にゃんこコーチ



「はよ、ローラーやれ」
「一所懸命、もっと漕げよ」
「サボったらアタイが許さないからな」

そんな声が聞こえてきそうなほど、真剣な眼差しでこちらを見つめる猫。まるで自転車トレーニングの専属コーチ気取りのキイ。ペダルを踏む私の足元に陣取り、じっと視線を外しません。

最初のうちは「よしよし、応援されている気がして悪くない」と思っていたのですが、猫はさらにヒートアップ。回転する車輪に前脚をちょいちょい伸ばそうとするのです。こちらは冷や汗タラタラ。

万が一にも巻き込んでしまったら大変です。仕方なくコーチには強制退場をお願いすることに。ドアの外に出されると、少し不満げにニャーと鳴くその姿に、こちらも後ろめたさを感じます。

結局のところ、私のローラー練習は猫の安全管理とセットになっているのでした。

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