私的評価
映画『ザ・ビースト』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
主演はニコラス・ケイジ。正直、彼の出演作は当たり外れが極端で、観る前から少し身構えていましたが、本作は「まあまあ楽しめる」部類に入ると感じました。ストーリー自体はシンプルで、舞台はほぼ船内。そこでホワイトジャガーが逃げ出すという展開になるのですが、この時点で大まかな結末は予想できてしまい、驚きや緊張感という意味では物足りなさを覚えました。
特に残念だったのは、そのホワイトジャガーのCG処理です。リアリティが乏しく、安っぽい質感が目立ち、せっかくの題材が一気にチープに見えてしまったのは否めません。ただ、逆に「B級感」と割り切ってしまえば、これはこれで一つの味わいとも言えるかもしれません。
上映時間は96分と比較的短く、テンポも悪くないので、頭を空っぽにして気軽に楽しむにはちょうど良い作品です。深く考えず、暇つぶし感覚で観るには悪くありません。評価としては、少し甘めに見積もって3点をつけたいと思います。
★★★☆☆
作品概要
監督はニコラス・パウエル。脚本はリチャード・レダー。
制作はボビー・ランゲロフ、ブレット・サクソン他。
出演はニコラス・ケイジ、ファムケ・ヤンセン、ケビン・デュランドほか。
2019年制作のアメリカ合衆国のアクション映画です。
作品の紹介・あらすじ
解説
ニコラス・ケイジが猛獣ハンターを演じたアクションサスペンス。主人公がテロリストやおりから放たれた猛獣を相手に死闘を繰り広げる。メガホンを取るのは『ザ・レジェンド』などのニコラス・パウエル。『X-MEN』シリーズなどのファムケ・ヤンセン、ドラマシリーズ「ストレイン」などのケヴィン・デュランドのほか、マイケル・インペリオリ、ラモニカ・ギャレットらが共演する。
あらすじ
ブラジルの密林で稀少なホワイトジャガーを捕獲したフランクは、貨物船のミマー号に乗り込みプエルトリコに向かう。この船の独房には、アメリカ情報部に逮捕されたテロリストのラフラーが収監されていた。ミマー号がカリブ海を航行する中、ラフラーが監視員を殺害して逃亡しホワイトジャガーやアナコンダのおりを破壊してしまう。フランクは医者のエレンと一緒に、元特殊部隊の暗殺者だったラフラーとどう猛なホワイトジャガーに挑む。
シネマトゥデイ
感想・その他
役作りなのか、単なる怠慢なのか…。スクリーンに映るニコラス・ケイジのお腹が、なんとも言えないぽっこり具合なんです。いやいや、お腹だけではなく、全体的に体が緩んでいるように見えてしまう。アクション映画の主演とは思えないほど、どこか「おじさん感」が漂っています。ただ考えてみれば、これだけ数多くの映画出演オファーが途切れず、毎年コンスタントに出演し続けている彼にとって、いちいち役柄ごとに体を絞ったり筋肉を仕上げたりするのは、もはや現実的ではないのかもしれません。むしろ「来た依頼は基本断らない」という、彼ならではのポリシーの表れとも受け取れる。そこにあるのは怠慢ではなく、“役者魂”の別のかたちなのかもしれません。そう思うと、このぽっこりお腹さえも「ニコラス・ケイジの味」として楽しめる気がします。
一方で、出演者の中で紅一点だったファムケ・ヤンセン。テカテカとした不自然な顔立ちは、まるでヒアルロン酸を限界まで注入したような印象です。彼女は私と同い年の56歳(2020年時点)。年齢を重ねることの切実さや、女性としての葛藤は痛いほど理解できるつもりですが、それでも「ちょっとやりすぎでは?」と感じざるを得ませんでした。
思えば、最近テレビで見た大食い番組の人気アイドル「もえあず」さんも、どこか似たような表情をしており、見ているこちらが心配になるほどの不自然さ。女性には女性なりの、我々男には到底理解できない「飽くなき美への追求」があるのでしょう。しかしやはり、自然体で、歳相応の魅力をそのまま受け入れる方が、ずっと素敵に映るのではないか――そう強く思わされる場面でした。
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