
琵琶湖を自転車で一周した翌日の午後、ふと心にぽっかりと空白ができました。体は少し疲れているはずなのに、なぜかじっとしていられない。そんな気分になること、たまにありますよね。時計を見ると午後2時を回ったところ。「そうだ、ドライブに行こう。そして、せっかくだから車中泊もしてみようか」——そんな軽い思いつきから、急きょエブリイでの“車中泊メインのドライブ”を決行することにしました。
車中泊自体は、まったくの初体験というわけではありません。何年か前、熊野古道を歩いたとき、当時乗っていたデミオ(DY系)で一夜を明かしたことがありました。ただ、あの時はあくまで「寝るだけ」の簡易な車中泊。いわば“緊急避難的”なものでした。今回のように、エブリイを車中泊仕様に整備し、計画的に(といっても即興ですが)泊まりに出かけるのは初めてのこと。つまり、エブリイでの「初車中泊」です。

とはいえ、装備はすでに整っていました。ポータブル電源こそまだ購入していませんが、それ以外はほぼ準備万端。キャンプ用品から車中泊で使えそうなアイテムは一つのボックスにまとめてあり、荷物の積み込みもスムーズ。DIYで作った「収納付きベンチ兼テーブル兼ベッド」にそれらを積み込めば、あとは出発するだけ。ちょっとした旅支度も、このエブリイならあっという間です。
行き先に選んだのは、長野県の「道の駅 木曽福島」。標高も高く、夜は涼しいだろうという目論見と、温泉施設も近いという条件が決め手でした。道中はひたすら下道を選び、国道19号線をゆっくり北上。平日の夕方ということもあり、交通量もそこそこ落ち着いており、山間部の景色を楽しみながらのんびりと走ることができました。こういう時間こそ、エブリイのような軽バンが一番輝く瞬間です。

「道の駅 木曽福島」に到着したのは午後6時過ぎ。辺りはすでに薄暗くなり始め、山の輪郭が青みを帯びて空に溶け込む時間帯でした。ところが、いざ駐車場に入ってみると、想像以上の混雑。駐車場は車中泊と思しきクルマが多く、しかも一台飛びで駐車しているため、間隔が広くとられていて、空きスペースがほとんどありません。なんとか停められなくもなかったのですが、落ち着いて過ごすには少し窮屈だと判断し、ここはトイレ休憩のみに留め、温泉でひと息入れたあと、別の車中泊スポットを探すことにしました。
その結果、たどり着いたのが「道の駅 三岳」。事前情報では小ぢんまりとした道の駅で、駐車スペースもそれほど多くはないとのことだったため、「誰もいなかったらちょっと心細いな……」という不安もありました。でも、実際に到着してみると、すでに5台ほどの車中泊組と思われる車が停まっており、なんとなく安心感が漂う雰囲気。私と同じように“静かに過ごしたい派”が集まっているようで、エンジン音も話し声もなく、落ち着いた空気が流れていました。
夜が更ける頃には、さらに数台の車がやってきて、結果的にはちょうどいい賑わいに。静かだけど寂しくはない、そんな理想的な場所でした。
こうして、思いつきで始まった“エブリイ初の本格車中泊”は、想像以上に快適で、心地よいものとなりました。道の駅に漂う旅人たちの静かな連帯感、外気のひんやりとした心地よさ、車内で過ごす小さな“自分だけの空間”——すべてが新鮮で、またすぐにでも出かけたくなるような体験でした。次こそはポータブル電源も用意して、もう一歩快適な旅を目指したいところです。

換気扇の電源はサーキュレーターから取ってます。

晩飯は途中で買ったこれらをフライパンで温めて食しました。飲み物はノンアルコールのチューハイとビールで我慢。なにがあるか分からないので、アルコール摂取は諦めました。

次の日はもう何十年も前から気になっていた道「倉越パノラマライン」を走りました。こんな大層な名前がある道とは知りませんでしたが、まあまあ路面もよく普通に走れ、開田高原や飛騨方面へ繋がる国道361号線に出られました。しかし、パノラマラインという名とは裏腹に木々が生い茂り、眺望はまったくよくありませんでした。

国道361号線を飛騨方面に向かい、鈴蘭高原経由で国道41号線に出て、お昼には帰名しました。
今回、車中泊をやってみて一番気になったのは照明の暗さでした。一応LEDライトの天井照明は用意してありますが、電源がコンセントなのでポタ電がないと使えません。ポタ電の購入が緊急課題となりました。あと、窓の目隠しですが、エブリイ専用のサンシェード全窓用セット(8枚組)を使いましたが、これが吸盤で取り付けるタイプで何回か吸盤が外れてしまいました。これもちょっと考えたいところです。
2 件のコメント:
匪石です。
これこそがやりたかったことですね!
もうtsunさんが ひろし 或いは 清水国明 に
脳内変換されています。
匪石さん、コメントありがとうございます。
早く北海道や九州周遊の旅に出たいです。
そのためにももうちょっと試行錯誤したいですね。
でも夏は標高の高い所でしかできそうにありません。
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