私的評価
Amazonプライムオリジナルドラマ『スニーキー・ピート』シーズン2を観ました。全10話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
シーズン2も期待を裏切らず、とても面白く仕上がっていました。今回の物語では、本物のピートに間違われてしまった主人公が、思わぬ厄介事に巻き込まれていきます。その混乱の中で、彼自身の安全や正体を守りながら、巧妙に問題を切り抜けていく様子は、見ていて手に汗握る緊張感があります。
さらに今回は、ピートの「家族」にも別のトラブルが発生しており、シーズン1で生じた「ウィンズロー事件」や、「オットーの殺し屋」の問題、そしてジュリアを取り巻く「ドッカリー案件」など、複数の厄介事が絡み合い、物語に複雑な厚みを与えています。これらが巧みに絡み合うことで、ただの騙し合いや犯罪劇ではなく、人間関係の駆け引きや心理戦の面白さが際立っています。
クライマックスでは、シーズン1からの伏線や新たな策略が集約され、最後には壮大な仕掛けが待ち構えていました。視聴者としては「まさかこんな展開が！」と驚かされる場面が多く、何度も画面に引き込まれます。全体を通して、シーズン1から続く緻密な脚本と、キャラクターたちの駆け引きの妙を楽しむことができ、続編としての満足度は非常に高い作品でした。
★★★★☆
作品概要
監督はマイケル・ディナー、アダム・アーキン、ローラ・イネス、サラ・ピア・アンダーソン。脚本はブライアン・クランストン、デイヴィッド・ショア、アイアン・マクドナルドほか。
製作総指揮/企画はブライアン・クランストン、デイヴィッド・ショアです。
出演はジョヴァンニ・リビシ、マリン・アイルランド、シェーン・マクレーほか。
2019年7月5日現在、シーズン3まで、Amazonビデオでプライム会員は無料で観られます。全10話。ブリッジポートから去ろうとしたマリウスは、二人組の悪党に捕らえられます。成りすましたピートに間違えられたのです。捕らえられた原因はピートの母親が盗んだ大金を取り戻すためでした。
作品の紹介・あらすじ
あらすじ
3年前にピートの母親マギーらに大金を盗まれたギャングのルカが、マリウスをピートと思い込んで家族を殺すと脅し、金の行方を追わせる。マリウスはピートを刑務所から出し、マギーの居所を見つける。マギーはカジノに陳列されたバッファローの剥製の中に金があると言い、マリウスは仲間を集めてバッファローを盗み出す。ルカを騙して大金を奪うつもりであったマリウスだが、マギーに騙されてはした金しか手に入らない。NYの刑事がオードリーに殺された刑事の事件を捜査するが、テイラーが証拠を偽造してごまかす。マギーとピートは去り、家族は多くの疑問をかかえる。
Wikipedia(スニーキー・ピート）
感想・その他
このシーズン2から新たに登場する人物も何人かいますが、その中でも私が特にお気に入りなのは、シーズン1から登場している保護観察官のバグウェルさんです。彼は「鷲と薄汚い鳥、どっちになりたいか」と問うような、何事にも厳格で融通の利かない性格ですが、実際には心根が優しく、時折ピート（マリウス）を助ける一面も見せます。自分では「ミスターサクセス」と名乗るほど自信満々で、威厳とユーモアが入り混じった、憎めないキャラクターです。バグウェルが画面に登場するシーンは、緊迫したストーリーの合間にちょっとした笑いや癒しをもたらしてくれる、視聴者にとっての憩いの時間と言えるでしょう。そのバグウェルを演じているのはマルコム＝ジャマル・ワーナー。彼の出演作を調べてみると、ドラマ作品が多く、最新作としては『レジデント 型破りな天才研修医』（シーズン2）に出演しているようです。しかし、他の作品で彼を観ても、なかなか気付かないかもしれません。『スニーキー・ピート』では存在感のある役柄ながら、画面に出る時間自体は短めなので、顔を覚えるのが少し難しいのです。それでも、短い登場シーンの中でしっかり印象を残す演技力はさすがです。
また、このドラマの監督の一人であるローラ・イネスも注目ポイントです。彼女は私が大好きなドラマ『ER 緊急救命室』でケリー・ウィーバー役を演じていた女優であり、映画『ディープ・インパクト』にも出演していました。こうした制作陣やキャストのバックグラウンドを知ると、作品の質の高さや演出の細かさにも納得がいきます。
総じて、シーズン2はシーズン1よりもさらに面白さが増しており、複雑なストーリー展開とキャラクターの魅力を存分に楽しむことができました。緊迫したサスペンスと軽妙なユーモアが絶妙に混ざった、このシーズンはまさに必見です。
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