私的評価
Amazonプライムオリジナルドラマ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』シーズン3を観ました。全8話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
真剣に観ていないと誰が誰だか分からなくなるのが海外ドラマ。とくに登場人物が多いこの『ジャック・ライアン』は尚更です。このシーズン3は全8話を気を抜かずに一気観しましたが、それでもある男が主要人物に殺される場面があるのですが、それが誰だか分からずモヤモヤしました(今も分からず)。
シーズン2で私の評価を落としたこのシリーズでしたが、このシーズン3でまた面白さが復活しました。時間の経過を忘れるくらい、あっという間の一気観となりました。しかし、実際のところ、こんなCIAエージェントって居るんでしょうか、居ないんでしょうね。
★★★★☆
作品概要
原作はトム・クランシーの小説シリーズです。原案・製作総指揮はカールトン・キューズほか。
主演はジョン・クラシンスキー、共演者にはウェンデル・ピアース、マイケル・ケリーほか。
2022年12月にAmazonプライムで配信開始されました。『トム・クランシー/ CIA分析官 ジャック・ライアン』シリーズは、アメリカ合衆国のアクション・スリラー・テレビドラマシリーズで、トム・クランシーの創作した小説シリーズのキャラクターであるジャック・ライアンを主人公としています。
作品の紹介・あらすじ
あらすじ
ライアンはロシアの情報提供者から、過激派による核兵器を用いた東欧侵略計画ソコルの存在を知らされる。ギリシャで保護していた亡命科学者を殺され、罪を着せられて国際手配され、CIAには反逆罪に問われて逃亡する。グリーア、引退していたノーベンバー、そして一度は裏切られたローマ支局長ライトの助けを得てソコルを追い、核戦争を避けたいロシア対外情報庁(SVR)の大物諜報員ルカにたびたび情報を提供される。ロシアでは、過激派のアレクセイ・ペトロフが、NATOのミサイル配備の交渉中のチェコを訪れた穏健派のロシア国防相を暗殺させて、新国防相となる。チェコ大統領アレナの父ペトルは、実は元ロシア軍兵士であり、ペトロフとともにソ連再拡大の夢を抱き、ポポフ暗殺に加わっていたことが分かる。ペトルら過激派は、NATOの核兵器爆発に見せかけた大惨事をチェコで起こそうとするも、ライアンの活躍で未然に防がれる。ライアン、グリーア、ノーベンバー、ルカ、そしてアレナはモスクワに入ってペトロフの陰謀を暴こうとする。真の黒幕であるアントノフ海軍大佐が、対米開戦に向かう。ペトロフがクーデターにより大統領の座を狙う。
Wikipedia(ジャック・ライアン (テレビドラマ))
感想・その他
このシリーズの第3シーズンでは、ロシアの一部軍部・政界の強硬派が、かつてのソ連の栄光を取り戻すべく密かに「レッドルーム計画」という極秘作戦を進めており、アメリカとの戦争を意図的に引き起こそうとします。冷戦の亡霊がよみがえったかのような緊迫したシナリオの中で、主人公ジャック・ライアンとその仲間たちが、その陰謀を未然に防ぐべく奔走する姿が描かれています。現実に目を向けると、ちょうどこのシーズンが配信された2022年12月は、ロシアによるウクライナ侵攻が続いている真っ只中。現実とドラマとのリンクを思わず意識せざるを得ません。特にこのドラマでは、NATOの東方拡大に対するロシアの警戒感や、かつて「強国」として世界にその名を轟かせていたソ連時代を懐かしむ一部指導者たちの郷愁が描かれており、現実の地政学的状況と重なる部分も少なくありません。
興味深いのは、ドラマでクーデターを企てるロシアの政治家たちが、現在の指導者ウラジーミル・プーチンとは明確に異なる人物として描かれている点です。この物語がいつ企画・脚本化されたかは不明ですが、現実のロシアと巧妙に一線を画しながらも、視聴者に「現代のロシアが抱える本質的な問題とは何か?」という問いを投げかけてくる作りになっています。
さらに、現実との大きな違いとして、ドラマの中ではロシアの軍事力が依然として脅威として描かれている一方、現実のウクライナ戦争では、強大だと思われていたロシア軍の意外な脆弱性が明らかになりつつあります。補給の不備、士気の低下、そして国際社会からの孤立など、戦争初期に想定されていた「数日で終わる」という予測とはまったく異なる展開になっており、ロシアの「強さ」が幻想であったことを浮き彫りにしました。
とはいえ、フィクションの持つ力は侮れません。この『ジャック・ライアン』シリーズは、現実とフィクションを巧みに交差させながら、視聴者に「情報戦」「陰謀」「外交」「愛国心」といった現代社会の複雑なテーマを鋭く提示してくれます。アクションやサスペンスだけでなく、国際政治に対する洞察を深めるうえでも見応えのあるシーズンでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