竹野内豊主演、映画『雪風 YUKIKAZE』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『雪風 YUKIKAZE』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

もともと映画館で観に行こうと思っていた作品でした。事前に豊田穣氏の『雪風ハ沈マズ』を読んで事前準備したくらい、この映画には期待していたのです。しかし、映画公開後に目にした感想や評判はあまり芳しいものではなく、次第に「まあ、Amazonプライムビデオで観ればいいか」という気持ちに変わっていきました。

実際に本作を鑑賞してみての率直な感想は、「Amazonプライムビデオで十分だったかな」というものです。個人的には、今どきのフルCGを駆使した迫力ある戦闘シーンを少なからず期待していただけに、その点では残念な印象が拭えませんでした。戦闘描写は九六式25ミリ三連装機銃の場面ばかりで、どうしても単調に感じてしまいます。また、戦闘中に先任伍長が銃撃を受けて戦死する場面についても、リアルさや緊張感に欠け、興冷めしたのが正直なところです。

ただし、本作を純粋な戦闘映画としてではなく、幸運艦「雪風」を舞台に、戦争という過酷な時代を生きた人々の日常や人間ドラマ、そして抗えない運命を描いた作品として捉えるのであれば、評価はまた違ってくると思います。その視点で見れば、本作は決して悪い映画ではなく、静かに心に残る良作と言えるのかもしれません。

戦後80年という節目の年に制作された記念作品であること、そして出演者の顔ぶれを考えると、もう少し予算をかけ、映像面でも作り込んでほしかったという思いが残ります。期待が大きかった分、惜しさも強く感じた作品でした。

★★☆☆☆

作品概要

監督は山田敏久。
脚本は長谷川康夫。
製作は河野聡、門屋大輔、藤本俊介、米田岳ほか。
主演は竹野内豊、その他出演者に玉木宏、奥平大兼、當真あみ、有村架純、田中麗奈、益岡徹、石丸幹二、中井貴一ほか。

2025年8月公開の日本映画。日本海軍が建造・運用した甲型駆逐艦38隻のうち、「幸運艦」とも呼ばれ、唯一太平洋戦争の終戦まで生き延びた不沈艦「雪風」を題材とし、戦中から戦後、現代へと繋がる時代を生きた人々の姿を描く戦争映画です。

作品の紹介・あらすじ

解説
実在した大日本帝国海軍の駆逐艦「雪風」にフォーカスしたドラマ。ミッドウェー海戦、レイテ沖海戦など、太平洋戦争の激戦をくぐり抜けてきた、雪風の乗組員やその家族らの姿を描く。メガホンを取るのは、助監督として『空母いぶき』などに携わってきた山田敏久。『シン・ゴジラ』などの竹野内豊、『沈黙の艦隊』などの玉木宏、『か「」く「」し「」ご「」と「』などの奥平大兼のほか、田中麗奈、益岡徹、石丸幹二、中井貴一らが出演する。

あらすじ
1942年6月、ミッドウェー島沖。沈没目前の巡洋艦「三隈」に駆逐艦「雪風」が近づき、先任伍長・早瀬幸平(玉木宏)の指揮のもと、二等水平の井上壮太(奥平大兼)ら、海に投げ出された三隈の乗員が救出される。翌年10月、雪風に水雷兵となった井上や新しい艦長・寺澤一利(竹野内豊)が配属されるが、寺澤がミッドウェー島沖の救助をとがめたことから、彼と早瀬の間に緊張が走る。

シネマトゥデイ

感想・その他

帝国海軍において「雪風」は、陽炎型駆逐艦(一等駆逐艦)の8番艦として建造された艦だそうです。Wikipediaによれば、一番艦である「陽炎」が沈没した後、書類上は不知火型駆逐艦(しらぬいがたくちくかん)へと区分が改定されたとのことです。この型は全部で19隻が建造されました。
さらに、次級である夕雲型駆逐艦(こちらも建造数は19隻)と合わせて、これらは「甲型駆逐艦」と総称されています。その甲型駆逐艦の中で、激戦をくぐり抜けて終戦まで生き残ったのは、「雪風」ただ1隻だったという事実は、やはり特筆すべきでしょう。

私が「ゆきかぜ」という名を初めて耳にしたのは、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』でした。古代守が艦長を務めていた地球防衛軍のミサイル駆逐艦「ゆきかぜ」が強く印象に残っています。そういえば、近年公開された映画『ゴジラ-1.0』でも「雪風」は重要な役割を担い、印象的な活躍を見せていました。
こうして振り返ってみると、「雪風」という名は、戦時中から現代に至るまで、時代や作品を超えて人々に親しまれ、語り継がれてきた存在なのだと改めて感じます。その背景には、数々の戦場を生き延びた実艦としての歴史と、象徴的な名前が持つ特別な響きがあるのかもしれません。



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