松坂桃李主演、映画『孤狼の血 LEVEL2』のあらすじ・感想など

2022年3月1日火曜日

映画 映画(邦画)

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私的評価

映画『孤狼の血 LEVEL2』を観ました。
レンタルDVDでの鑑賞です。

松坂桃李さんは、以前から好感を持っている俳優さんです。繊細さや静かな情熱を内に秘めたような演技が魅力で、作品によっては彼でなければ出せない空気感があります。ただ今回の映画では、どうしても前作で主演を務めた役所広司さんと比較してしまう自分がいました。役所さんの圧倒的な存在感と重厚な演技と比べると、松坂さんはどうしても“線が細く”感じてしまい、この作品の世界観の中では若干頼りなさを覚えてしまいました。

もちろん、見た目の工夫もされていて、無精髭に短髪というラフな風貌で“やさぐれ感”を出そうとしているのは伝わってきました。しかし、それが完全に役に馴染んでいたかというと少々疑問で、どこか演出の枠を出ていないような印象を受けました。役どころとしてもっと泥臭く、荒々しさや得体の知れなさが求められていたのではないか…と感じたのです。これは彼自身の演技力というよりは、キャスティングや演出の方向性の問題かもしれません。

それに対して、鈴木亮平さんの演技は見事でした。もともと役ごとに体型や雰囲気を自在に変えることで知られる俳優ですが、今回もその実力をいかんなく発揮していました。言動の端々から滲み出る狂気、何をしでかすか分からない危うさ――まさに“キレている”という言葉がぴったりの役どころで、観ていて緊張感が途切れる瞬間がありませんでした。残虐さをただ大袈裟に表現するのではなく、静かに、しかし確実に観る者をゾクッとさせる演技。完全に作品の空気を支配していました。

映画全体としての印象で言えば、やはり前作の方が迫力があり、物語としての完成度も高かったように感じます。物語の緊張感、登場人物同士の火花散るようなやりとり、そして映像演出――すべてにおいて前作の方がより心を揺さぶられた印象が残っています。

★★★☆☆

作品概要

監督は白石和彌。
脚本は池上純哉。
原作は柚月裕子の小説『孤狼の血』シリーズ。
製作は紀伊宗之、天野和人ほか。
主演は松坂桃李、その他出演者に鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、早乙女太一ほか。

2021年8月公開の日本映画です。柚月裕子の小説『孤狼の血』シリーズを原作とした2018年の映画『孤狼の血』の続編映画ですが、ストーリーは完全オリジナル作品です。 監督は前作に続き白石和彌がメガホンを取っています。

作品の紹介・あらすじ

解説
柚月裕子による小説を『日本で一番悪い奴ら』などの白石和彌監督が映画化した続編で、前作から3年後の物語をオリジナルストーリーで描く犯罪ドラマ。亡き先輩刑事の跡を継ぎ広島の裏社会を取り仕切るようになった若き刑事が、刑務所を出所してきた暴力団員と火花を散らす。前作で新人刑事を演じた松坂桃李や彼と対峙(たいじ)する暴力団組長役の鈴木亮平のほか、村上虹郎、西野七瀬、中村梅雀、吉田鋼太郎などが出演する。

あらすじ
広島県警呉原東署刑事二課の日岡秀一(松坂桃李)は、マル暴の刑事・大上章吾に代わり、広島の裏社会を治めていた。しかし、上林組組長の上林成浩(鈴木亮平)が刑務所から戻ったことをきっかけに、保たれていた秩序が乱れ始める。上林の存在と暴力団の抗争や警察組織の闇、さらにはマスコミのリークによって、日岡は追い詰められていく。

シネマトゥデイ

感想・その他

最近気になっていた二人の俳優さんについて。どちらもいわゆる“イケメン俳優”とは一線を画す存在ですが、その演技力と独特の存在感に、じわじわと惹かれつつある自分がいます。

一人目は渋川清彦さん。正直に言えば、つい最近までこの方の芸名すら知りませんでした。でも顔は見覚えがあって、いろいろなドラマや映画で「この人、よく見るな」と思っていた存在でした。そんな中で改めて意識するきっかけになったのが、ドラマ『真犯人フラグ』での演技。いかつい見た目に反して、どこかコミカルで、人間味あふれる役柄を見事に演じていて、「この人、上手いなぁ」と感心すると同時に、すっかり魅了されてしまいました。

強面なのに、ふとした瞬間に見せる柔らかさやユーモアがたまらなく好きで、もっといろいろな作品で観たいと思わせてくれる俳優さんです。長く脇役で活躍されてきたようですが、ようやく自分の中で名前と顔が一致した感じです。勝手ながら「年上かな」と思っていたのですが、調べてみてビックリ。なんと私より10歳も年下。しっかりとした風貌と落ち着いた佇まいからは想像もできず、ちょっとした衝撃でした。

そしてもう一人は、毎熊克哉(まいぐま・かつや)さん。この方のことを初めて意識したのは、NHKのドラマ『少年寅次郎』での寅次郎の父親役でした。酒に溺れ、仕事も長続きしない“どうしようもない父親”。なのに、時折見せる息子への不器用な愛情や、ふと漏れる優しさに、観ていて何度も胸が熱くなりました。ああ、この人はただの“悪い父親”じゃないんだな…と、役に深みを感じたのを今でも覚えています。

こちらもまた、骨格のしっかりした強面系ではあるのですが、どこか愛嬌があって、目元に優しさが滲んでいるような顔立ち。正直、けっこう好みです(笑)。気になって年齢を調べてみたところ、なんと2022年3月現在で34歳。思った以上に若くて、その若さであの演技の深みはすごいなと感心しました。

渋川さんにしても、毎熊さんにしても、派手さやスター性というより、静かな存在感で物語にリアリティをもたらすタイプの俳優さん。まさに“芝居の空気を変えられる人”という印象です。これからもっといろんな作品で、主役でも脇役でも観てみたい俳優さんたち。私の中では、どちらも今後の活躍に注目している“推し”俳優となりました。



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1964年生まれ。糖尿病を患ってから、自転車と歩くことを趣味にしています。毎日クスリ飲んでます。

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