石原さとみ主演、新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』のあらすじ・感 想など

私的評価

テレビ東京の新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』を観ました。

私のお気に入りである岡田惠和さんの脚本ということで、期待に違わず間違いのない素晴らしい作品でした。物語の前半は「ゆり子の帰省のなぞ」という謎が提示され、視聴者の関心をぐっと引き付けます。私も画面に釘付けになり、先がどうなるのか気になって仕方ありませんでした。

謎が解き明かされた後は、一転して感情がぐっと揺さぶられ、涙なしでは観られない展開に。最後まで結末を完全には見せず、余韻を残す終わり方も非常に好感が持てました。また、ドラマのタイトルの付け方も絶妙で、観終えた後にじんわりと心に染み入ります。

物語の完成度が高く、感動の余韻を楽しむために、続けて2、3回は観たくなるドラマでした。最近は特にNHKとテレビ東京の番組ばかり観ている気がしますが、やはりこの両局は安心して楽しめる作品が多いと感じました。

★★★★☆

作品概要

脚本は岡田惠和。
演出は石橋冠。
制作はテレビ東京、ホリプロ。
出演は石原さとみ、寺尾聰、向井理、勝地涼、キムラ緑子、角野卓造ほか。

このドラマ『人生最高の贈りもの』は、脚本・岡田惠和のオリジナル作品です。テレビ東京新春ドラマスペシャルとして、2021年1月4日午後8より放送されました。114分の作品です。

作品の紹介・あらすじ

東京・豊島区。鬼子母神堂の裏手に佇む小さな洋館に、元大学講師の翻訳家・笹井亮介(寺尾聰)は暮らしている。妻に先立たれ一人暮らしとなった今は、家事も料理も完璧にこなすが、仕事は自由奔放。〆切を守らない亮介に、担当編集者・野村(勝地涼)はいつも隣で頭を抱えていた。さらに近所に住む原口光代(キムラ緑子)は、亡き妻から「主人をよろしく」と頼まれたのを口実に、毎日勝手に家に上がり込んでいる。
一方、亮介の一人娘・ゆり子(石原さとみ)は、長野県安曇野ののどかな町で、亮介の元教え子で教師の夫・田渕繁行(向井理)と暮らしていた。ところがある日、ゆり子が父のもとに帰ってくる。連絡もなく突然の帰省に驚く亮介は理由を尋ねるが、ゆり子は一切語ろうとしない。わかったのは家にいる期間を決めていないということだけだった。これまで「父と娘」の会話をろくにしてこなかったため、二人の間にはぎこちない雰囲気が漂う。こうして始まった父と娘の2人暮らし。緊張しつつも温かく穏やかに過ぎていくが…。

TV東京

感想・その他

なぜか今まで毛嫌いしていた石原さとみさん。これまで彼女のドラマや映画をあまり観てこなかったのですが、私の中では高飛車で生意気な女性の役が多い印象がありました。おそらく、そうした演技がどうにも肌に合わず、好きになれなかったのだと思います。しかし、よく考えてみればそれはあくまで演技であり、役柄に文句を言って毛嫌いするのも、彼女にとっては少し不公平な話です。

実際のところ、私が綾瀬はるかファンであることも、石原さとみさんに対する偏見の一因かもしれません。「ファンだからこそ、石原さとみには負けてほしくない」という感情が、知らず知らずのうちに毛嫌いを助長していたのでしょう。

ところが、このドラマでは、石原さとみさんは役どころにぴったりはまり、「あれっ、石原さとみも結構いいぞ」と思わせてくれました。結婚もされて落ち着いた印象ですし、これを機に毛嫌いするのはやめようと思います。

ただ一つ気になったのは、ドラマの中での酒焼けしたような声。普段の彼女のイメージとは少し違うその声が、役作りなのか演出なのか、それとも偶然なのか――いずれにせよ、少し違和感を覚えつつも、彼女の演技の幅の広さを改めて感じた次第です。

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