私的評価
映画『ミッドウェイ 運命の海』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
正直に言うと、私はてっきり豊川悦司が出演しているローランド・エメリッヒ監督の映画『ミッドウェイ』だと思い込んでいました。DVDのメニュー画面に表示された絵(アイキャッチ画像参照)を見た時に「あれっ?」と違和感を覚えつつも、本編を再生すると、いきなり日本の空母が撃沈される場面から始まり、やはり何かがおかしいと気づきました。
この映画を借りてきてくれたのは、戦争映画好きの私のために妻が選んでくれたものでした。しかし、私の勘違いで、ローランド・エメリッヒ監督の『ミッドウェイ』は公開されたばかりで、DVD化はまだされていなかったのです。要するに、私が観たのは別の作品だったというわけです。
内容については、戦争映画のようで戦争映画ではない、ある種「海洋漂流モノ」の要素を強く感じる作品でした。戦闘や戦略の描写はあるものの、焦点は兵士たちの漂流やサバイバルに置かれており、戦争映画としての硬派な迫力よりも、人間ドラマやサバイバル体験を重視した構成になっています。戦争映画ファンとしては少し物足りなさを感じますが、海の緊張感や人間模様を描いた作品として楽しむことはできました。
★☆☆☆☆
作品概要
監督はマイク・フィリップス。脚本はアダム・クライン。
製作はマイク・フィリップス、 アダム・クレイン、 ジェイソン・ニューフィールド。
出演はジャド・ネルソン、C・トーマス・ハウエルほか。
海上に不時着した急降下爆撃機(ドーントレス)の乗組員の運命は如何に…。2019年制作のアメリカの戦争アクション映画(?)です。
作品の紹介・あらすじ
解説
太平洋戦争のその後の情勢に大きな影響を及ぼしたとされるミッドウェイ海戦を題材にした戦争ドラマ。海に不時着したアメリカ軍パイロットたちと救助部隊の姿を描く。メガホンを取るのは、VFXにも携ってきた『FLYING FORTRESS フライング・フォートレス』などのマイク・フィリップス。『タワー・オブ・ザ・デッド』などのジャド・ネルソン、『ハンティング・ゲーム』などのC・トーマス・ハウエルのほか、ジェイド・ワイリーらが出演する。
あらすじ
日本軍が真珠湾を攻撃してから半年後、アメリカ軍と日本軍がミッドウェイで激突。空母エンタープライズからアメリカ軍の急降下爆撃機隊が発艦し、日本軍艦隊・空母の加賀、蒼龍、赤城を次々と攻撃する。ところが、ノーマンが操縦していたドーントレス爆撃機が零戦の猛反撃を受け海に不時着してしまう。漂流するノーマンと副操縦士リーを救い出そうとベネットら救助部隊が動き出すが、敵機が飛び交っていた。
シネマトゥデイ
感想・その他
日本艦隊を攻撃した後、護衛の零戦に追撃され、救難信号を発したのち海上に不時着した急降下爆撃機ドーントレスの搭乗員二人。ここまでは実際の出来事であり、その事実は映画のラストで明かされます。物語はそこから、彼らが救助を待ちながら漂流する姿を最後まで描き続けます。この映画を通して、当時のアメリカ爆撃機(二人乗り)が救命キットや救命筏を備えていたことを知りました(劇中では、飛行機が沈んでしまい取り出せませんでしたが)。アメリカは搭乗員を大切にするのだと感じましたが、調べてみると日本の攻撃機や戦闘機にも同様の装備はあったそうです。ただし零戦のパラシュートは座席のクッションも兼ねており、長距離出撃ではその上で用を足すため実際には使用不能、つまり不要とされていた、と読んだ本に書いてあった記憶があります。当時の日本人搭乗員にとって「救命」とは現実的な意味を持たなかったのかもしれません。
話が少し逸れましたが、海に2、3日も体ひとつで漂う心境とはどれほど過酷なものか。気力を失った主人公は拳銃で自ら命を絶とうとしますが、弾丸は発射されませんでした。その後、彼らは幸運にも救命飛行艇に発見されます。視聴者も胸をなで下ろした、その直後に――。
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