水野勝主演、映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』のあらすじ・感 想など

私的評価

映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』を観ました。
レンタルDVDででの鑑賞です。

主演の橋爪功さんが実に安定感のある演技を見せてくれます。この手の“熟年世代の人生の折り返しを描く”作品では、やはり彼の存在感が光ります。橋爪さんがこういった役どころを演じると、どこか山田洋次監督の『家族はつらいよ』シリーズを思い出さずにはいられません。あちらと比べると、本作はやや軽めのタッチで進行していきますが、その分、気負わずに楽しめるのが魅力です。

ストーリーとしては、終活という重たいテーマを扱いつつも、コメディタッチで描かれており、人生100年時代をどう生きるか、という現代的な問いかけも含まれています。深く心に残るほどではないにせよ、どこか他人事ではないテーマに、ふと自分自身のこれからを重ね合わせてしまう瞬間もありました。

全体としては、決して“名作”というわけではありませんが、肩の力を抜いて観られる一本。家族やパートナーと一緒に観るのも良いかもしれません。

★★★☆☆

作品概要

監督・脚本は香月秀之。
製作幹事はフォワードインターナショナル。
企画・製作プロダクションはフレッシュハーツ。
主演は水野勝、その他出演者に剛力彩芽、松下由樹、高畑淳子、橋爪功ほか。

2021年5月公開の日本映画です。仕事や子育てが一段落した結婚50年を迎えた熟年夫婦の騒動を、コミカルに描いたファミリードラマとなります。主役の菅野役を「BOYS AND MEN」のリーダー水野勝が演じました。

作品の紹介・あらすじ

解説
人生を整理し、新たな気持ちで残された人生に臨む終活をモチーフにしたヒューマンドラマ。葬儀社の新入社員が離婚危機にある熟年夫婦との交流を通じ、自身も絶縁していた父親との関係を見つめ直す。主演はアイドルグループ「BOYS AND MEN」の水野勝、離婚寸前の夫婦と娘を橋爪功、高畑淳子、剛力彩芽、主人公の上司を松下由樹が演じる。『デコトラの鷲(しゅう)』シリーズや『明日に架ける愛』などの香月秀之がメガホンを取った。

あらすじ
大原真一(橋爪功)の妻・千賀子(高畑淳子)は、定年退職後ずっと自宅にいる真一が原因で在宅ストレス症に陥り、離婚寸前だった。そんな中、二人の娘・亜矢(剛力彩芽)は葬儀社に転職したばかりの菅野(水野勝)と出会い、紹介された終活フェアを母に勧める。終活フェアを訪れた千賀子は人生を整理する大切さを実感するが、真一は終活に否定的だった。

シネマトゥデイ

感想・その他

映画の主役と言ってよいのでしょうか、葬儀社の若き担当者・菅野を演じていた俳優、水野勝さん。正直なところ、「誰これ?」状態でした。一緒に観ていた家族も皆、顔も名前もまったく知らず、首をかしげるばかり。

気になって調べてみると、水野さんは「BOYS AND MEN(ボイメン)」というグループのメンバーだそうです。このボイメン、東海地方出身・在住の男性たちで構成されたエンターテインメント集団で、歌やダンス、舞台にテレビ出演など幅広く活動している“ご当地男性アイドルグループ”とのこと。実は私も「ボイメン」という名前くらいは耳にしたことがあったので、地方では比較的知名度があるグループなのかもしれません。とはいえ、映画の主演となるとやや唐突な印象も否めず、演技面でもやや硬さを感じましたが、それも今後の伸びしろと見ることもできるでしょう。

そしてもう一方の主役とも言える存在が、剛力彩芽さんです。一時期はテレビドラマやCMなど、まさに“見ない日はない”というほどメディアに登場していた彼女ですが、正直なところ当時は「また剛力さんか…」という食傷気味の印象もあり、個人的にはその魅力を十分に理解できずにいました。

しかし本作で久々にスクリーンで彼女の姿を見て、率直に「大人っぽくなったな」と感じました。表情や立ち居振る舞いに落ち着きがあり、以前とは違った深みのようなものも感じられ、私の中で剛力さんの印象が少し変わった気がします。やはり経験を重ねたことによって、女優としての幅も広がったのかもしれません。

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