西島秀俊主演、NHK土曜ドラマ『ノースライト』のあらすじ・感想など

私的評価

NHK土曜ドラマ『ノースライト』を観ました。
NHK総合で2020年12月12日と12月19日に放送されました。

NHKのドラマで、原作が横山秀夫、主演が西島秀俊という布陣なら、観ない手はありません。原作はまだ読んでいませんが、ドラマは私の期待を裏切らず、見応えのある仕上がりでした。

前編では「失踪家族はどこへ消えたのか」というミステリアスな設定で、視聴者の好奇心を強く引き付けます。登場人物たちの心理描写や、街の雰囲気、細やかな演出が絶妙で、謎の提示だけでなく物語に自然に引き込まれました。後編では少しずつ謎が解き明かされ、伏線の回収も丁寧に行われています。

特に印象的だったのは、最後の結末です。単なる謎解きではなく、人間の温かさや家族の絆に触れ、観終えた後にとても穏やかな気持ちになれました。緊張感のあるミステリーと、心に残るヒューマンドラマの両方を楽しめる、充実した2夜連続ドラマでした。

★★★★☆

作品概要

原作は横山秀夫の同名小説。
制作統括は佐野元彦(NHKエンタープライズ)。
脚本は大森寿美男。
出演は西島秀俊、北村一輝、田中麗奈、宮沢りえ、伊藤淳史ほか。

『ノースライト』は、横山秀夫の長編推理小説。旅行雑誌『旅』(新潮社)2004年5月号から2006年2月号に連載、大幅な加筆修正を経て新潮社より2019年2月22日に刊行された。主人公の建築士が自分の設計した家にブルーノ・タウトゆかりの椅子を残し姿を消した一家の謎を追うミステリー。
NHK総合「土曜ドラマ」にて西島秀俊主演でテレビドラマ化され、2020年12月12日と12月19日に放送された。

Wikipedia(ノースライト)

作品の紹介・あらすじ

主人公の青瀬稔は、大学の同級生で友達の岡嶋が経営する建築設計事務所に勤める一級建築士。バブル崩壊後に建築士としての挫折を味わい、それから立ち直れずにいた。そんな青瀬のもとにある日、吉野という夫婦からちょっと風変わりな依頼が舞い込む。それは「あなた自身が住みたい家を建ててください」というこの依頼。ふたたび建築への情熱を取り戻した青瀬は、北側から差し込む柔らかな光(ノースライト)を取り入れた家「Y邸」を完成させた。Y邸は建築雑誌でも紹介され、彼の代表作となるのだが…。やがてY邸が「空き家」となっていると聞いた青瀬は、建築先の信濃追分へ車を走らせた。望まれて設計し、施主の一家も喜んでいたY邸は無人だった。そこに越してきた形跡はなく、ただ一つ、浅間山を望むように「タウトの椅子」が置かれていた…。このY邸でいったい何が起きたのか?吉野一家はどこへ消えたのか?

感想・その他

主人公・青瀬の元妻役で出演しているのが宮沢えりさんです。彼女は1973年生まれの47歳。画面に登場した瞬間、「もうそんな年齢になったのか」としみじみ感じましたが、よく考えてみれば、私とはわずか10歳違い。意外に身近な年齢であることに少し驚きました。

宮沢えりさんと言えば、私がまだ20代前半だった頃に『とんねるずのみなさんのおかげです。』で観た10代の彼女が鮮明に思い出されます。当時の初々しい姿から比べると、確かに時の流れを感じますが、それでも変わらぬ存在感が画面から伝わってきます。

映画『たそがれ清兵衛』の役柄や、今回のドラマで演じる静かで芯の強い女性像は、現在の宮沢えりさんに非常によく合っていると思います。落ち着きと気品を感じさせながらも、内に秘めた強さが画面越しに伝わるのです。

一方で、お相撲さんとの婚約発表の頃の彼女を思い出すと、その健康的で生命力にあふれた美しさも印象的でした。現在の落ち着いた魅力と、あの頃の華やかさを重ね合わせると、改めて彼女の多面性と長年の魅力を感じずにはいられません。

コメント