私的評価
メル・ギブソン主演、映画『ミッドナイト・マーダー・ライブ』を観ました。Amazonプライムビデオでの鑑賞です。
観始めた当初は「深夜のラジオ番組を舞台に、何か事件が起こるのだろう」と思わせる静かな導入でした。しかし、物語が進むにつれてラジオブースの中と外で同時進行する緊張感が高まり、視聴者はまるで生放送を聴いているリスナーの一人になったかのように引き込まれていきます。メル・ギブソンは、かつてのアクションスターとしての豪快さではなく、声と表情だけで緊迫感を表現しており、改めて役者としての幅広さを感じさせてくれました。
ストーリーは単純に見えて、実は巧妙に仕組まれています。「なんだ、そんなオチか」と思わず呟いてしまうような結末ではあるのですが、そこに至るまでの展開は見事で、観客は最後の最後まで巧妙に騙され続けます。だからこそ、オチに気づいた瞬間の衝撃は大きく、「まさか、こうなるとは」と顎が外れそうになるほど驚かされました。
全体を通して、派手なアクションや大掛かりな仕掛けがあるわけではありません。それでも密室劇のような緊張感と、ラジオという舞台装置を活かした独特の臨場感によって、サスペンス・スリラーとして十分に楽しめる仕上がりになっています。最後のひと捻りを含めて、なかなか忘れられない一本でした。
★★★☆☆
作品概要
監督はロミュアルド・ブーランジェ。脚本はロミュアルド・ブーランジェ。
製作はロミュアルド・ブーランジェ、マーク・フライドマン、ロバート・オグデン・バーナム。 主演はメル・ギブソン、その他出演者にはケヴィン・ディロン、ウィリアム・モーズリー、アリア・セロール・オニール、ナディア・ファレス、エンリケ・アルセほか。
2022年製作、2023年に公開されたアメリカのスリラー映画です。メル・ギブソン主演で、「ナルニア国物語」シリーズのウィリアム・モーズリーが共演しています。あっと驚く結末の映画です。
作品の紹介・あらすじ
解説
『リーサル・ウェポン』シリーズなどのメル・ギブソンがラジオDJにふんし、家族を誘拐した犯人に、声を頼りに迫っていくサスペンス。放送中にリスナーからの脅迫電話を受けた主人公が、誘拐された家族を救うために奮闘する。共演は『プラトーン』などのケヴィン・ディロン、『ナルニア国物語』シリーズなどのウィリアム・モーズリーなど。監督をロミュアルド・ブーランジェが務める。
あらすじ
ラジオリスナーからの電話に過激なジョークで答えていく、DJのエルヴィス(メル・ギブソン)。ある夜の放送中、電話をかけてきたゲイリーと名乗るリスナーが、エルヴィスの家族を監禁したと宣言。ゲイリーは監禁の理由について、恋人がエルヴィスのせいで自殺したからだと告げる。さらに、ラジオ局で警備員が殺され、多数の爆弾が仕掛けられていることが判明する。
シネマトゥデイ
感想・その他
私にとってメル・ギブソンといえば、やはり映画『マッド・マックス』です。現在(2025年3月時点)で69歳とのことですが、この映画の頃はまだ20代前半で、今の彼とはまるで別人のように格好良かったです。メル・ギブソンの代表作といえば『マッド・マックス』ですが、私が特に好きなのは『ペイバック』と『キックオーバー』です。なかでも『ペイバック』は大好きで、何度でも観られる作品です。強盗して大金を手にした途端、相棒と妻に裏切られ、背中を撃たれた男が、自分の取り分である7万ドルを取り戻すために大暴れするストーリー。荒んだ雰囲気のメル・ギブソンがとにかく格好良いのです。
さらに、この『ペイバック』には、あの超大物俳優ジェームズ・コバーンが出演しています。しかも、彼が登場するのは終盤のほんのわずかな時間で、あっという間に殺されてしまう役。それでもさすが超大物ですね。彼が出るだけで映画がワンランク上がったように感じられました。若い頃は長身でスリムな体型だったジェームズ・コバーンも、この映画で久しぶりに見たときは恰幅が良くなり、貫禄たっぷりでした。
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