
私的評価
映画『ディパーテッド』を観ました。Amazonプライムビデオでの鑑賞です。
最後のエレベーターのシーンを観て「あれっ、この映画観たことあったかな…」と考えてしまいました。このシーンは絶対に観たことがあるんです。調べてみて納得しました。西島秀俊さんが主演したドラマ『ダブルフェイス』でした。このドラマも香港映画『インファナル・アフェア』をモチーフとした作品なので、この最後のエレベーターのシーンは同じなんでしょう。
とても面白い映画ですが、後味の悪さが残る映画です。その後味の悪さも、最後の最後でちょっぴりだけ私の溜飲は下がりました。
★★★★☆
作品概要
監督はマーティン・スコセッシ。脚本はアラン・マック、フェリックス・チョン。
原作はユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズ。
製作はブラッド・ピット、ブラッド・グレイ、グレアム・キング。
主演はレオナルド・ディカプリオ、その他出演者にマット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、ヴェラ・ファーミガ、マーティン・シーンほか。
2006年に公開されたアメリカの映画です。製作会社はワーナー・ブラザース。3作品が製作された香港の大ヒット映画『インファナル・アフェア』のリメイク作品です。外国映画のリメイク作品としては史上初となる、アカデミー賞作品賞受賞作品(第79回)となります。題名の「ディパーテッド」は、「分かたれたもの」が転じて「体から離れた死者の魂」の意味となり、単純に「死んでいったやつら」、「逝った野郎たち」とも訳されます。
作品の紹介・あらすじ
解説
巨匠マーティン・スコセッシが、香港映画『インファナル・アフェア』をリメイクしたアクションサスペンス。マフィアに潜入した警察官と、警察に潜入したマフィアの死闘がスリリングに描かれる。レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンが主人公の警察官とマフィアをそれぞれ熱演。名優ジャック・ニコルソンがマフィアのボス役で脇を固める。ボストンを舞台に描かれた本作は、スコセッシ監督らしいバイオレンスシーンと、敵対組織に潜入した男ふたりの心理描写に注目。
あらすじ
犯罪者の一族に生まれたビリー(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。しかし、警察に入るなり、彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)にかわいがられて育ったコリン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官になる。
シネマトゥデイ
感想・その他
この映画は2006年に公開され、今やもう16〜17年が経過しています。時が経つのは本当に早いものですが、改めて観てみると、その豪華なキャストに圧倒されます。主演のレオナルド・ディカプリオに加えて、現在では主演級の名優たちが名を連ねており、まさに「オールスター映画」と言っても過言ではありません。まず、誰もが知るハリウッドのレジェンド、ジャック・ニコルソン。私はこれまで彼の出演作では『シャイニング』や『イージー・ライダー』くらいしか観ていませんが、その強烈な存在感は忘れがたいものがあります。この『ディパーテッド』でも、ギャングのボス、フランク・コステロ役として狂気とカリスマを併せ持つ演技を見せており、年齢を重ねた今でも圧巻の一言でした。
そして、表の顔と裏の顔を持つ複雑な警官役を演じたマット・デイモン。彼といえば、『ボーン』シリーズで世界的なアクション俳優としての地位を確立した人物ですが、私にとってはスティーヴン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』で演じたライアン二等兵のイメージがいまだに根強く残っています。あの時の純朴な青年が、こうした役柄まで演じるようになったのかと思うと、俳優としての成長を感じます。
さらに、FBIの捜査官役で登場するのがマーク・ウォールバーグ。彼は『パトリオット・デイ』や『マイル22』など、実在の事件や軍事・警察系のアクション映画での活躍が印象的ですが、この映画でも短い登場ながらも非常に強い印象を残しています。口が悪く、態度も粗雑だけど、実は核心を突いてくる鋭いキャラクター。こういう役を演じさせたら、彼の右に出る者はいないかもしれません。
そして見逃せないのが、そのマークの兄、ドニー・ウォルバーグもこの作品に出演しているということ。ドニーはあまり日本では知られていないかもしれませんが、海外ドラマファンには『バンド・オブ・ブラザーズ』のカーウッド・リプトン先任軍曹(のちに少尉)役でおなじみの俳優です。あのドラマの中でも、地味ながら誠実で責任感のある人物像を見事に演じており、私にとっては強く記憶に残っている存在です。今回の『ディパーテッド』では端役ではありましたが、彼が画面に映った瞬間、「あっ、リプトン先任軍曹だ!」とすぐに気づき、個人的にはちょっと嬉しい瞬間でした。
ストーリー自体も、潜入捜査官と内部のスパイという二重スパイ構造で展開され、最後まで一瞬たりとも気を抜けない緊張感に満ちています。監督はマーティン・スコセッシで、本作で彼はアカデミー賞監督賞を初受賞しました。ハードボイルドな演出と、複雑に絡み合う人物関係の描き方はさすがのひと言。どの登場人物にも善悪のグラデーションがあり、それぞれの立場に共感と葛藤を抱かせる構成には、観終わった後もじわじわと余韻が残りました。
まさに、「映画好きなら一度は観ておくべき傑作」と言える作品です。年月が経っても、色褪せないどころか、今だからこそその完成度の高さがより際立って感じられる映画でした。

なんとなく見たことがあったヴェラ・ファーミガ。この映画でファンになりました。
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