
私的評価
映画『特捜部Q カルテ番号64』を観ました。Amazonプライムビデオでの鑑賞です。
面白く引き込まれました。北欧系のドラマや映画は、得てして映像が暗くて寒々とした感じで独特の雰囲気をもっていますが、この映画もご多分に漏れません。しかし、なかなか面白いものが多く、もちろんこの映画も良かったです。ハリウッド映画のような派手なアクションはありませんが、そこは余りある北欧系の重厚感あるストーリーがカバーします。
知りませんでしたが、この特捜部Qシリースは現在(2022年)5シリーズが作成されており、この「カルテ番号64」は第4作目でした。なので主人公カールがどうしてあのように偏屈なのか、また、どういう経緯で未解決事件の資料整理課「特捜部Q」に居るのか、相棒のアサドがどうしてこの課を離れようとしているか、そんなところは一切分かりませんでしたが、そんなところは分からなくても楽しめます。
Amazonプライムビデオでは、1作目から3作目までも観られることが分かり、すぐにでも観ようと思ってます。
★★★★☆
作品概要
監督はクリストファー・ボー。脚本はニコライ・アーセル、ボー・Hr・ハンセン、ミケル・ノルゴート。
原作はユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズ。
製作はマリー・ゲード・デネッセン、ピーター・オールベック・イェンセン。
主演はニコライ・リー・カース、その他出演者にファレス・ファレス、ヨハンネ・ルイズ・スミット、ファニー・リアンダー・ボールネダルほか。
2018年製作のデンマーク・ドイツ合作のサスペンス映画です。デンマークの大ヒットミステリー小説「特捜部Q」の映画化第4作目です。デンマークの10人に1人が観たという、シリーズ最大のヒット作です。
作品の紹介・あらすじ
解説
ユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Q」シリーズ映画化第4弾のミステリー。未解決事件の調査に当たる特捜部Qの刑事たちが、ある失踪事件を捜査する。特捜部Qのコンビを、ニコライ・リー・カースとファレス・ファレスが続投。『恋に落ちる確率』などのクリストファー・ボーがメガホンを取り、脚本を本シリーズや『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』などのニコライ・アーセルが務めた。
あらすじ
いまだ解決されていない事件を担当するコペンハーゲン警察の新部署「特捜部Q」は、1980年代に起きたナイトクラブのマダムの失踪事件に着手する。ほぼ同じ時期に失踪者が5人いることも判明し、カール警部補(ニコライ・リー・カース)が捜査に乗り出す。やがて、1人の老人と新進政党の関係者が捜査線上に浮かぶ。
シネマトゥデイ
感想・その他
主演のニコライ・リー・カースは、1973年生まれのデンマーク出身の実力派俳優です。つい最近観た映画『ライダーズ・オブ・ジャスティス』にも出演していたのですが、そこでの彼は右手が不自由で、どこかオドオドした数学者を演じていました。私自身、最初は気づきませんでしたが、もしかすると彼がその映画で髭面だったこともあって、まったく別人のように見えたのかもしれません。『ライダーズ・オブ・ジャスティス』での彼は、どちらかと言えば地味で目立たない役どころでしたが、今回の映画では一転、変わり者ながらも確かな腕を持つやり手の役を演じています。さすがはベテラン俳優、同じ人が演じても役柄が変わればここまで印象が違うのだと、改めてその演技力の幅広さに感心させられました。また、物語の重要な役どころである50年前の主役級の少女を演じたのは、デンマークの若手女優ファニー・リアンダー・ボールネダルです。映画の中では、その役柄に合わせてずっと厳しい表情を崩さずに演じていたため、正直なところ、最初はあまり可愛らしさや柔らかさを感じることはありませんでした。しかし、物語の中盤で、幻覚状態にあるカール警部補の目に映った50年後の彼女の姿は、まるで別人のように可愛らしく、ふとハッとさせられる瞬間がありました。そのギャップが印象的で、役柄としての少女時代との対比がより彼女の存在感を強めていたように感じました。
この二人の演技の対比や、それぞれが背負う役柄の深さが、映画全体の魅力をさらに引き立てていると感じました。こうしたキャスティングの妙と役者の技量が、物語にリアリティと深みを与えているのだと思います。

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