ブルース・ウィリス出演、映画『10ミニッツ』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『10ミニッツ』を観ました。
レンタルDVDでの鑑賞です。

正直に言うと、決してつまらなくはないのですが、ブルース・ウィリスが出演している割には、全体的に締まりに欠ける印象を受けました。特に残念だったのは、物語の前半の段階で、真犯人がほぼ予想できてしまったことです。画面に映る人物の描写や行動パターンから、「あ、こいつが犯人だな」とすぐに想像できてしまい、サスペンスとしてのドキドキ感が薄れてしまいました。

その一方で、主人公フランク(マイケル・チクリス)が事件解決に奮闘する様子も描かれていますが、いかんせんポンコツぶりが目立ち、観ていてやや歯がゆい部分もあります。キャラクターとしての魅力はあるのですが、サスペンスとしての緊張感を維持するには少し物足りなさが残ります。

全体的には、深く考えずに楽しめる娯楽作品です。ちょっとした時間つぶしや、軽くお菓子でも食べながら観るにはちょうどよい映画といえるでしょう。派手なアクションや重厚なサスペンスを期待すると肩透かしを食らいますが、気楽に楽しむ分には十分です。

★★☆☆☆

作品概要

監督はブライアン・A・ミラー。
脚本はケルヴィン・マオ、ジェフ・ジングル。
制作はティモシー・C・サリヴァンほか。
出演はマイケル・チクリス、ブルース・ウィリスほか。

2019年制作のアメリカのアクション映画です。

作品の紹介・あらすじ

解説
「ファンタスティック・フォー」シリーズのマイケル・チクリス主演、ブルース・ウィリス共演によるクライムアクション。フランクと弟ジョーは銀行強盗に加担するが失敗に終わり、フランクが意識を失った10分の間にジョーが何者かに射殺されてしまう。フランクは誰が敵か味方かもわからないまま、弟の死の真相を探りはじめる。一方、銀行強盗の黒幕レックスは、自らの手下たちを使って事態の収拾に乗り出すが……。監督は「コードネーム:プリンス」「デス・ショット」など、近年のウィリス出演作を数多く手がけるブライアン・A・ミラー。「のむコレ3」(2019年11月15日~/東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品。

映画.com

感想・その他

ブルース・ウィリスはこの作品で主役ではなく、あくまでチョイ役での出演です。近年のブルースは、このような小規模な出演作が増えており、しかも悪役として登場することが多い印象があります。今回の映画では悪役ではありませんが、それでも大した役どころではなく、セリフや見せ場も限定的です。それでもおそらく、彼が作品内で最も高額なギャラを持っていくのでしょうね。

主人公はマイケル・チクリスという俳優で、『ファンタスティック・フォー』シリーズでは岩男を演じています。私はアメリカのヒーロー映画をあまり観ないので彼を知りませんでしたが、その風貌や体格からは「主役」というイメージは正直なところ湧きにくい人物です。ちなみに出演時は55歳と考えられますが、見た目はずっと若く、とても私の一つ先輩とは思えませんでした。

映画のクライマックスは空港での派手な銃撃戦です。空港というセキュリティがしっかりしていそうな場所で、拳銃を持った人間が走り回りながら撃ち合うという展開には、思わず目を見張ります。しかし、警察がまったく介入してこないのは現実感を大きく損なっています。映画なのである程度の誇張は仕方ありませんが、すべてが解決した後にようやく警察が登場するシーンには、さすがに「ちょっといただけない」と思わざるを得ません。

さらに、この映画で印象的なのはブルース・ウィリスの女性部下。彼女は凄腕の殺し屋として描かれており、あのような手下がいれば百人力です。映画としてのエンタメ要素は強く、アクションやキャラクターの派手さを楽しむ分には十分見応えがあります。

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