
大晦日の夜8時から元日午前2時頃まで、氏神さまで甘酒を振る舞う役目を仰せつかりました。冬の冷え込む夜、参拝に訪れる皆さんに温かい甘酒を手渡しながら、そのありがたさや感謝の言葉を直接受け取る貴重な時間となりました。甘酒は心も体も温めてくれる、まさに冬のご馳走のひとつです。
ただ、正直に告白すると、私はここ数年、自分で甘酒を飲んだ記憶がほとんどありません。甘い物は好きな方なのですが、甘酒に関してはなぜか遠慮がちで、特に深い理由があるわけでもないのに、いつの間にか手を伸ばさなくなってしまっていました。
ところで、「甘酒」という言葉の由来についてふと調べてみたところ、その語源はなんと古代の『日本書紀』に記されている「天甜酒(あまのたむさけ)」に由来すると言われているそうです。長い歴史を持つ飲み物であることに驚きました。さらに甘酒は単なる飲み物以上に栄養価が非常に高く、「飲む点滴」と称されるほど、健康や美容にも良いとされているそうです。発酵食品であるため、腸内環境を整えたり、疲労回復にも効果的と聞くと、なおさら試してみたくなります。
そんなことを考えながらも、振る舞うだけで自分は一口も飲まずに終わってしまったのは少々心残りです。寒さに凍えながら、ああっ、せめて二杯ぐらいはいただいておけば良かったと、今更ながら後悔しています。来年こそは、温かい甘酒で体を温める自分の姿を想像しながら、甘酒のありがたみをしみじみ味わいたいと思います。
甘酒といえば、「寒い冬に体を温めてくれる飲み物」というイメージの方も多いでしょう。実際、初詣の頃、ご参拝の皆様に暖を取ってもらおうと振る舞う神社も多くあります。
ところがこの甘酒、俳句の世界では夏の季語だという事をご存知でしょうか。甘酒の原料は、神道では神さまから授かったとされる「お米」です。このお米から作られる甘酒は、栄養価が高く胃腸にも優しいことから、江戸時代には夏の栄養ドリンクとして親しまれていました。
酒粕からつくる甘酒もありますが、米麹からつくる甘酒にはアルコールが含まれず、お子様でも安心して飲むことができます。ビタミンB群やアミノ酸がバランスよく含まれ、胃腸に優しく、お通じも良くなり、お肌にも良い。さらに、加糖せず自然の甘みで低カロリー、点滴と成分が似ていることから「飲む点滴」とまでいわれ、まさに良い事ずくめなのです。また、その起原は古墳時代まで遡るそうで、一説には歴史書『日本書紀』に記載されている「天甜酒(あまのたむさけ)」が起源ではないかとも言われています。この「天甜酒」は、新嘗祭で神様にお供えされたと記されており、甘酒は神社との関わりも深いようです。
神社本庁
午後11時45分くらいに初詣の人々が集まり、2時にはシンと静まり返った神社。
令和5年度が始まりました。
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