私的評価
海外連続ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン3を観ました。全8話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
シーズン1、シーズン2がとても面白かったこのドラマシリーズ。しかし、このシーズン3は面白くないことはありませんが、それほど面白い訳ではありません。以前も観始めたことがあったのですが、途中で投げ出したのを思い出しました。
退屈気味の前半ですが、後半は盛り上がりをみせます。そして、このドラマの最大の見所は、悪役を演じたデヴィッド・シューリスの気持ち悪さです。
★★★☆☆
作品概要
原案・脚本はノア・ホーリー。製作総指揮はノア・ホーリー、ジョエル・コーエン、イーサン・コーエンほか。
主演はユアン・マクレガー、共演者にはキャリー・クーン、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、デヴィッド・シューリスほか。
2010年のミネソタ州を舞台とするこのシーズンは、ユアン・マクレガーが二役を演じ2017年10月から放送されました。共演には、「ゴーンガール」のキャリー・クーン、「ハリーポッター」シリーズのデビッド・シューリスなど、豪華なキャストが出演している作品です。
作品の紹介・あらすじ
あらすじ
010年、ミネソタ州のセントクラウドおよびエデン・バレーを舞台とし、ユアン・マクレガーが二役で演じるエミットとレイのスタッシー兄弟を中心に描く。成功し富豪となったエミットとしがない保護司のレイは長年の反目を抱え、レイは旧知の泥棒モリース(スクート・マクネーリー)に兄の家からの窃盗を依頼する。だがモリースは誤って同姓の別人物の家に忍び込み、殺してしまう。犠牲者の義理の娘である警察署長グロリア(キャリー・クーン)が事件を捜査し、スタッシー姓の不自然な関連を疑う。モリースはレイを恐喝し、その婚約者のニッキー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に殺される。エミットは会社をヴァーガ(デヴィッド・シューリス)率いる犯罪組織に乗っ取られる。レイはニッキーとのセックスビデオを撮って、エミットを恐喝しようとするが誤ってエミットに殺されてしまう。エミットにもみ消しを頼まれたヴァーガはニッキーに罪を着せた上で抹殺をはかり、生き延びたニッキーは復讐を誓う。ニッキーは犯罪組織の脱税の証拠を税務当局に送り、新たに得た仲間レンチとともに犯罪組織と戦ったのち、警察に射殺される。5年後、エミットはレンチに殺される。アメリカ合衆国国土安全保障省に勤めるようになったグロリアがヴァーガを尋問する。
Wikipedia(ファーゴ (テレビドラマ))
感想・その他
これまでのシーズンと同じく、重苦しい空気の中にユーモアや人間の愚かさが織り交ぜられた独特な世界観。観終わったあとにズシリとした余韻が残るこのシリーズ、今回もまた非常に見応えがありました。その中で、ひときわ印象的だったのが、主演のユアン・マクレガー。なんと今回は一人で双子の兄弟役、つまり二役を演じ分けていたのです。最初はまったく気づかず、「兄弟、雰囲気は似てるけど、別の俳優が演じてるんだろうな」と普通に観ていました。それがまさか、同一人物だと気づいた時の驚きといったら! 演技力もそうですが、メイクや体格の変化による演じ分けも見事で、彼の俳優としての力量をあらためて思い知らされました。
正直に言うと、それまでの私はユアン・マクレガーという名前を聞いてもピンとこず、「ああ、どこかで見たことある気はするけど…」という程度の認識でした。イギリス系の端正な顔立ちに見覚えはあるものの、代表作がパッと思い浮かばない。そこで少し調べてみると、なんと彼は、今やハリウッドでは堂々たる主役級の俳優。『トレインスポッティング』や『ムーラン・ルージュ』『スター・ウォーズ』シリーズなどに出演しており、実は映画ファンにはとても馴染み深い存在だったのです。
出演作の中には、私が観ていない映画も多かったのですが、リストを見ていて、思わず「あっ」と声が出そうになったのが、私の大好きな戦争映画『ブラックホーク・ダウン』に彼が出演していたこと。あの映画は当時かなりの衝撃を受けた作品で、緊張感あふれる戦闘シーンと、戦場の極限状況の描写が今でも強く記憶に残っています。ただ、正直なところ、登場人物の多さとヘルメット姿のせいもあってか、誰が誰だったのかは曖昧なまま。ユアン・マクレガーがどの兵士を演じていたのかまでは覚えていませんでした。

ただ、彼の名前はエンドロールのかなり早い段階で出ていたはずです。ということは、かなり主要な役どころだったのではないかと思われます。今度あらためて『ブラックホーク・ダウン』を観直す時は、ユアン・マクレガーの動きや表情にも注目しながら観てみたいと思っています。あの映画がまた違った角度から楽しめるかもしれません。
ちなみに、『FARGO/ファーゴ』シーズン3での彼は、まさに“ユアン・マクレガーの演技力が光る”一本。真面目で几帳面な兄と、がさつでずる賢い弟という対照的な兄弟を見事に演じ分け、視聴者を二重に騙してくるような演出には唸らされました。まさかあの2人が同じ人物だとは思わず、途中までずっと別人だと信じ切っていました。そう気づいた時には、「やられた!」と笑うしかなかったです。
ドラマや映画を通して、こうして一人の俳優を深く知るようになることがありますが、今回のユアン・マクレガーとの“再会”はまさにそんな体験でした。これから彼の過去作をひとつひとつ見直していくのが楽しみになってきました。意外なところで繋がってくる映画の面白さ、こういう瞬間があるから、海外ドラマ鑑賞はやめられません。

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