私的評価
映画『65/シックスティ・ファイブ』を観ました。Amazonプライムビデオでの鑑賞です。
主演のアダム・ドライバーは『スター・ウォーズ』シリーズに出演している俳優さんです。しかし、『スター・ウォーズ』シリーズを観たことない私には、B級映画に出てくるような名も知らない俳優に見え、それだけで星を1つ減点したいくらいです。
映像のクオリティは高くそれなりに最後まで観られましたが、なにか物足りなさを感じました。やはりそれは出演者の少なさと、私にとっての出演者の知名度でしょうか。このような出演者の少ない映画には、やはりビッグネームの主人公が必要だと感じます。アダム・ドライバーよりビッグネームではないかも知れませんが、例えば私の中ではビックなジョエル・キナマンとか。
★★☆☆☆
作品概要
監督・脚本はスコット・ベック、ブライアン・ウッズ。製作は サム・ライミ、デビー・リーブリング、ザイナブ・アジジ、スコット・ベック、ブライアン・ウッズ。
主演はアダム・ドライバー、その他出演者にアリアナ・グリーンブラッド、クロエ・コールマンほか。
2023年のアメリカのSFスリラー映画です。娘の治療費を稼ぐため宇宙へと旅立ったミルズが事故により不時着したのは恐竜が絶滅する直前の中生代・白亜紀の地球。ミルズと共に生き残った少女コアは果たして地球から脱出できるのか…。
作品の紹介・あらすじ
解説
『スター・ウォーズ』シリーズなどのアダム・ドライヴァーが出演したSFスリラー。宇宙船の不時着により約6,500万年前の地球に降り立った生存者二人が、地球脱出を試みる。『クワイエット・プレイス』シリーズなどに携わってきたスコット・ベックとブライアン・ウッズが監督などを手掛け、『スパイダーマン』シリーズなどの監督を務めたサム・ライミが製作を担当。『AWAKE/アウェイク』などのアリアナ・グリーンブラットらが共演する。
あらすじ
宇宙探査の長期ミッションにあたるミルズ(アダム・ドライヴァー)らを乗せた宇宙船は、小惑星帯と衝突して墜落。乗組員はミルズ以外全員死亡し、船体もバラバラになってしまう。墜落前に切り離された脱出船を探して見知らぬ惑星を捜索する中で、彼は少女コアの生存を確認する。しかし二人が不時着していたのはおよそ6,500万年前の地球だった。
シネマトゥデイ
感想・その他
この映画の面白いところは、なんといっても設定の意外性にあります。冒頭では、「また宇宙モノか」と思わせておいて、しばらくすると舞台が“恐竜が闊歩する地球”だとわかり、思わずニヤリとさせられました。しかも、主人公は異星人。つまり、我々から見れば宇宙人なのですが、その姿かたちはまったく人間と同じ。言語も習慣も人間そのもので、ヘルメットを取ったときの違和感のなさには、むしろ妙な説得力すら感じます。こういった「異星人が地球に不時着する」系の設定は古今東西にありますが、多くは「未来から来た地球人」だったり、「地球に似た星で進化した人類」だったりします。この映画では、我々がまだ誕生していない6500万年前、つまり恐竜時代に、既に人間そっくりの異星人が地球に訪れていた、という設定です。これを聞いたとき、まるで地球の歴史にポッカリと空いた「空白の1ページ」に、何かが書き加えられたような感覚を覚えました。
ふと思ったのです。もしこの映画のラストを、ほんの少し変えてみたらどうなるだろうか?
私なら、こんなストーリーを考えてみたい。
物語の終盤、生き残ったのは少女ではなく、20代の大人の女性。彼女と主人公の間には、単なる「守る/守られる」ではない、対等なパートナーシップが芽生えます。2人は隕石の落下を目前にした地球から、ぎりぎりのところで脱出に成功します。しかし故郷の星との通信は途絶え、帰還の目処は立ちません。行き場を失った2人は、宇宙船で長いコールドスリープに入ります。
そして、目覚めたのは、地球の地表から放射能や火山灰が消えた何千年も後のこと。再び目を覚ました2人は、青々とした自然が蘇った地球に降り立ちます。人類がまだ存在しないこの星で、彼らは文明を築き、子孫を残し、やがて“人類の起源”となっていく――。
いわばこれは、「我々人類の祖先は、実は宇宙から来た異星人だった」という壮大な仮説へのフィクション的アプローチです。神話や伝承における“天から来た者たち”や、“突然現れた文明の担い手”といったイメージと、映画『65』の設定がリンクして、想像がふくらみます。
正直なところ、映画としての『65』は展開も割と王道で、物語に大きな意外性はありません。しかし、こうした“余白”のある映画は、むしろ観る者の想像力をかき立ててくれます。物語の続きを、自分で紡いでみたくなる。そんな映画でした。
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