私的評価
カナダの大ヒット・ミステリードラマシリーズ『DEP:重大事故捜査班』シーズン1(航空機編),シーズン2(高速列車編)、そしてシーズン3(旅客船編)を観ました。Amazonプライムビデオでの視聴です。
カナダのドラマを初めて観ましたが、大ヒット作になった理由がよく分かるほど面白かったです。
ただし、私の評価では、面白さの順は「シーズン1 > シーズン2 > シーズン3」となります。全シーズンで「裏切り者が必ず登場する」というパターンが繰り返されており、それがマンネリ化の原因になっているのかもしれません。
特にシーズン1の航空機編は非常に面白く、一見の価値があります。
★★★★☆
作品概要
監督はT・J・スコット。脚本はヴィンセント・シャオ、マルコム・マクラーリー、ジョン・クリザンク、ステファニー・トレイシー。
主演はアーチー・パンジャビ、共演者にはクリストファー・プラマー、レベッカ・リディアードほか。
シーズン1『DEP:重大事故捜査班~航空機編』(全6話)は2019年に放送。
シーズン2『DEP:重大事故捜査班~高速列車編』(全6話)は20217年に放送。
シーズン3『DEP:重大事故捜査班~旅客船編』(全6話)は2022年に放送。
カナダのミステリードラマテレビシリーズです。2019年にシーズン1が放送されましたが、平均視聴者数は120万人を超える大ヒットとなり、シーズン2もカナダ全局ドラマ部門で全話1位を記録しました。また、シーズン3はカナダ以外の世界中で放送・配信されました。大規模な事故を調査するチームが、重大事故に隠された陰謀と真相を追うドラマです。
作品の紹介・あらすじ
『DEP:重大事故捜査班~航空機編』あらすじ
乗員乗客256人を乗せた旅客機BGA716便が大西洋上でこつ然と姿を消す。TSIB(運輸安全調査局)の事故調査官ケンドラ率いるチームは、あらゆるデータを分析して機体の位置を探り当て、奇跡的に1名の生存者を発見。調査チームは海底に沈んだ機体からのブラックボックス回収を目指すが難航。一方で、機長が自殺をほのめかしていたこと、死んだはずのテロリストが偽名で搭乗していたことなど、次々に新事実が明らかになる。
AXN
『DEP:重大事故捜査班~高速列車編』
あらすじ
カナダのトロントから米国シカゴを目指していた完全自動運転の高速列車アポロが脱線事故を起こし、乗員乗客60名以上が犠牲になる。ケンドラは米国のFTSA(連邦運輸安全局)の要請を受け、主任調査官としてチームを率いるが、事故直後にアポロから逃亡した移送者がいたことからFBIに指揮権を握られてしまう。ケンドラたちは事故直前にブレーキが作動しなくなったことを知るが、異常発生の原因は不明。
AXN
『DEP:重大事故捜査班~旅客船編』
あらすじ
カナダのニューファンドランド島沖で、乗員乗客493名を乗せた米国籍の旅客船クイーン・オブ・ナローズ号が沈没。ケンドラ率いるFTSA(連邦運輸安全局)のチームが事故調査にあたる。ケンドラは救助要請から約32分という異常なスピードで沈没したことに違和感を覚える。そんななか、解雇された元船員が乗船しナローズ号に関するあやしげなウェブサイトを作成していたことから容疑者とされる。一方でケンドラは、ナローズ号の所有会社や同船の販売元である英国の企業に過失がなかったかを調査する。
AXN
感想・その他
ドラマの出演者たちは、主人公のアーチー・パンジャビをはじめとして、私にとってはあまり見慣れない俳優陣ばかりでした。もちろん、無名というわけではなく、イギリスやカナダなどでは一定のキャリアがある俳優たちのようですが、日本での知名度となると、やはり限られてくるのでしょう。むしろ、こうした馴染みのない顔ぶれがリアリティを生み、物語への没入感を高めていたとも言えるかもしれません。そんな中で、唯一「おっ、この人知ってるぞ」と思ったのが、ピーター・メンサーです。がっしりとした体格と存在感のある風貌で、一度見たら忘れられない印象の俳優です。彼のことを最初に強く記憶したのは、映画『300〈スリーハンドレッド〉』(2006年)に登場した、ペルシア帝国の使者役。たった数分の登場シーンにもかかわらず、その不気味で威圧的な雰囲気と、どこか神々しさすら感じさせる佇まいが強烈で、「うわぁ……なんだこの人、すごいな」と思わず息を呑んだ記憶があります。

身長190センチ超の長身に加え、低く響く声と鋭い眼光。あのシーンで彼がレオニダス王に向かって高圧的に交渉を持ちかける姿は、まさに“死の使者”といった雰囲気で、映画全体のトーンを象徴するような存在でした。
彼はその後、テレビドラマ『スパルタカス』シリーズにも出演していたようです。私自身、『スパルタカス』は全シリーズ視聴しているのですが、正直に言うと、ピーター・メンサーが演じていたキャラクターは明確に記憶に残っていません。当時は俳優の名前まで意識して観ていなかったこともありますが、それ以上にこのドラマ自体が、非常に過激で強烈な内容だったため、他の要素に目を奪われていたのかもしれません。
というのも、『スパルタカス』はそのバイオレンス描写や性描写の激しさで有名な作品で、血しぶきが飛び交う戦闘シーンはもちろん、官能的なシーンも数多く、当時のテレビドラマとしてはかなり攻めた内容でした。毎回のように視覚的な刺激が詰め込まれていたため、冷静に俳優の演技や表情を追う余裕がなかったとも言えます。
今回改めてピーター・メンサーを見て、「ああ、あの人がまた違う役柄で出ているのか」と感慨深いものがありました。こうして一人の俳優が様々な作品で違う顔を見せてくれると、演技の幅や深みを再認識できます。彼のような“圧”のある存在感を持つ俳優が物語の中にいると、シーン全体が引き締まり、自然と画面に目が吸い寄せられてしまいます。
これを機に、他にも見逃していた出演作を掘り返してみるのもいいかもしれません。派手ではなくとも確かな演技力と存在感を持つ俳優に出会えるのも、ドラマや映画を観る楽しみのひとつです。
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