サラ・パクストンほか、映画『トランス・ワールド』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『トランス・ワールド』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

主演を務めるのは、スコット・イーストウッド、サラ・パクストン、キャサリン・ウォーターストンの3人。物語の大半は、正体も目的も異なるこの3人が、森の奥にある一軒の小屋で出会い、互いに疑念を抱きながら状況を探っていく会話劇として展開されます。登場人物をあえて絞り込むことで、閉鎖的な空間と心理的な圧迫感が強調され、少人数ながらも密度の高いドラマが描かれている点が特徴です。

派手なVFXや大規模なアクションに頼るのではなく、謎の提示と伏線、登場人物同士のやり取りによって物語を進めていく構成は、低予算ながらもアイデアと演出で見せるタイプのSFスリラーではないでしょうか。静かに進行しながらも、徐々に明らかになっていく真相が興味を引きつける一作です。

★★★☆☆

作品概要

監督はジャック・ヘラー。
脚本はショーン・クリステンセン、ジェイソン・ドラン。
製作はジャック・ヘラー、ダラス・ソニアー。
出演者はスコット・イーストウッド、サラ・パクストン、キャサリン・ウォーターストンほか。

本作は、2011年に制作されたアメリカのSF・スリラー映画です。原題は『Enter Nowhere』で、2015年には『The Haunting of Black Wood』というタイトルで再公開されました。ジャンルとしてはSFを軸にしながらも、サスペンスや心理スリラーの要素が色濃く、観る者に不穏な緊張感を与える作品となっています。

作品の紹介・あらすじ

あらすじ
ジョディ(サラ・パクストン)とボーイフレンドのケビン(クリストファー・デナム)はコンビニエンスストアに強盗に押し入る。ジョディは店員(ジェシーJ.ペレス)に銃を構え、金庫を開けるように要求する。不可解にも、店員はジョディに、「金庫を開けるのは構わないが、きみが中身を気にいるとは思えない」と伝える。不愉快に感じた彼女は彼を撃ち殺してしまう。

サマンサ(キャサリン・ウォーターストン)は、一人森の中を歩く。古びた小屋に行き着くと、そこでトム(スコット・イーストウッド)と出会う。サマンサは車がガス欠したために一緒にいたが行方のわからなくなった夫を探して小屋にたどり着き、トムは事故で車が故障したために数日前から小屋に滞在していると、お互いの素性を明かす。そして翌朝、小屋の前でジョディが倒れているのをサマンサが見つける。ジョディがそこに行き着いた素性を明かし、三人はその晩を小屋で過ごした。

Wikipedia

感想・その他

主演の一人であるスコット・イーストウッドは、その姓からも分かる通り、名優クリント・イーストウッドを父に持つ俳優です。実際に写真や映像を見ると、若き日の父親と驚くほどよく似ており、その血筋を強く感じさせます。しかし一方で、俳優としての評価となると、どうにも決定打に欠ける印象を受けるのも事実ではないでしょうか。

キャリア初期には、父クリント・イーストウッドが監督を務めた作品への出演が目立ち、本作でも主演という位置づけではありますが、その後の出演作を振り返ってみても、強く印象に残る代表作や役柄には恵まれていないように感じられます。私自身が鑑賞した作品では、『フューリー』『アウトポスト』『キャッシュトラック』などがありますが、いずれも脇を固める存在に留まり、存在感という点ではやや控えめでした。

とはいえ、彼は毎年のように途切れることなく映画に出演しており、一定以上の役どころを継続的に与えられている俳優であることも確かです。その点では業界内での評価や需要は安定しているのでしょうか。しかし、スター性や決定的な転機となる作品に巡り合えないまま、このまま徐々に表舞台から姿を消していくのではないか――そんな危うさを感じさせる俳優でもあります。今後、父の影を超えるような強烈な代表作を得られるかどうかが、彼のキャリアの分かれ目になるのかもしれません。



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