私的評価
Amazonプライムオリジナルドラマ『リグ ~霧に潜むモノ~』を観ました。Amazonプライムビデオでの視聴です。
Amazonプライムビデオの評価(観た時点で★三つでした)が気にはなりましたが、結構期待して観始めました。エピソード2(第2話目)ぐらいは、謎の霧と降ってきた灰はなんなのか、リグに取り残された作業員たちはこの先どうなるのかなど、「早く続きが観たい!」と思いましたが、その「謎・原因」が私にはドラマをつまらなくさせる「モノ」でした。
実際のところ、途中で観るのを止めようかと考えましたが、最後まで観て、やっぱり途中で観るのを止めればよかったと思いました。シーズン2がありそうな気配ですが、私がシーズン2を観ることはないでしょう。
★☆☆☆☆
作品概要
監督はジョン・ストリックランド。製作はスザンナ・レイド、デレク・ワックス、ジョン・ストリックランド。
主演はイアン・グレン、共演者にはエミリー・ハンプシャー、マーティン・コムストンほか。
2023年1月にAmazonプライムで配信開始されました。全6話、イギリスで製作されたミステリー・スリラードラマです。謎の霧に包まれた海上掘削現場に取り残された作業員たちの闘いが描かれている物語です。
作品の紹介・あらすじ
あらすじキンロック・ブラボーの作業員たちは、謎の霧によってスコットランド本土との連絡が絶たれ、生存をおびやかす環境や、被害妄想の拡大、高まる緊張に対処しながら、帰路につくために奮闘を余儀なくされる。しかし、直面している脅威が彼らの想像を超えていると明らかになった。生き抜くためには対立している作業員が一丸とならなければならない。
Amazonプライムビデオ
感想・その他
主演のイアン・グレンは1961年生まれ、2023年2月時点で61歳。実は私とほとんど同年代なのですが、画面越しに見る彼は、「同い年とはとても思えない!」とつい言ってしまいたくなるほど、渋くて格好良いおじさまです。しなやかな動きや落ち着いた声、そして時折見せる鋭いまなざしには、年齢を重ねた男ならではの色気と風格が滲み出ています。まあ、唯一勝っていると思えるのは──髪の毛の量くらいでしょうか(笑)。それでも、あの自信に満ちた佇まいを見ていると、「見た目以上に内面から滲み出るものって大事だよな」と、自分を奮い立たせるきっかけにもなります。
イアン・グレンは「よく見るけど、名前はすぐ出てこない」系の俳優かもしれませんが、実際には数々の名作に出演しており、なじみ深い存在です。中でも彼を強く印象づけたのは、やはり世界的大ヒットとなったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。彼が演じたジョラー・モーモントは、忠誠心と愛情の間で揺れ動く複雑な人物で、どこか哀愁を帯びた佇まいが魅力的でした。あの作品で彼の存在感をしっかりと記憶した人も多いはずです。
また、映画『バイオハザード』シリーズでは、冷酷で野心的なアイザックス博士を演じ、善と悪を行き来するような重厚なキャラクターを好演していました。SFアクション系でもきっちり爪痕を残せるあたり、実力派俳優であることがうかがえます。
さらに意外だったのが、日本映画にも出演していたこと。しかも、あの篠田正浩監督の引退作品『スパイ・ゾルゲ』(2003年)で、主役・リヒャルト・ゾルゲを演じているのです。ドイツの伝説的なスパイとして知られるゾルゲの複雑な内面を、グレンがどう表現していたのか、とても気になります。
この映画、3時間を超す大作だったこともあり、公開当時は「批評的にも興行的にも成功しなかった」とWikipediaには記されています。しかし、今になってYouTubeで予告編などを観てみると、時代背景や美術、そしてキャストの演技など、じっくり腰を据えて観たくなる作品のようにも思えてきます。きっと、今なら当時とは違った視点で楽しめるのかもしれません。
そして、今回のドラマ『リグ ~霧に潜むモノ~』でのイアン・グレンは、ややくたびれた初老の男性という役柄。年齢相応の疲れや責任を背負い込んだ重みを感じさせつつも、要所ではリーダーとしての誇りや毅然とした態度を見せる、まさに“老いてなお役者”という貫禄がありました。
でも、ふと20年前の若き日の彼の姿を思い浮かべると、やはり絵になる男前だったんだなと実感します。時の流れが人をどう変えるか、そしてその中でも変わらない“芯”のようなもの──それを彼の演技から感じ取れるからこそ、イアン・グレンという俳優には魅せられてしまうのかもしれません。
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