私的評価
Amazonプライムオリジナルドラマ『BOSCH/ボッシュ』シーズン6・7を観ました。シーズン6は10話、シーズン7は8話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
『BOSCH/ボッシュ』は、アメリカの小説家マイクル・コナリーによる人気警察小説を原作としたシリーズで、ロサンゼルス市警察の刑事ハリー・ボッシュが主人公です。社会派要素を含みながらも、重厚なストーリー展開とリアリティある描写で、数多くの視聴者を魅了してきました。Amazonオリジナル作品の中でも特に長寿の部類に入るシリーズで、シーズン7をもってついにファイナルを迎えることになったようです。
できればこのまま何シーズンも続いてほしいと願っていただけに、今回の完結はやはり残念でなりません。ただ、シーズン7のラストの描き方には余韻があり、「私立探偵BOSCH」として新たな物語へと発展していく余地を残しているようにも感じられます。スピンオフや続編が制作されるのではないかと期待せずにはいられません。
★★★★☆
作品概要
監督はアレックス・ザクシェフスキ, パトリック・ケイディ。製作総指揮/原作はマイクル・コナリー。
出演はタイタス・ウェリヴァー、マディソン・リンツ, ランス・レディックほか。
2021年7月現在、シーズン7まで、Amazonビデオでプライム会員は無料で観られます。シーズン6は2020年、シーズン7は2021年の放送です。
作品の紹介・あらすじ
シーズン6のあらすじ
ボッシュはエリザベス・クレイトンの娘デイジーの殺害事件の捜査を続ける。デイジーが売春を持ち掛けて客を恐喝をしていたことがわかる。
エドガーは情報源のギャリー・ワイズを汚職警官が殺したと疑い、おとり捜査に加わるが、対象の二人の刑事が殺される。ハイチ移民組織に潜入する麻薬捜査官ホーヴァンと協力して黒幕アヴリールを追う。
アーヴィングは市長選の選挙活動を始め、妊娠したジュンと結婚する。ジョンソンはアーヴィングがかつて同僚の取り調べを中止させたテープを聞いて困惑する。ホームレス問題の改善のために麻薬販売を取り締まる"歩道安全化作戦"をグレイスに指揮させる。
マディはチャンドラーの弁護士事務所でインターンとなり、看護師のアントニオと交際し始める。過去の判決を調べて不審点を見つけ、チャンドラーは冤罪で服役した男クロウに郡を訴えさせる。
医学物理士のスタンリー・ケントが妻アリシアを誘拐され、セシウムを渡すよう脅されたのちに殺される。ボッシュ、エドガーはFBIと共同捜査を始め、セシウムの行方を捜す。アリシアの証言から、コモン・ローだけを尊重しその他の法や政府を無視する極右の"ソブリン市民団"が疑われる。銃撃戦でソブリンの容疑者トラヴィス・ストラウトは死に、ソブリン内のFBI情報提供者も殺される。被爆火傷を負った不法移民の死体が発見され、セシウムは回収されて事件は解決したと思われる。だがボッシュはアリシアに不審を抱いて盗聴し、愛人のFBI捜査官マクスウェルと共謀して夫を殺しソブリンに罪を着せた容疑をかける。チャンドラーがアリシアを弁護して司法取引を引き出し、マクスウェルは逃走し相棒のリース捜査官に射殺される。チャンドラーがアリシアを弁護したため、マディはインターンを辞める。
6週間後、アリシアの公判が始まる。グレイスは統計のごまかしを指摘したために上司のクーパー警部から恨まれ、ヴェガ刑事への指導が不適切であるとして内部監査を受けるが乗り切る。アーヴィングは対立候補にテープを持ち出されて脅され、市長選から撤退し第三の候補を支持する。ボッシュはデイジー殺害犯を見つけ、多数の少女を誘拐して人身売買をしていたことを知る。少女たちを救うために、司法取引で刑を軽減せざるを得ない。エリザベスは自殺する。アヴリールは警察に協力して二人の刑事の殺害犯を逮捕させ、自分は検事との取引により追及を逃れながらギャリーの父親ドワイトを殺させる。エドガーはアヴリールを殺し正当防衛を主張する。トラヴィスの妻ヘザーはアリシアの公判で爆弾テロを仕掛けるが、ジョンソンとボッシュの機転で惨事は避けられる。マディはロースクールに行き検事を目指すことにする。
シーズン7のあらすじ
ハリウッド署のボッシュら殺人課は、放火事件と、詐欺事件に発する連続暗殺事件の両方の解決を迫られる。
エドガーはアヴリールを射殺した罪悪感に苦しむ。内務監査では軽い処罰で済むも生活は乱れ、しばしば捜査でミスを犯す。
