私的評価
映画『グリーンランド -地球最後の2日間-』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
これといった面白さも、目新しさも、斬新さもなく、今までにあったような終末パニック映画でした。でも、パニック映画と言うよりは、どちらかと言うと差別とか嫉妬、生への追求といった人間ドラマとしての要素が大きい映画でした。しかし、なんだかんだ言っても、この手の隕石落下系のパニック映画は好きなんです。
★★★☆☆
作品概要
監督はリック・ローマン・ウォー。脚本はクリス・スパーリング。
製作はジェラルド・バトラー、ベイジル・イヴァニクほか。
主演はジェラルド・バトラー、その他出演者にモリーナ・バッカリン、スコット・グレンほか。
2020年のアメリカ合衆国のパニック映画です。監督は映画『ブラッド・スローン』リック・ローマン・ウォー。突如現れた彗星による世界崩壊までの二日間を、ある家族の目線で描いたパニック映画です。
作品の紹介・あらすじ
解説
巨大いん石衝突による人類滅亡の危機に見舞われた世界を描くディザスタームービー。終末へのタイムリミットが迫り混乱が広がっていく中、生き残る方法を模索する一家を映し出す。主人公を『ジオストーム』などのジェラルド・バトラー、彼の妻をドラマシリーズ「HOMELAND」などのモリーナ・バッカリンが演じるほか、ロジャー・デイル・フロイド、スコット・グレンらが共演。『エンド・オブ・ステイツ』に続きジェラルドと組んだリック・ローマン・ウォーがメガホンを取った。
あらすじ
突然出現したすい星の破片がいん石となって地球に衝突し、さらに地球を壊滅させるほどの巨大いん石が48時間以内に衝突することが判明する。世界崩壊の危機が迫り政府に選ばれた人々の避難が始まり、建築技師のジョン・ギャリティ(ジェラルド・バトラー)は妻子と共に空港に駆けつけるが、息子(ロジャー・デイル・フロイド)の持病により輸送機への搭乗を拒まれてしまう。パニックに陥った人々が暴徒と化す中、生き延びるすべを探す一家は、極限状況であらわになる人間の闇に直面する。
シネマトゥデイ
感想・その他
映画『グリーンランド』を観ながら、いくつもの疑問や違和感が頭をよぎりました。まず、どうして避難先がグリーンランドだったのか。アメリカ国内にも軍の地下施設や民間の核シェルターが存在するはずです。そこを差し置いて、わざわざ遥か北極圏の地まで行く理由とは何だったのか。地理的な安全性やシェルターの規模など、何か納得できる説明があったらよかったのにと思います。
また、選抜されたごく一部の人間しか入れないとされていたシェルターに、どうやら選抜対象外の人たちも自力で辿り着けば入れてしまうらしい。あの厳しい選別とは一体何だったのか。終盤になるにつれ、設定の一貫性が揺らいで見えました。
さらに、カナダから飛行機を飛ばしていた人たち。彼らは見返りもなく、人をグリーンランドまで運んでいたように見えましたが、あれは何らかの慈善事業だったのでしょうか?終末を目前にしてなお、あのような善意に満ちた行動ができる人々の存在には驚きと同時に感動も覚えましたが、少々現実離れしているようにも感じました。
地球滅亡まであと二日と迫っているのに、略奪や暴力行為に走る人間たち。たとえ終末が目前でも、人はこんなにも自己中心的で攻撃的になってしまうのかと、やるせない気持ちになりました。それが人間の本性なのか、それとも極限状態ゆえの一時的な錯乱なのか――。
そして、正当防衛とはいえ、人を殺してしまった主人公が、ラストシーンでまるですべてを受け入れたかのような晴れやかな表情を浮かべていたのが印象に残りました。生き延びたという安堵感か、あるいは大切な人と一緒にいられることへの感謝なのかもしれませんが、罪悪感の描写があまりにもあっさりしていたように思えて、少し違和感が残ります。
映画の中でアメリカ政府が国民を「選別」していた姿を見て、ふと現実のアメリカも似たような対応をしそうだと感じてしまいました。科学者や医療従事者、軍関係者など「社会にとって必要な人材」だけを選び、他は切り捨てる。冷たいようでいて、実際の非常時にはあり得る選択なのかもしれません。
仮に自分がこの映画のような状況に置かれ、選抜者ではなかったとしたら、果たしてどうしただろう――。たぶん、ジタバタしても無駄だと悟り、家に引きこもって最後の時を静かに迎えるような気がします。無理に生き延びたところで、隕石衝突後にはインフラの崩壊や食糧難、病気、治安の悪化など、想像もつかないほどの困難が待っているはずです。そんな未来を生きるくらいなら、潔く終わりを受け入れた方が楽かもしれないと、つい考えてしまいました。
ちなみにこの映画には続編が制作されているようで、シェルターから出た後の世界が描かれるそうです。あの極限状況を生き延びた人々が、どんな新たな苦難に直面するのか。その現実を観て、「やっぱり死んだ方がよかったかもしれない」と思ってしまう可能性もあるのでは……。続編を観るのが、少し怖くもあり、楽しみでもあります。
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