
ステアリング交換後に発生した警告灯表示、「ESPエラー」について報告します。
調べてみると、ステアリング交換を行った方の中でこのエラーが頻繁に起きているケースが多いようです。
まず、ESPとは「エレクトロニック・スタビリティ・プログラム(Electronic Stability Program)」の略称で、車両の安定性を維持するための先進的な運転支援システムのことを指します。具体的には、車が滑りやすい路面や急なカーブで横滑りしそうな状況を検知すると、自動的に適切な車輪にブレーキをかけたり、エンジン出力を調整することで、車両の安定を助ける仕組みです。つまり、安全運転をサポートする重要なシステムの一つと言えます。
では、なぜステアリング交換でこのESPエラーが発生してしまうのでしょうか?
その理由は、舵角センサー(ステアリングアングルセンサー)の誤作動に起因しているようです。
舵角センサーは、ステアリングホイールの回転角度をリアルタイムで測定し、車がどの程度ハンドルを切っているのかを検知しています。ESPシステムはこの舵角情報をもとに、車両の挙動を判断し、適切な制御を行うため、正確な角度情報が必須です。
舵角センサーは、実際にはスパイラルケーブル(コンタクトコイル)という部品に組み込まれています。このスパイラルケーブルは、エアバッグの配線やステアリング周辺の電子配線をハンドルの回転に追従して接続し続けるためのもので、ハンドルとエアバッグが一体化しているため、ハンドルの回転に合わせてこのケーブルも回転します。言い換えれば、スパイラルケーブルはステアリングと車体の間で電気信号を伝達するための“ねじれバネ”のような役割を持っているのです。
ここで問題になるのが、ステアリング交換時のスパイラルケーブルの取り扱いです。
交換作業時に、スパイラルケーブルの位置(角度)を誤って回転させてしまったり、正しい位置からずれた状態で取り付けてしまうと、ケーブルが物理的に切れてしまったり、たとえ切れなくても内部の信号のずれが生じてしまいます。結果として舵角センサーの読み取りが狂い、ESPシステムが異常を検知してエラーを表示することになります。
そのため、ステアリングの交換やスパイラルケーブルの脱着作業では、スパイラルケーブルのセンター位置(真っ直ぐな状態)を正確に合わせて取り付けることが非常に重要です。 整備マニュアルや専門の工具を用いて適切に作業しなければ、警告灯が点灯し続けるトラブルに発展してしまいます。
まとめると、ステアリング交換によるESPエラーは、スパイラルケーブルの取り扱いが原因で起こることが多く、作業時の慎重な配慮が求められます。もし自分で交換作業をする場合は、事前にしっかりと情報を集め、可能ならばプロに相談することをおすすめします。

私の場合は、スパイラルケーブルを回転させないように注意しましたが、ESPエラーが発生しました。ウィンカーの戻りも正常です。原因が分かりません。諦めてスズキディーラーのお世話になろうかとも考えましたが、試しにDA17V対応のステアリングボス(OU-248)を試すことにしました。ボス代をケチってネットに転がっていた情報を信じて、エアバック対応でないボス(OU-232)を買って取り付けていたからです。

OU-232(非対応品)とOU-248(対応品)を比べてみて、なんとなくエラーの原因が分かりました。対応品にある突起(赤丸部分)でスパイラルケーブルも一緒に回転させているのではないでしょうか(もちろん純正のステアリングにも突起はありました)。非対応品には突起がなくスパイラルケーブルがハンドルと上手く一緒に回らなく、それでエラーを感知している…。そんな見立てです。

ボス付属のエアバックキャンセラー。自作のものよりスマートです。

今回はアジャスタースペーサー(1㎝)無しで取り付けました。

5Kmほど走りましたが、2Kmほど走った時点でエラー表示は消えてその後は消えたままです。
治ったのかどうか分かりませんが(私的には治ったと考えます)、もうしばらく様子見します。
最初から対応品のステアリングボスを購入しておけばよかったです。結局は「安物買いの銭失い」でした。ただ、まだ油断はできませんが…。
追記(2023年7月30日)
50Kmほど走行しましたが、あれからESPの警告灯は表示されることはありませんでした。
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