私的評価
Amazonプライムオリジナルドラマ『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』を観ました。全3話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
キアヌ・リーブス主演の映画『ジョン・ウィック』シリーズのスピンオフドラマです。この映画で重要な役割を持つ「コンチネンタルホテル・ニューヨーク」と、ホテルの支配人ウィンストンの若き日が描かれています。全話『ジョン・ウィック』張りのアクションの連続ですが、それが妙に違和感があり、ガンアクションは『ジョン・ウィック』の劣化版、格闘シーンはまるで三流の香港カンフー映画のようでした。でも、面白かったです。
★★★★☆
作品概要
監督はシャーロット・ブランドストロム、アルバート・ヒューズ。製作はグレッグ・クーリッジ、カーク・ウォード、アルバート・ヒューズほか。
主演はコリン・ウッデル、共演者には アヨミデ・アデグン、 メル・ギブソンほか。
Amazonプライムビデオにて、rime2023年9月22日に第一話、9月29日に第二話、10月6日に第三話が配信されました。ジョン・ウィックの世界を象徴する、暗殺者が集うホテル「ザ・コンチネンタル」の起源を描くミニ・シリーズです。1970 年代のニューヨークを舞台に、主人公たちが巨大な敵に挑むアクションドラマで、家族愛、運命、そして復讐を描いています。
作品の紹介・あらすじ
解説
『ジョン・ウィック』の世界を象徴する暗殺者のためのホテル「コンチネンタルホテル」の起源を、若きウィンストン・スコットの目線から3部構成のストーリーで探る。1970年代のニューヨークの地獄絵図に引きずり込まれ、かつて置き去りにしたはずの過去に再び直面するウィンストン。謎に包まれたホテルの裏社会で命がけの道を進み、経営者としての地位に上り詰めるまでの痛快な挑戦を描く。
シネマトゥデイ
あらすじ
ロンドンで巧みな話術を武器にのし上がろうとする経営者ウィンストン(コリン・ウッデル)は、音信不通状態の兄フランキー(ベン・ロブソン)がニューヨークで起こした事件絡みで強引に古巣へと拉致される。
かつての雇い主であり、コンチネンタルホテル・ニューヨークの支配人でもある裏社会のドン、コーマック(メル・ギブソン)が「弟なら兄の居場所を知っているだろう」と逃亡中のフランキーを捜索させるために手を回したのだ。ウィンストンはコーマックに従うふりをしながら、兄を助けようとするのだが‥‥‥。
ひとシネマ
感想・その他
あの大人気映画シリーズ『ジョン・ウィック』のスピンオフ作品として注目されていた本作ですが、やはりその世界観は裏切りませんでした。スタイリッシュで冷酷な暗殺者たちが行き交うホテル「コンチネンタル」を舞台に、過去の因縁や権力闘争が繰り広げられ、見応えのある内容でした。中でも強烈な印象を残したのが、悪役を演じたメル・ギブソンです。
かつては『マッド・マックス』で好青年のヒーロー像を体現していた彼ですが、いまやすっかり“悪役顔”が板についてきた印象です。年齢を重ねたことで顔に深みが出て、そこにあの眼光と独特の声が合わさると、まさに一言一言に威圧感があり、画面を支配してしまうほどの存在感を放っていました。主人公を食ってしまうような貫禄で、「やはり一流の俳優は年を重ねてこそ輝くのかもしれない」と感じさせられました。
メル・ギブソンの出演作は数多くありますが、私が観ているものは限られており、その中でも特に印象に残っているのが映画『ペイバック』です。ダークな世界観と冷徹な主人公、そして何よりも「理不尽にやられた男が執念で金を取り返す」というシンプルながらも心に刺さるストーリー展開。あの独特の乾いたユーモアと暴力のバランスが絶妙で、まさにメル・ギブソンの魅力が凝縮された一作でした。
そして、『ペイバック』で忘れられないのが、ジェームズ・コバーンの出演です。登場時間こそ短いものの、わずか数分で圧倒的な存在感を残していきました。
あの、かつて『荒野の七人』でスマートでクールなガンマンを演じていた彼が、老境にさしかかった姿で現れたとき、思わず「えっ、これがあのコバーン?」と二度見してしまうほどでした。
身体はやや丸みを帯び、目の輝きもどこか柔らかくなっており、その変化に、時間の重みと「老い」の現実をひしひしと感じさせられました。それでも、短い登場シーンの中で見せた堂々とした佇まいと、言葉に込められた威厳には脱帽です。
こうした俳優の変遷を見ることも、映画の大きな楽しみの一つだと改めて感じました。
メル・ギブソンも、ジェームズ・コバーンも、年齢を重ねてもなお「記憶に残る役者」であり続けているのが本当にすごいと思います。
彼らのように、人生のさまざまな時期で異なる役を演じ、視聴者に違った印象を与え続けられるというのは、まさに“俳優冥利”に尽きるのではないでしょうか。
『ザ・コンチネンタル』は、そういった意味でも見どころの多いドラマでした。アクションと人間ドラマの融合に加え、ベテラン俳優たちの重厚な演技。映画『ジョン・ウィック』の世界を深掘りするだけでなく、俳優たちの変遷や魅力に改めて気づかされるような、そんな贅沢な一本でした。

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