ。

録画していたのを、やっと観れました。草刈正雄ファンとしては、見逃す事はできません。『プロハンター』の草刈正雄は格好よかったなぁ。なんと言われようと、中学生の時から草刈正雄が好きなんです。私に、「草刈正雄はカ〇ラだよ」と言っても絶対に信じませんよ。

★★★☆☆

作品概要

脚本は岡田惠和。
プロデューサーは萩原崇(関西テレビ)、水野綾子(共同テレビ)。
制作は関西テレビ。
制作著作は共同テレビです。
出演は高畑充希、草刈正雄、原田美枝子、笹野高史、宮川一朗太ほか。

2018年6月にフジテレビ系列で放送されました。

作品の紹介・あらすじ

昔ながらの味と信頼で親しまれ、そこそこの人気を保っている和菓子会社の羊堂本舗。新たな客層をつかむため、新規事業開発に乗り出すことになった。そのリーダーを務めるのが28歳の工藤繭子(高畑充希)。他社からヘッドハンティングされてきた彼女だが、新規事業開発の難しさに悪戦苦闘し、社内のプレッシャーにもさいなまれていた。
そんなある日“新入社員”として68歳の仁井本和夫(草刈正雄)が、突然、繭子の部下として配属されてきた。繭子は和夫が自分より40歳も年上だと知り、あ然として、怒りすら覚えてしまう。「過去を自慢しながら仕事をするのか?それともまっさらな新入社員として新たな仕事をするのか?」と突きつけた上で、指導役を引き受けるが、スマホを持たず、タブレットも知らない和夫に途方に暮れる。
“新入社員”の和夫は、長年の羊堂本舗での勤務を終えた後の引退生活に飽きてきたところだった。企業戦士時代の仕事への情熱が再燃していたタイミングでの再入社に、意欲がかき立てられていた。新たな部署での上司が40歳年下であることには苦笑するが、久々に仕事ができるとあって、非常に前向き。とはいえ、40歳年下の“ボス”に仕える新しい環境での仕事は一筋縄ではいかない。家庭では、しっかり者の妻・文子(原田美枝子)が和夫の様子を気にかけ、陰で支えてくれていた。
驚きの出会いから始まった繭子と和夫の2人の関係に、徐々に変化が表れていく。結果を求められる仕事のプレッシャーにさいなまれ、追い詰められていた繭子は、会社人生の終わりを覚悟するほどのとんでもないトラブルを起こしてしまう。さらにプライベートでも、恋人の小野諒(小瀧望)との関係までぎくしゃくして落ち込む繭子に、社会人としても、人としても大先輩である部下の和夫がかけた言葉とは?
価値観も世代も性別も立場も違う上司と部下の2人は、度重なるハードルを乗り越えてお互いを認め合うことができるのか?そして働くことの価値をどう考え、ビジネスで光明を見つけ出すことはできるのか!?

フジテレビ(68歳の新入社員)

感想・その他

物語の前半、とにかくイライラさせられるのが工藤繭子(高畑充希)の態度。いくら実力のある若手社員とはいえ、68歳の“新入社員”である仁井本和夫(草刈正雄)に対して、まさかのタメ口連発。「ええっ、40も年上の人にそれ、ないでしょ!?」と、思わずツッコミたくなります。おそらく多くの視聴者が、あの生意気さにムカムカしたはず。

ところが、仁井本はそんな彼女の言動を全く気にする様子もなく、終始穏やかで、柔らかな笑みを絶やさない。懐の深さというか、年輪を重ねた人間の余裕がそこにはありました。演じる草刈正雄の醸し出す品と落ち着きが、このキャラクターにぴったりとハマっていて、「さすが草刈さん」と思わず唸ってしまいます。普通だったら、あんな態度取られたら即ブチ切れでしょうに……。

物語は、価値観も仕事の進め方もまるで違うふたりが、少しずつ歩み寄っていく姿を丁寧に描いていきます。そんな中で、重要な役割を果たすのが仁井本の妻・文子(原田美枝子)。彼女の温かく、時に厳しい言葉が、工藤の心をほどいていく大きなきっかけになります。家族の支えがあってこその“新入社員”であり、彼の姿勢に学ぶべきことは多いと感じました。

そして物語が大きく動くのが、いかにもイヤ〜な感じの上司・佐々木(宮川一朗太)が登場してから。見た目も言動も、なんとも小賢しく、視聴者の“ヘイト”を一手に引き受けてくれる存在です。その佐々木に対し、ついに工藤がキレてしまい、なんと手を上げてしまうという衝撃の展開。これには「やっちゃったな……」とヒヤッとさせられましたが、一方で「よくやった!」と拍手を送りたくなる気持ちも否めません。

工藤の処分はどうなるのか? 新規事業開発プロジェクトは宙に浮いたままなのか?――そんな不安を抱えながら迎えるクライマックスは、予想以上に清々しく、心地よいラストが待っていました。すべての問題が魔法のように解決するわけではありませんが、それぞれが納得できる形で着地しており、「ああ、観て良かった」と素直に思える終わり方です。

スペシャルドラマとしては見応え十分でしたが、これはぜひ連続ドラマとして、もう少し丁寧に描いてほしかったなというのが正直なところ。工藤と仁井本の関係性や、それぞれの背景、プロジェクトの進行など、もっと深掘りできる要素がたくさんありました。

それにしても、宮川一朗太。近年、こうした“ちょっと嫌なやつ”や“権力を振りかざす小物”みたいな役どころが増えましたね。今回も実にいい“嫌われ役”っぷりで、見ていてムカッとするけど、それが作品全体を引き締める大きなスパイスになっています。彼のように“嫌われることが上手い”役者というのは、やはり貴重です。

全体として、世代や価値観のギャップ、働くことの意味、そして人と人との関係性について考えさせられる良作でした。派手さはないけれど、じんわり心に沁みてくる、そんな作品です。



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1964年生まれ。糖尿病を患ってから、自転車と歩くことを趣味にしています。毎日クスリ飲んでます。

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