2019年の大みそかのイーストハリウッドでヒスパニック住民の多く住むアパートの放火事件が起きて5人が死に、施錠された非常扉の前で死んだ少女ソニアが「タマレの少女」としてネットで話題となる。死んだ管理人は、麻薬を扱うギャングと対立していたことが分かる。ギャングを逮捕するも、幹部のラ・マヨリスタは拘置所で殺害され、実行犯のアルバレスはFBIに身柄を奪われる。放火を命じた幹部のペニャはFBIの情報提供者であるために手を出せない。FBIと取引をしたアーヴィングは捜査の終結を命じる。
マディはチャンドラーの事務所のインターンとして働く。チャンドラーは詐欺犯のヴィンセント・フランゼンの弁護を引き受ける。フランゼンは服役を避けるために、ヘッジ・ファンド経営者のカール・ロジャースによる巨額のインサイダー取引の情報と引き換えに司法取引を図る。殺し屋がフランゼンを暗殺してチャンドラーに重傷を負わせる。ボッシュはニュートン署のロバートソンと協力して捜査を行う。エドガーの失言のせいでマディも狙われ、大陪審で証言しようとするところを襲われる。エドガーの助けで殺し屋は倒されるが、ボッシュのガールフレンドのソベル判事が巻き添えになる。暗殺を仲介したロジャースの弁護士フォウクスも口封じに殺される。ロジャースに続いて殺し屋の元締めのダッツが逮捕される。
ハリウッド署の殺人課のウエスト管区への統合の予定が決まり、殺人課転属を望む刑事たちは右往左往する。殺人課を率いるビレッツ警部補は女性差別主義者の巡査たちから嫌がらせを受けて内務監査に訴える。ビレッツは折り合いの悪い上司のクーパー警部と巡査たちに陥れられるも、ヴェガが工作を暴いて彼らを逮捕する。
アーヴィングとジュンは早産した息子の世話に苦労する。新市長ロペスを支持したアーヴィングは本部長再任を望むも、ロペスは交代を画策する。FBIとの取引でロペスの疑惑に関する捜査資料を手に入れ、脅迫で再任を勝ち取る。
アーヴィングはビレッツを警部に昇進させてクーパーの後釜に据える。マディは市警の職に応募する。ビレッツは異動を発表し、エドガーは本庁の強盗殺人課、ボッシュとヴェガはウエスト管区の殺人課、ピアスはハリウッド署の夜間勤務に回される。FBIはペニャの情報で二つのギャング組織の一括検挙を図る。ペニャを許せないボッシュは現場からペニャを拉致して逮捕し、FBIの作戦を台無しにする。新聞記者にアーヴィングとFBIの取引をリークする。ソニアの父がペニャを殺して復讐する。ボッシュは警察に失望して辞職し、私立探偵となる。
Wikipedia(BOSCH/ボッシュ)
感想・その他
このドラマを観てから、主人公ハリー・ボッシュを演じるタイタス・ウェリヴァーのファンになりました。渋い声と落ち着いた立ち振る舞い、そして何よりも正義感の強さを体現する姿は、まさにボッシュそのものです。そんな彼を見ていて気になっていたのが、腕にあるタトゥーです。最初は役作りのための偽物なのかと思っていたのですが、よく考えると毎回描くのも大変ですし、特に物語の中で意味を持たされているわけでもない。そうなると「もしかして本物なのでは?」という疑問が湧いてきました。その答えを探すうちに、ついに役柄ではないタイタス本人の写真を目にすることができました。そこにははっきりとタトゥーが刻まれており、疑問は解消。やはり本物だったのです。ただ、正直に言えば「お世辞にもセンスが良いとは言い難いデザイン」で、思わず苦笑いしてしまいました。役柄の渋さとのギャップもまた、俳優タイタス・ウェリヴァーの人間味なのかもしれません。

そして、もう一人印象深いのが、ボッシュの娘マディーを演じるマディソン・リンツ。今回調べてみて初めて知ったのですが、彼女は大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』でキャロルの娘ソフィア役を演じていたそうです。シーズン1と2に登場し、ゾンビになってしまった少女といえば、確かに強く記憶に残っているキャラクターです。ただ、その子役がマディソン・リンツだったとはまったく気づきませんでした。
『ウォーキング・デッド』はシーズン9まではしっかりと観てきましたが、さすがにシーズン10で中断してしまいました。物語の展開が繰り返しのように感じられ、あの独特の緊張感にも慣れてしまったのです。そう考えると、マディソンが当時から演技の世界でキャリアを積み、今ではハリー・ボッシュの娘役として堂々と存在感を放っているのは感慨深いことだと感じます。
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