
黒猫のクウ
「黒猫」と一口に言っても、実は真っ黒の猫というのは意外と少ないそうで、特に“メスの全身真っ黒”はなかなか珍しいのだとか。クウも例外ではなく、お腹のあたりにほんのりと白い毛が混じっていて、厳密には“全黒”ではありません。それでも黒く艶やかな毛並みは夜になると空間に溶け込むようで、うっかり踏んでしまいそうになることもしばしば。気配を消すのが上手な、忍者のような子です。
性格はというと、やや控えめで遠慮がち。食欲はそれなりにありますが、同居猫ミイ(通称・関根さん)の圧倒的な食い意地には太刀打ちできず、よくご飯を横取りされています。最初は気のせいかと思っていましたが、毎回その構図になるので、もはや定番の光景になってしまいました。
クウにはひとつ、とてもユニークな特徴があります。それは“ひげ”。普通の猫のひげがピンと外向きに伸びているのに対し、クウのひげはクルンと内側にカールしていて、まるで謎の中国人が生やしているような「ドジョウひげ」そのもの。初めて見たときは思わず笑ってしまいましたが、今ではそのひげを見るたびに愛しさが増します。

三毛のミイ(関根さん)
そしてこちらが、三毛猫のミイ、あだ名は「関根さん」。なぜそのような渋い呼び名になったのかは、はっきりとした理由はないのですが、何となくその風格と振る舞いが“関根さん”という名前を連想させるのです。呼び慣れてくると、これ以外にしっくりくる名前が見当たらないのだから不思議なものです。
ミイはとにかくよく食べます。そしてよく太っています。先住猫のキイ(現在6歳)と比べても、体つきのがっしり具合が全然違い、特に腰回りの丸みはまるで小さなダルマのよう。抱き上げるとずっしりと重く、思わず「育ちすぎでは…?」と心配になることも。末恐ろしい食欲の持ち主ですが、元気が一番です。
そんなミイにもチャーミングな特徴が。それは肉球。ミイの足の裏はキレイなピンク色をしていて、よく見るとそこには小さな黒いハートマークが浮かんでいます。まるで誰かがスタンプでも押したかのような可愛らしさで、思わず写真を何枚も撮ってしまいます。
これまで我が家の歴代猫たちは、いわゆる“カリカリ”ことドライフードを好んで食べてきました。割合で言えば9割がドライ、ウェットフードはたまの贅沢という感じ。それが当たり前と思っていたのですが、クウとミイはどうやら違うようです。
この2匹、どうやらウェットフードの方が好みらしく、カリカリだけだと明らかにテンションが下がります。「あれ?今日はそれだけ?」と言いたげな顔をされてしまうのです。しかも困ったことに、こちらが良かれと思って用意する高品質なグレインフリーやオーガニック素材のプレミアムフードには見向きもせず、逆に、スーパーで安く売られている“ジャンキー系”のカリカリには飛びつく始末。
どうやら、体に良くないかもしれないけどおいしい“何か”がたっぷり入っているようで、あの食いつきの差には人間も唖然とさせられます。
とはいえ、彼女たちが楽しく食べて元気でいてくれれば、それが一番。食事もまた、猫たちとのコミュニケーションのひとつ。日々好みや気分が変わる彼女たちに合わせて、こちらも柔軟に対応していくしかないですね。
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