ブルース・ウィリス出演、映画『THE LAW 刑事の掟』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『THE LAW 刑事の掟』を観ました。
レンタルDVDでの鑑賞です。

原題は『Trauma Center』。直訳すれば「外傷センター」となり、まさに物語の舞台となる病院を指しています。ところが邦題では『THE LAW 刑事の掟』と、いかにもハードボイルドな響きになっているのですが、実際の映画からは「法」や「掟」といった強烈なメッセージ性はあまり感じられませんでした。むしろ、原題どおり「外傷センター」や「緊急病院」といったシンプルなタイトルのほうがしっくりきます。内容的には「閉鎖病棟」とでも言ったほうが雰囲気が伝わるかもしれません。

物語は、病院という限られた空間の中で繰り広げられるサスペンス。夜の病院に取り残されたヒロインが、命を狙う武装犯から逃げ回り、そこに老練な刑事が絡んでいくという展開です。設定としてはよくあるシチュエーション・スリラーですが、舞台が病院ということで、暗い廊下や閉ざされた病室が緊張感を高め、観ている側も手に汗を握らされます。

全体としてはツッコミどころも多く、「どうしてそこでそうなるの?」と首をひねる場面も少なくありません。また、大きなどんでん返しや意外性に富んだ展開があるわけでもなく、ストーリー自体はかなり直線的です。しかし、それでも「先が気になってつい観続けてしまう」力があり、B級サスペンス映画としては十分に楽しめる仕上がりでした。派手さはなくても、ハラハラ・ドキドキの連続を味わいたい人には悪くない一本だと思います。

★★☆☆☆

作品概要

監督はマット・エスカンダリ。
脚本はポール・ダ・シルバ。
出演はニッキー・ウィーラン、ブルース・ウィリス他。
病院を舞台に悪徳刑事から逃れる女目撃者と彼女を守ろうとする刑事の活躍を描く、2019年のアメリカのクライムアクション映画です。

作品の紹介・あらすじ

解説
『ダイ・ハード』シリーズなどのブルース・ウィリスらが出演したアクションスリラー。ある殺人事件の目撃者が入院する病院を舞台に、自らの犯罪をもみ消そうとする悪徳警官に立ち向かう刑事の奮闘を描く。『プール』などのマット・エスカンダリがメガホンを取り、『ダブル/フェイス』などのニッキー・ウィーラン、『ポリスアカデミー』シリーズなどのスティーヴ・グッテンバーグ、『10ミニッツ』でブルースと共演したララ・ケントらが出演する。

あらすじ
ある日、スティーブ・ウェイクス警部補(ブルース・ウィリス)の同僚が殺害され、事件を目撃したウエイトレスのマディソン(ニッキー・ウィーラン)も銃撃戦に巻き込まれ負傷する。捜査に当たるスティーブは、警察の銃が使用されていたことから警察内の組織的な犯罪に気付くが、証拠の銃弾は入院中のマディソンの体内に残されていた。彼女の命を狙う汚職警官たちのたくらみを阻止すべく、スティーブは一人で病院に乗り込んでいく。

シネマトゥデイ

感想・その他

メインで登場する二人組の悪い警官は、ありがちなパターンです。一人は感情に任せて突っ走る「おバカさん」、もう一人はそれをなだめつつ頭を使う冷静派。彼らは誰にも邪魔されない封鎖された病院内で、太ももを撃たれ、銃弾が体内に残る女性を探し出して殺そうとします。

女性は傷口から大量に出血しており、靴下まで血に染まっています。視聴者としては「血痕で居場所がバレるぞ!」とハラハラしますが、なぜか歩いた後の廊下はきれいなまま。私たちの心配は、映画の中ではまったく無用でした。

さらに、この二人の警官は女性を追い詰めるも、何度となく撃退され、あるいは逃げられてしまいます。「オレが代わりに捕まえてやる!」と言いたくなるほどの体たらくで、思わず笑ってしまいました。

ブルース・ウィリス演じるスティーブ・ウェイクス警部補は、マシンガンを持った二人の警官に銃撃されますが、動きは決して素早くはありません。クルマの陰に身を隠し、そこから拳銃で応戦。結局、その二人を見事に撃退(射殺)してしまいます。正直、「オレなら絶対にブルースを仕留められた」と口に出したくなる場面です。

このように突っ込みどころ満載の映画で、ある意味で楽しめます。

ただし、ブルース・ウィリスの登場はいつになるのか、観客はじっと待たされます。最近の出演作同様、出番を出し惜しみしている感は否めません。出番は少なく、アクションシーンもわずかで、しかも『ダイ・ハード』で見せたキレのある動きとは程遠い。年齢を考えれば仕方ありませんが、あの頃のブルース・ウィリスを知っているだけに、やや寂しさを感じざるを得ません。

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