私的評価
WOWOWの連続ドラマ『密告はうたう 警視庁監察ファイル』を観ました。全6話、レンタルDVDでの鑑賞です。
面白かったのですが、出てくる俳優さんを見ていると、決定的な映像が出てくる前、だいたいは「裏切り者」の目星が付きました。とは言え、WOWOWドラマにはハズレはありません。
松岡昌宏さん演じる主人公・佐良が、なんだかはっきりしなくてグズグズしている感じがして、個人的には一本筋の通ったキリっとした主人公であって欲しかったです。最後まで好きになれない主人公でした。
★★★☆☆
作品概要
原作は伊兼源太郎の『密告はうたう 警視庁監察ファイル』(実業之日本社文庫刊)。監督は内片輝。
脚本は鈴木謙一。
主演は松岡昌宏、その他出演者には仲村トオル、池田鉄洋、泉里香、眞島秀和、鶴見辰吾、秋元才加、甲本雅裕ほか。
2021年8月から9月にかけて放送されたWOWOW『連続ドラマW』です。警視庁人事一課監察係(警察の中の警察)の主人公が、警察の誇りと意地をかけて、権謀術策が激しく交錯する警察内部の裏切り者を暴きます。
作品の紹介・あらすじ
解説
伊兼源太郎による傑作警察ミステリーを、松岡昌宏の主演で連続ドラマ化する「連続ドラマW 密告はうたう 警視庁監察ファイル」。本作は、4万人を超える警視庁職員の不正を突き止め、「警察の中の警察」とも称される警視庁人事一課、通称“ジンイチ”監察係にフォーカスし、従来の警察ドラマとは一線を画す。
WOWOW初主演&初出演となる松岡が扮するのは、ある事件の捜査中に後輩刑事を殉職で失い、捜査一課からジンイチに異動する主人公の佐良正輝。佐良の現上司で警視庁人事一課監察係官、能馬慶一郎を仲村トオルが、一通の密告文を端に機密情報漏洩の疑いを掛けられ、ジンイチの監察対象となる運転免許試験場職員の皆口菜子を泉里香が演じる。また、佐良とバディを組むことになる監察係長役に池田鉄洋、刑事時代の佐良の先輩役に三浦誠己、佐良と同期でライバルの鑑識課員役に眞島秀和、皆口の婚約者であり、殉職を遂げた後輩刑事役に戸塚祥太(A.B.C-Z)をキャスティング。このほか、秋元才加、甲本雅裕、鶴見辰吾や個性的な俳優陣も出演する、疑念渦巻くスリリングなサスペンスに期待したい。
あらすじ
警視庁捜査一課の刑事、佐良正輝(松岡昌宏)はある殺人事件の捜査中に後輩刑事の斎藤康太(戸塚祥太(A.B.C-Z))を殉職で失い、警察職員の不正を取り締まる人事一課監察係に異動となる。過去の傷は癒えないまま、同僚からは裏切り者と敵視され、孤独に業務をこなす日々を送っていた。そんな中、一通の密告文が人事一課に届く。捜査一課所属時の佐良の元同僚、皆口菜子(泉里香)が、不正に機密データを漏らしているというのだ。佐良はかつての仲間を洗うことに葛藤を覚えながらも、上司の能馬(仲村トオル)から監察を命じられ、係長の須賀透(池田鉄洋)とともに皆口の行動確認を開始する。すると、ある未解決の殺人事件との接点、そして斎藤の殉職事件の真相が浮かび上がってくる。
連続ドラマW
感想・その他
全体として緊張感のあるサスペンスドラマで、警視庁内部の“監察”という特殊な部署を舞台に、人間関係の綾や正義と裏切りが交錯する重厚なストーリーが展開されていきます。テーマも扱う題材も硬派で、観ているこちらまで背筋が伸びるようなドラマですが、その中で私が「むむっ」と思わず声を上げそうになったのが、池田鉄洋さんの存在でした。池田さんといえば、私の中では『トリック』シリーズの“秋葉原人(あきはばらんちゅ)”役が真っ先に思い浮かびます。メガネ姿でヲタクキャラを全開にしたあの怪演ぶりは、一度観たら忘れられないインパクトがあります。他にも、どこかクセのある、ちょっと風変わりでコミカルな人物を演じていることが多く、ある意味“濃い脇役”のイメージが強かった俳優さんでした。

しかしこの『密告はうたう』では、そんな私の中の池田鉄洋像を見事に覆してくれました。彼が演じるのは、主人公の監察官の直属の上司で、警察内部の機密を扱う立場にある非常にシリアスな役どころ。無駄のない言動と冷静沈着な判断力、そして何よりもその“できる男”感が全開で、とにかくカッコいいんです。スーツ姿もビシッとキマっていて、顔つきもどこか精悍で、今まで見てきた池田さんと同一人物とは思えないほどの変貌ぶりでした。
あまりにもイメージが違って、「本当に池田鉄洋さん?」と何度も思わず見直してしまったほど。これまでコミカルな役柄ばかりに目が行っていましたが、こうしたシリアスで知的なキャラクターを演じる力量も十分にあるんだと、新たな魅力を発見した気がしました。
正直に言って、この池田さんを観られただけでも、このドラマを観た価値は十分にありました。演技の振り幅って、こういうことを言うんだなと改めて実感。これからは池田鉄洋さんの出演作を、また違った目で観ていきたいと思います。
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