
私的評価
Amazonプライムオリジナルドラマ『BOSCH:LEGACY』シーズン2(全10話)を観ました。日本語題名は『ボッシュ:受け継がれるもの』です。シーズン2は全10話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
Amazon最長寿シリーズである『BOSCH/ボッシュ』が、シーズン7でファイナルとなり悲しんでいたところ、スピンオフドラマ『ボッシュ: 受け継がれるもの』としてあのハリー・ボッシュが帰って来ました。そのシーズン2となります。終わり方がシーズン3ありきで、それもまた嬉しいところですが、期間が空くので内容を忘れてしまうのが玉に瑕です。
とにかくこの『BOSH/ボッシュ』シリーズは面白いです。ただ一つだけ不満なのが、先ほど書いてあるように続きありきの終わり方でした。私は何週間も第11話、第12話を待ち続けていました。
★★★★★
作品概要
監督はゼトナ・フエンテス、パトリック・ケイディ、アレックス・ザクシェフスキほか。製作総指揮・原作はマイクル・コナリー。
出演はタイタス・ウェリヴァー、マディソン・リンツ, ミミ・ロジャースほか。
Amazonプライムビデオの人気ドラマであった『BOSCH/ボッシュ』のスピンオフとなります。2023年10月20日に配信開始されました。同時にシーズン3の製作が決定しています。
作品の紹介・あらすじ
シーズン2のあらすじ
チャンドラーは依然としてPTSDに苦しむ。マディはレイプ犯ドクワイラーに誘拐されて砂漠の地下に埋められる。逮捕を逃れられないと悟ったドックワイラーが出頭し、マディの位置情報と交換に免責を求めるが、ボッシュがマディの位置を突き止めて救出する。ドックワイラーは刑務所で殺される。
4か月後、マディはPTSDに苦しみながらも功績を挙げ、CRU (犯罪抑止班)に抜擢されてヴァスケスと組む。ボッシュとチャンドラーはロジャース殺人事件に関するFBIの追及を逃れながら、腐敗刑事が絡んだパークス殺人事件を調査し、モーリスに助けられる。
ロジャースの遺体が発見され、FBIはウェイクフィールド殺人事件とともに、手の出せないロシア人ギャングの代わりにボッシュおよびチャンドラーを標的として捜査する。ボッシュがパイプラインを爆破してロジャースを追い詰めたことを掴む。チャンドラーはロシア人ギャングが絡むことをリークして大陪審を妨害する。FBIはボッシュとチャンドラーの家と事務所を強制捜索しチャンドラーを逮捕するも、チャンドラーは強制捜索無効を勝ち取る。潜入捜査官を使いモーリスに犯罪を犯させて情報提供者にしようとするも失敗する。
市の役人のパークスが惨殺され、フォスターが逮捕されてチャンドラーが弁護を引き受ける。FBIへの対抗策を話し合うための偽装として、チャンドラーはボッシュに事件の調査を依頼する。ボッシュはパークスの高価な時計がないことに気づいて追跡する。恐喝や盗品売買に手を染める、腐敗した風紀課刑事の二人組エリスとロングがボッシュを尾行し、購入した時計店の経営者を殺して捜査を妨害する。パークスの時計は、二人が恐喝していた相手に繋がる。ボッシュは襲撃されてロングを撃つもエリスは逃走する。マディは父を殺しかけたエリスを射殺する。チャンドラーは、エリスとロングが自分たちの犯罪を知りかけたパークスを殺し、旧知の男娼の顧客であるフォスターを犯人に見せかけた証拠を示して無罪を勝ち取る。
人生観の替わったチャンドラーは地区検事選挙に出馬する。マディはドックワイラーの死に父が関与したと疑う。
Wikipedia(ボッシュ: 受け継がれるもの)
感想・その他
海外連続ドラマ『ボッシュ: 受け継がれるもの(BOSCH: Legacy)』シーズン2を観ました。前作『BOSCH/ボッシュ』からのスピンオフとして始まったこのシリーズですが、刑事を引退したハリー・ボッシュが今度は私立探偵として事件を追うという展開が新鮮で、さらに登場人物それぞれの成長や変化も見どころとなっています。その中でも、私が特に注目しているのが、ボッシュの情報収集を担当する凄腕ハッカー、モーリス・バッシ(通称モー)です。シーズン1から登場している人物ですが、シーズン2では一気に存在感が増し、物語の中でも重要な役割を担うようになっています。かつての相棒のような立ち位置から、今ではまさに“頼れる相棒”へと進化した印象です。
まず、画面に登場した瞬間、「あれ、少しスリムになった?」と感じたのですが、やはりシーズン1に比べると体型が引き締まっており、モー自身の生活や心境の変化もどこか感じさせるような雰囲気をまとっていました。演じているのはスティーブン・A・チャンという俳優ですが、意外にも日本語で検索しても情報がほとんど出てこず、謎めいた存在でもあります。ですが、劇中での彼の演技は非常に自然体で、単なる“便利屋的キャラ”にとどまらず、彼自身の信念や倫理観も感じられるような描写が増え、単なる脇役ではなく、一人の人間として深みのあるキャラクターに成長しているのが印象的でした。
また、日本語吹き替え版で声を担当している山中誠也さんの声が、このモーという人物像と非常にマッチしており、温厚そうな雰囲気の中にも芯の強さや知性を感じさせてくれます。声の演技がここまでキャラクターの魅力を引き立てるのかと、改めて吹き替えの大切さも実感しました。

そして、もうひとり忘れてはならないのが、『BOSCH/ボッシュ』本編からシリーズを通して重要な役割を果たしてきた、元ロサンゼルス市警本部長アーヴィン・アーヴィングです。演じるのは、名優ランス・レディック。彼は映画『ジョン・ウィック』シリーズでは、コンチネンタル・ホテルの品格あるコンシェルジュ、シャロン役としても知られており、その沈着冷静な佇まいと重厚な存在感は唯一無二でした。
そんな彼が、2023年3月、60歳という若さでこの世を去ったというニュースを聞いたときは、本当にショックでした。『受け継がれるもの』のシーズン1には登場していなかったように記憶していますが、今回のシーズン2では、最終話にわずかですが再登場しており、その姿に思わず胸が熱くなりました。ほんの一瞬の出演ながら、ランス・レディック演じるアーヴィングの厳格さと深い人間性は健在で、まるで「ボッシュの世界にちゃんと自分はいるよ」と伝えてくれているようでした。
シーズン2は、ミステリーとしての面白さはもちろんのこと、こうした人物たちの内面や背景にも焦点が当てられ、シリーズ全体に厚みを加えるような構成になっていたと思います。派手なアクションだけではなく、信頼、裏切り、老い、そして喪失といった人間ドラマの側面も描かれており、まさに大人がじっくり楽しめるドラマとして成熟してきていると感じました。
次のシーズンも、引き続き目が離せません。

0 件のコメント:
コメントを投稿