私的評価
映画『ブラックホーク・ダウン』を久しぶりに観ました。手持ちのDVDでの鑑賞です。
大好きで、定期的に何度も観ている映画です。それでも不思議と飽きることがありません。冒頭からラストまでしっかり楽しめると同時に、さまざまなことを考えさせられる作品です。
手に汗握る展開が、最初から最後まで途切れることなく続きます。 特に印象的なのは、デルタフォースの2人が「仲間を見殺しにはできない」と志願し、墜落したブラックホークの乗員を救出しに向かう場面。圧倒的な敵の数を前に、弾薬も尽きかける中での戦いは壮絶でした。
後に、この2人は名誉勲章を授与されたそうですが、その英雄的行動の裏で、残された家族の思いはいかばかりだったのかと、胸が締めつけられます。
★★★★★
作品概要
監督はリドリー・スコット。原作はマーク・ボウデンの「ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録」。
脚本はケン・ノーラン。
製作はリドリー・スコット、ジェリー・ブラッカイマー。
主演はジョシュ・ハートネット、その他出演者にはユアン・マクレガー、トム・サイズモアほか。
2001年公開のアメリカの戦争映画です。ソマリア内戦への超大国による介入と、その失敗を描いたノンフィクション小説を映画化したものです。監督には『グラディエーター』や『ブラック・レイン』のリドリー・スコット、主演は『パール・ハーバー』のジョシュ・ハートネットです。
作品の紹介・あらすじ
解説
独自の映像美で『グラディエーター』や『ハンニバル』を大ヒットさせた巨匠リドリー・スコットが描く衝撃の戦争スペクタクル。1993年実際に起きたソマリアの部族間闘争に、アメリカが軍事介入したことにより勃発した市街戦を生々しくも淡々と描く。レンジャー部隊の精鋭に『パール・ハーバー』のジョシュ・ハートネットや『スター・ウォーズ エピソード1』のユアン・マクレガーが極限状態の兵士を熱演。プロデューサーに『アルマゲドン』、『パール・ハーバー』などのでヒット・メーカーとして名高いジェリー・ブラッカイマー。
あらすじ
東アフリカのソマリアでの部族間闘争に、アメリカ軍特殊部隊が現地の独裁者を捕らえる任務で派遣されて来た。しかし、2機のブラック・ホーク・ヘリが撃墜されることにより、全てが最悪の状況に変化していった……。
シネマトゥデイ
感想・その他
再視聴で見えてきた新たな発見と、心に残る違和感今回、『ブラックホーク・ダウン』を何度目かの視聴で観たのですが、新たに気づいたことが二つありました。すでに何度も観た作品にも関わらず、細部に目を向けると新しい発見があるのが映画の面白いところですね。
まず最初の驚きは、ヘリから転落するトッド・ブラックバーン上等兵を演じていたのが、なんと若き日のオーランド・ブルームだったということ。言われてみれば確かに面影がありますが、当時はまだ無名に近かったため、今となっては「こんなところに出ていたのか!」という発見でした。彼といえば、その後『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでのウィル・ターナー役や、『ホビット』シリーズでのレゴラス役など、ファンタジー作品を中心に国際的なスターへと成長しましたよね。
もう一つの気づきは、混乱の中で置き去りにされるランス・トゥオンブリー特技下士官を演じていたのがトム・ハーディだったこと。こちらも、後の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ダンケルク』、さらには『ヴェノム』などで知られる実力派俳優ですが、この映画ではまだ若々しく、今のような鋭い存在感とはまた違った印象です。それでも、画面の隅々に漂う演技の緊張感からは、将来の飛躍を予感させるものがありました。
『ブラックホーク・ダウン』は、当時まだ無名(?)だった俳優たちが多数出演しており、再視聴のたびに「えっ、こんな人まで出てたの?」と驚かされます。この映画がきっかけで一気にブレイクしたのかは定かではありませんが、後にハリウッドを代表する俳優になった彼らの若き日の姿が見られるのは、本作の隠れた魅力の一つだと思います。
ただし、何度見ても拭いきれない違和感もまた存在します。それは、アメリカ兵とソマリア民兵の描かれ方の落差です。アメリカ兵が倒れる場面では、しっかりとしたドラマと演出があり、観る側としても心が痛みますが、一方でソマリア側の戦闘員たちは、まるで敵キャラのように次々と倒されていきます。その扱いには、どうしても“人としての重み”の差を感じざるを得ません。
もちろん、作品の主眼がアメリカ兵の視点で描かれていることは理解できますし、リアルな戦場の混乱を描写するうえで仕方のない部分もあるでしょう。ただ、それでも「同じ人間であるはずなのに…」という疑問は残ります。戦争映画を見るうえで、そうした“描かれ方の差”にも少し目を向けてみると、より深く作品を味わえるかもしれません。
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