固まる猫のキイ


遠い目のキイ…。

抱っこが大の苦手なキイ。
人間の近くには平気で寄ってくるのですが、絶対に膝の上には乗ってきません。遊びの延長で追いかけても、抱っこしようと手を伸ばすと、まるでぬいぐるみに変身したかのようにじっと固まります。そのくせ、目や耳は周囲をしっかりチェックしていて、逃げ出すタイミングをうかがっているのです。まさに抱っこ忍者。

それでも、太り具合の絶妙さもあって抱き心地は抜群。ふわふわでずっしり、ちょっとしたクッション代わりになるほどです。目の前を通りかかると、どうしてもつい手が伸びてしまうのか、家族みんなに捕まって抱っこされる運命にあります。

キイにとっては迷惑極まりないことでしょうが、私も例外ではありません。瞬時に捕まえて膝の上に載せ、そっと抱きしめる――その柔らかさや温もりを感じながら、つい可愛がってしまいます。時には「いたぶってる?」と思えるくらい、抱っこしては撫で、抱っこしては撫で…。

抱っこ嫌いでも、太さと重みの絶妙さが、キイを魅力的にしているのです。嫌がる表情すら愛おしく、ついこちらの手が止まらなくなる、そんな不思議な関係が続いています。

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