2016年12月10日(土)
「山陰海岸ジオパークトレイル」を歩く3泊4日の旅、いよいよ3日目。
この日は、日本海に面した鳥取砂丘から、内陸の鳥取駅までを歩くルート。
主に中国自然歩道をたどり、霊場・摩尼寺(まにじ)や、鳥取城跡のある久松山(きゅうしょうざん)を経由する、山と歴史を感じるコースです。
前夜は、まるで嵐のような風と激しい雨音が、夜通し屋根を打ちつけていました。
何度もその音に目を覚まし、天気が本当に回復するのか、不安な気持ちのまま朝を迎えます。
それでも夜が明ける頃には風は弱まり、雨もなんとか小康状態。
テレビをつけると、どのチャンネルでも「本日は広い範囲で雨模様」との予報が繰り返されていましたが、歩く準備はすでに整っています。
少し遅めの8時半頃、宿の玄関でしっかりと合羽を着込み、意を決して出発。
身にまとう雨具が、どこか戦闘服のように心強く感じられます。
もう雨など怖くない。むしろ、この天候も旅の一部として楽しもう、そんな気持ちにさせてくれるのが「歩く旅」の醍醐味かもしれません。
鳥取砂丘を背に、南へと向かって歩き出すと、風景は徐々に海から山へと変化していきます。
時折パラパラと小雨が降ったかと思えば、ザッと本降りに変わる。
しかしそれもまた長続きせず、しばらくするとまた空が明るくなる。
そんな繰り返しの中、足元はぬかるみ、合羽には雨粒が音を立てて落ちる。
それでも、どこか非日常的で、静かにわくわくするような時間が流れていました。
やがて山道へ入り、森の匂いと土の感触が濃くなってくると、摩尼寺が近づいてきた証。
山の中腹にひっそりと佇む古刹は、しっとりと濡れた石段や苔むした山門が実に美しく、静謐な空気が漂っています。
こんな天気の日にこそ、その趣は際立つのかもしれません。
境内を少し歩き、深呼吸をひとつ。心がすっと整うような、そんな瞬間でした。
その後もぬかるんだ山道を登り、鳥取城跡のある久松山へ。
登るにつれて町の景色が見渡せるようになり、曇天ではあるものの、どこか幻想的な風景に包まれます。
山頂付近では雨も一時的に止み、木々の間から鳥取の町並みがうっすらと姿を現しました。
久松山を下山し、市街地へ入ると、少しずつ日常の気配が戻ってきます。
市役所や学校、通勤通学の人たちが行き交う中、自分だけがこの数時間、まったく違う時間の中を歩いていたような、不思議な感覚にとらわれました。
そして夕方、無事に鳥取駅に到着。
雨が降ったり止んだりの一日でしたが、それでも心は晴れやかでした。
自然と、歴史と、町と、そして自分自身と静かに向き合える、そんな一日だったように思います。

多鯰ヶ池は鳥取砂丘のすぐ南に位置しています。
多鯰ヶ池と鳥取砂丘。
コースから外れてコンビニへ。
朝食と昼食を購入しました。
このあたりは梨園が多いです。
林道摩屁山線。
ここで初めて「山陰海岸ジオパークトレイル」の案内を見つけました。
GPSはここの中を行けと言ってます(汗)
しかし、100mほどで舗装路となりました。
しばらく歩くと摩尼寺に到着。
門前町がいい感じです。
摩尼寺に向かって右側にルートはあります。
ここも見落として、ルートミスしました。
打ち捨てられ朽ちてきているDT80(?)…。
1か月前に目撃されたそうです。
標高263メートルの久松山頂にある山上の丸。
山麓の二の丸等の城郭。
ここは秀吉による「鳥取の渇殺し(かつえごろし)」があり、ちょっと心霊スポットになっているそうです。
歩いているときに知らなくてよかったです…。
鳥取駅に到着。
今日の宿はドミトリー形式。
新しく設備も充実してますが、何と言っても狭いです。
そして、音が気になりなかなか眠れませんでした。
前日に比べ景色はよくありません。
最後の鳥取城跡くらいでしょうか。
この日も町中以外では、誰一人遭いませんでした。
天気が悪いこともありますが、土曜日なんですよね。
本日の歩行距離は22.3Km。
山陰海岸ジオパークの景観を楽しみながら歩ける、飽きることの無い景観です。全国的にも有名な鳥取砂丘と浦富海岸もコースの一部です。 もちろん、ロングトレイルの特徴である「自然歩道を中心としたルート」で構成されているため、豊かな自然はもちろん、日本海に育まれた漁村の風景、歴史文化といった日本海沿岸の原風景も存分に楽しめるコースとなっています。
HP
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