私的評価
映画『マークスマン』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
御年70歳(2022年現在)のリーアム・ニーソン、以前のようなアクションは望みようもありませんが、年齢相応の役を演じても渋くて格好いいんです。ただ、最後の素手での闘いのあたりは、相手の俳優さんが困ってしまっているくらい、のそっとした緩慢な動きで、観ているこちらが「すまん、すまん」と謝りたくなるくらいでした。
キャッチコピーにある「敵は狂暴麻薬カルテル」のボス、非情に人殺しをしますが、赤いオープンカーに乗った同年代の男女を羨ましそうに見つめるまなざし、ニーソンが軍人だったと聞いた時の憧れのようなまなざし、そのニーソンの軍人時代の勲章を持ち帰る(盗む)心情、こうして生きるしかなかったと吐露した男の哀れさは、胸にグッときました。
とにかく普通に楽しめる映画でした。
★★★☆☆
作品概要
監督はロバート・ロレンツ。脚本はロバート・ロレンツ、クリス・チャールズ、ダニー・クラビッツ。
製作はタイ・ダンカン、マーク・ウィリアムズ、ウォーレン・ゴズ、エリック・ゴールドほか。
主演はリーアム・ニーソン、その他出演者にキャサリン・ウィニック、フアン・パブロ・ラバ、テレサ・ルイスほか。
2021年公開のアメリカのアクションスリラー映画です。元海兵隊員でアリゾナ州の国境の町に住む牧場主の初老の男性が、メキシコの麻薬カルテルから逃げる少年を行きがかり上助けることになってしまいます。
作品の紹介・あらすじ
解説
『アイス・ロード』などのリーアム・ニーソン主演のアクション。元狙撃兵の男が、メキシコの麻薬カルテルに追われる少年をシカゴにいる親類のもとへ送り届けようとする。監督、脚本、製作を務めるのは『人生の特等席』などのロバート・ロレンツ。ドラマシリーズ「ヴァイキング ~海の覇者たち~」などのキャサリン・ウィニック、ドラマシリーズ「SIX アメリカ海軍特殊部隊」などのフアン・パブロ・ラバのほか、テレサ・ルイス、ジェイコブ・ペレスらが出演する。
あらすじ
海兵隊の腕利き狙撃兵だったジム・ハンソン(リーアム・ニーソン)。妻に先立たれた彼は、メキシコ国境付近の町で牧場を営みながら愛犬と暮らしていた。ある日、ジムはメキシコの麻薬カルテルから追われて越境してきた母子と遭遇。組織に銃撃された母は、11歳の息子ミゲルをシカゴに住む親類のもとへ連れて行ってほしいとジムに頼み、息を引き取る。ミゲルを放っておくこともできず、彼とシカゴに向かうことにするジム。だが、アメリカに侵入した麻薬カルテルからの追撃を受ける。
シネマトゥデイ
感想・その他
映画のタイトルにもなっている「マークスマン」とは、英語で「Marksman」と書き、日本語では「選抜射手(せんばつしゃしゅ)」と訳されます。この言葉は、アメリカ陸軍における特定の兵士を指す軍事用語で、主に歩兵小隊に所属し、800メートル以内の標的に対して、より正確な射撃を行うように訓練された兵士のことを意味します。つまり、通常の歩兵よりも高い射撃技術を持ちながらも、特殊部隊のように単独行動するわけではなく、小隊の中でその精密射撃能力を活かす役割を担っているのです。Wikipediaによれば、この「選抜射手(マークスマン)」と「狙撃手(スナイパー)」には明確な違いがあるとされています。選抜射手は小隊や分隊といった比較的大きな部隊の中で運用されるのに対し、狙撃手は通常、観測手(スポッター)や通信手などと2~3人の少人数チームで行動することが多く、より独立したミッションを遂行します。また、使用する銃の性能や狙撃距離にも差があり、マークスマンは800メートル前後の中距離での精密射撃を得意とする一方、スナイパーは場合によっては1.5キロメートル以上の超長距離から敵を狙撃することもあります。これは、使用される銃や弾薬、照準機器の違いによるところが大きいようです。
このような背景を知った上で映画を観ると、主人公がどのようなスキルを持ち、どのような立場で行動しているのかがより明確になり、物語のリアリティや緊張感が一層伝わってくるのではないでしょうか。単に「銃の上手な人」という表面的なイメージではなく、軍の中での役割や専門性を理解することで、作品の深みも感じられるようになると思います。
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