私的評価
NHK東日本大震災10年 特集ドラマ『あなたのそばで明日が笑う』を観ました。NHK総合で2021年3月6日午後7時半より放送されました。
主演が綾瀬はるかさんということで、これは何としても観なければと思いました。それに加えて、高良健吾さんや池松壮亮さんといった、私のお気に入りの俳優陣も出演しており、期待は大いに高まりました。しかし、正直に言うと、ドラマ全体の出来栄えとしては、少し物足りなさを感じました。
特に印象に残ったのがエンディングです。「離れていても一緒にいてください」という最後のセリフには、どうしても納得がいかず、少し肩透かしを食ったような気分になりました。出演者たちの演技や表情には引き込まれる部分も多く、震災の記憶や人々の絆を描こうとする意図は伝わってきたものの、ラストの表現が私には少し弱く感じられました。それでも、ドラマを通して改めて震災の重みや、支え合う人々の温かさを感じることができたのは事実です。
★★★☆☆
作品概要
原作・脚本は三浦直之。制作統括は磯智明(NHKドラマ番組部チーフ・プロデューサー)。
出演は綾瀬はるか、池松壮亮、高良健吾ほか。
主演には綾瀬はるかと池松壮亮。宮城県石巻市を舞台に、行方不明の夫を待ち続ける女性と震災を知らない建築士の心の触れ合いを描いています。建築士と出会い、家族に見守られて、また笑顔を取り戻すまでの心温まるストーリーです。
作品の紹介・あらすじ
宮城県石巻市の復興住宅で一人息子と暮らす真城蒼(綾瀬はるか)。一見、平凡な日々を過ごしている様に思えるが、震災の津波で行方不明になった夫の高臣(高良健吾)を待ち続けている。さらに、津波で夫と義母の浅子(阿川佐和子)が経営していた本屋兼自宅を失い、跡地は災害危険区域に指定。元の場所へ戻ることが出来ずにいる。
発生から10年。蒼は空き家をリノベーションして、本屋を再開させることを決める。その時、義妹・遥(土村芳)の紹介で、人付き合いが苦手な移住者の建築士・葉山瑛希(池松壮亮)と出会う。当初は性格や境遇の違いからすれ違う二人だったが、本屋を一緒に作るうちに互いに打ち解ける。二人は順調に見えたが、夫である高臣の存在が大きく、蒼も瑛希も踏み込むことが出来ずにいた。
Wikipedia(あなたのそばで明日が笑う)
感想・その他
高臣(高良健吾)が砂浜で探す婚約指輪って、普通は箱に入ってますよね。指輪を単体で持っていたんでしょうか。あの探しっぷりだと高臣は単体で持っていたようなんですが、高臣(高良健吾)が砂浜で婚約指輪を探すシーンですが、ふと思ったのは、あの指輪って普通は箱に入っているはずですよね。なのに高臣は指輪を単体で持っていたように見えます。あの必死の探しっぷりを見ていると、確かに単体で持っていたのでしょうが、どうやって落としてしまったのか気になって仕方ありません。もし箱から出して中を確認している最中に落としたのだとしたら、すぐに見つかりそうなものですが…。こうした些細なことが、ドラマの世界観とは別に私の頭を離れませんでした。また先日読んだ新聞の記事に載っていた写真には、2〜3メートルほど嵩上げして整地された土地に、ぽつんと建つ4階建てくらいのビルが写っていました。その嵩上げ具合がよく分かる写真で、ビルのオーナーは屋上の突起部分に避難して助かったものの、避難所に逃げたお母さんと弟さんは亡くなったということでした。そのビルは壊すことも考えられたそうですが、自分を救ってくれたビルとして残す決断をしたそうです。
このドラマの中でも、震災から10年経った今でもまだまだ復興中であることを思わせる風景が随所に映し出されています。私たち震災を知らない者にとっては「10年」という区切りも、被災者にとっては決して区切りではないのだと、改めて思い知らされました。
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