竹内結子・中村獅童主演、映画『いま、会いにゆきます』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『いま、会いにゆきます』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

竹内結子さんの件もあり、久しぶりにこの映画を観ました。この映画を観るのは、もう何回目でしょうか。好きなんですこの映画。いい年した爺さんが気持ち悪いぜ、と思われようが好きなものは仕方ない。岡田惠和さんの脚本が性に合っているんでしょうね。この方のテレビドラマや映画は割と好きな作品が多いです。

タイトルの『いま、会いにゆきます』はよく考えられています。何回観ても良い映画ですが、今回は特に心に沁みました。

★★★★☆

作品概要

監督は土井裕泰。
脚本は岡田惠和。
原作は市川拓司の『いま、会いにゆきます』(小学館刊)です。
出演は竹内結子、中村獅童、武井証、浅利陽介、大塚ちひろほか。

市川拓司の原作小説である『いま、会いにゆきます』は、2003年3月に発売されて以来、異例と言えるロングセールスを続け、1年余りで発行部数30万部の大ヒット小説となりました。

作品の紹介・あらすじ

解説
死んだはずの妻と再会し、奇妙な共同生活を送るという同名小説の映画化。監督は「ビューティフルライフ」や「GOOD LUCK!!」など数々のヒットドラマをてがけた土井裕泰。主演にはドラマや映画で引っ張りだこの竹内結子が初の母親役に挑み、その夫を歌舞伎界の革命児こと中村獅童が扮する。シンプルでまっすぐな家族愛に目頭が熱くなること必見の感動作。

あらすじ
秋穂巧(中村獅童)は妻の澪(竹内結子)に先立たれ、1人息子の佑司(武井証)とつつましく暮らしていた。ある雨の日、妻にそっくりの女性が現れるが、彼女は記憶喪失だという。

シネマトゥデイ

感想・その他

物語そのものの温かさや切なさに胸を打たれましたが、なかでも印象に残ったのは澪の高校生時代を演じていた大塚ちひろさんです。実はそれまで名前すら知らなかった女優さんだったのですが、彼女の演技を見て「この人はいいな」と素直に思い、すっかりファンになってしまいました。澄んだ表情の中に、どこか芯の強さを感じさせる佇まい。大げさに感情を表さずとも、視線や声の抑揚で役柄の心情を観客に伝えてくれる力を持っている女優さんだと感じます。 過去の出演作を振り返ると、『ヤンキー母校に帰る』や『白夜行』、そしてWOWOWの『空飛ぶタイヤ』などに出ていたそうですが、当時の私は彼女に強く注目していなかったのか、正直なところ記憶がほとんど残っていません。けれども、こうして改めて存在を知った今となっては、もう一度彼女を探すような気持ちで作品を観直したくなります。Amazonプライムビデオで『白夜行』が配信されているので、近いうちに彼女の演技を確かめたいと思っています。さらに調べてみると、彼女の旦那さんは俳優の鈴木浩介さんで、妹さんは北村一輝主演の「疫病神」シリーズに出演していた山下リオさんだと知り、芸能一家のような背景にも驚かされました。

そしてこの映画を観て、改めて強く心に残ったのは竹内結子さんの存在です。彼女がスクリーンに現れるたび、その透明感に目を奪われました。特にラスト近く、ひまわり畑のシーンで見せた笑顔とたたずまいは、まるで陽光そのものを映したかのように神々しく、言葉を失うほどの美しさでした。あの場面を思い返すたび、彼女という女優の持つ唯一無二の輝きを再認識せずにはいられません。

ただ同時に、その美しさの陰に本人にしか分からない「なにか」があったのだろうと思わずにはいられません。外から見れば完璧に見える人でも、心の奥に深い孤独や苦しみを抱えていることがあるのだと、彼女の早すぎる死が教えてくれます。死を選ぶほどの「なにか」とは何なのか――それは永遠にわからないままですが、だからこそ返す返すも彼女の死は惜しまれてなりません。心からご冥福を祈るとともに、彼女が残してくれた作品の数々をこれからも大切に観続けていきたいと思います。

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