わたしも上に行きたい(by 猫のキイ)



エサを食べるスピードはリンの倍。まるで掃除機のように「カリカリ」を吸い込むキイ。
さらに驚くべきはその量で、リンが満足して食べ終わるころ、キイはまだ物足りなさそうにお皿を舐めています。どうやら胃袋の容量まで倍らしいのです。

すばしっこさでもキイが一歩リード。身のこなしはリンの1.5倍ほど素早く、家具の隙間や廊下の角をササッと駆け抜ける姿は、まるで影のよう。家族が目を凝らす間に、もう別の場所にいることもしばしばです。

ただし――。
意外にもジャンプ力に関しては、いまだリンに軍配が上がります。高い棚の上、窓辺の特等席、あるいは人間の目線近くまでひょいっと飛び乗れるのは、やっぱりリンだけ。キイはそのたびに下からじっと見上げ、少し悔しそうに鳴き声を上げます。

そんな時、キイは人間の助けを借りることになります。両前脚を伸ばして「お願い」とばかりに見つめ、抱き上げてもらうのを待つのです。ただし、それもリンがしっかり下りてから。順番を心得ているのか、それともリンの威厳を感じ取っているのか――。

いずれにしても、こうして毎日繰り広げられる小さな力比べに、私たちはつい笑みを浮かべてしまいます。

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