私的評価
映画『ヴェンジェンス』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
中年男のニコラス・ケイジが、悪党たちを問答無用で退治していきスカッとする訳ですが、それでもなんだか哀愁が漂います。ラストの親子との別れのシーンもなかなか良いです。
★★★★☆
作品概要
監督はジョニー・マーティン。脚本はジョン・マンキウィッツ。
製作はマイケル・メンデルソーン、ニコラス・ケイジ。
主演はニコラス・ケイジ、その他出演者にアンナ・ハッチソン、ドン・ジョンソンほか。
2017年公開のアメリカのアクション映画です。シングルマザーのティーナは愛娘ベシーと自宅へ帰る途中、町のチンピラ4人によってレイプされてしまいます。その親子と知り合いでもあり、この事件を担当する刑事のジョンはチンピラたちを逮捕するが、チンピラの親が雇った敏腕弁護士の手により無罪となってしまう…。
作品の紹介・あらすじ
解説
ニコラス・ケイジ主演のアクション。心を通わせるシングルマザーをチンピラに陵辱された刑事が、彼らに制裁を加える。メガホンを取るのは『ザ・ヒット・リスト』などに携わったジョニー・マーティン。『キャビン』などのアンナ・ハッチソン、ドラマシリーズ「刑事ナッシュ・ブリッジス」などのドン・ジョンソン、『サイレントヒル』などのデボラ・カーラ・アンガーらが共演する。
あらすじ
湾岸戦争で活躍した元軍人の刑事ジョン(ニコラス・ケイジ)は、相棒がこの世を去り悲嘆に暮れる日々を送っていた。ある日、バーでシングルマザーのティーナと知り合い、気丈な彼女と接することで生きる気力を取り戻す。だが、彼女が娘の目前でチンピラたちに乱暴される事件が発生。ジョンは犯人を逮捕するが、彼らは雇った腕利きの弁護士の力で無罪放免になってしまう。
シネマトゥデイ
感想・その他
題名の「vengeance」、それは復讐という意味。「Vengeance」というタイトルが示す通り、本作は“復讐”をテーマにしたハードボイルドなサスペンス映画です。主演のニコラス・ケイジが演じるのは、静かなる怒りを胸に秘めた刑事ジョン。彼の演技はまさに円熟の極みで、言葉少なながらも鋭い眼差しと行動で、観る者に強烈な存在感を残します…、ちょっと言いすぎか(汗)
物語の前半では、被害者の少女を襲ったレイプ犯たち、そしてその親たちのあまりに身勝手で醜悪な言動に、観ているこちら側の怒りも頂点に達します。「一刻も早く制裁を!」と、誰もが思うことでしょう。そして、その期待を裏切ることなく、ジョンによる復讐劇が静かに、しかし確実に始まります。
本作には、よくある「犯人にあと一歩のところで逃げられる」といったもどかしい展開や、主人公が絶体絶命のピンチに陥るようなハラハラする演出はありません。逆に、それが本作の魅力とも言えます。ジョンは終始、冷静に、淡々と、だが容赦なく「正義」を執行していくのです。その姿に、我々は「よしっ!」と拳を握りたくなる。昭和の名作、例えば『必殺シリーズ』や『水戸黄門』を彷彿とさせる“勧善懲悪”のカタルシスがここにあります。
ニコラス・ケイジの渋みを増した演技は、派手なアクションや台詞に頼らず、内面の怒りや決意をにじませることで、物語の緊張感をさらに高めています。彼の演技があるからこそ、この作品の復讐劇は単なる暴力ではなく、ある種の“救済”として心に残るのです…、これまたちょっと言いすぎか(汗)

そして、忘れてはならないのが被告側弁護士を演じた俳優。登場した瞬間から「この人、どこかで見たことある…でも誰だっけ?」と記憶を探ること数分。物語が終わり、エンドクレジットでその名前を見た瞬間、「ああっ、そうだった!」とひざを打つこと間違いなし。あの伝説的ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』でソニー・クロケット刑事を演じた、ドン・ジョンソン。渋さと余裕を漂わせるその存在感は、かつてのヒーロー像を大人の男へと進化させた、まさに名脇役として光っていました。
全体として、『Vengeance』は単なる復讐映画ではなく、「正義とは何か?」という問いを、観る者に投げかける作品です。静かなる怒りと、確かな決意。そのすべてが、ニコラス・ケイジの手によって見事に描かれています。観終えた後、心のどこかがスッと晴れる、そんな爽快な一本です。
0 件のコメント:
コメントを投稿