私的評価
映画『21ブリッジ』を観ました。Amazonプライムビデオでの鑑賞です。
あまり期待せずに観始めたこの映画でしたが、1時間40分をあっという間に感じさせるテンポの良さと緊迫感で、私を映画に引きずり込んでくれました。特に脚本が素晴らしいという訳でもありませんが、とても丁寧に、真面目に作られた映画だと感じました。なかなか良い作品です。
観終わってから知りましたが、主演のチャドウィック・ボーズマンは今現在この世にいません。2016年にステージ3の大腸癌が見つかり、2020年8月に亡くなっています。この映画は2019年なので、彼の癌もかなり進行していた時期と思われます。シリーズ化を望むような映画でしたが残念です。
★★★★☆
作品概要
監督はブライアン・カーク。脚本・原案はアダム・マーヴィス。
製作はアンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ、チャドウィック・ボーズマン、ローガン・コールズほか。
主演はチャドウィック・ボーズマン、その他出演者にシエナ・ミラー、キース・デイヴィッド、テイラー・キッチュ、J・K・シモンズほか。
2019年のアメリカ合衆国のアクション・スリラー映画。題名の『21ブリッジ』は、逃走中の強盗殺人犯を捕まえるため、ニューヨーク・マンハッタン島にかかる21の橋を全て封鎖することから付いています。
作品の紹介・あらすじ
解説
完全封鎖されたニューヨークのマンハッタン島を舞台に描くクライムアクション。強盗殺人事件の犯人逮捕のため、刑事がその背後に隠された真相に迫る。『ブラックパンサー』などのチャドウィック・ボーズマンが刑事にふんし、『アベンジャーズ』シリーズなどのアンソニー・ルッソとジョー・ルッソ兄弟が製作を手掛け、『ファクトリー・ガール』などのシエナ・ミラーや『ジョン・カーター』などのテイラー・キッチュらが共演している。
あらすじ
マンハッタン島で、8人の警察官が殺害される事件が発生する。かつて警察官だった父親を殺害されたデイビス刑事(チャドウィック・ボーズマン)は、全面封鎖されたマンハッタンで調べを進めていくうちに、思いがけない事件の真実にぶち当たる。窮地に立たされた彼は、たった1人で事件の背後に隠されたニューヨークの闇と向き合うことになる。
シネマトゥデイ
感想・その他
物語の中で犯人役を演じている二人のうち、白人の方を演じているのはテイラー・キッチュです。彼は、かつて映画『バトルシップ』でホッパー大尉役として主演を務めた俳優であり、その演技力には定評があります。今回の作品では髭面で登場するため、最初は誰だか気づきにくかったのですが、よく見れば彼の顔だとわかりました。テイラー・キッチュが演じる強盗犯は、初めは粗暴で自分勝手、典型的な悪人に見えました。自分が撃たれて重傷を負いながらも、相棒を逃がすために自らの命を犠牲にするなど、複雑な内面が垣間見えます。死の間際には「警官を殺したのは全部自分だ」と潔く白状するシーンもあり、その一途な覚悟が心に響きました。こうした描写によって、単なる悪役ではなく、どこか憎めない人物像が描かれていたと思います。
もう一人の犯人を助ける姿からも、彼の人間味が伝わってきて、観ているこちらも感情移入せざるを得ませんでした。
また、この映画にはJ・K・シモンズも出演しています。彼が画面に登場すると、何故かいつも「悪人臭」が漂い、今回も例外ではありませんでした。案の定、彼の演じるキャラクターは物語の中で重要な役割を担い、緊張感を高めていました。
この二人の犯人の対比やキャラクターの奥深さが、映画に厚みとリアリティをもたらしていたように感じます。単なるアクション映画以上に、人物の心情や葛藤が描かれた作品であることが伝わってきました。
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