私的評価
映画『フォルトゥナの瞳』を観ました。レンタルビデオでの鑑賞です。
「ラブストーリー的なものだろう」と期待して妻が借りてきたのですが、いざ観始めてみると、彼女は途中で大きな鼾をかきながら夢の世界へ…。結局、最後まで真剣に画面に釘付けになっていたのは私の方でした。
人の“死の運命”が見えてしまうという不思議な力を持った青年の葛藤を描いた物語。単なる恋愛映画というよりも、ファンタジー要素と人間ドラマが混ざり合った作品で、ラストに向けての盛り上がりがとても良かったです。特に後半はテンポが加速し、主人公の選択や運命に胸を締めつけられるような感覚を覚えました。観終わったあともしばらく余韻が残り、「愛とは何か」「生きるとはどういうことか」を考えさせられる一作でした。
嫁にとっては心地よい睡眠導入剤になってしまったようですが、私にとっては意外な拾い物の映画。ラブストーリーとしてだけでなく、運命や生と死に対する切実な問いかけが込められた作品だったと思います。
★★★☆☆
作品概要
監督は三木孝浩。脚本は三木孝浩、坂口理子。
原作は百田尚樹の『フォルトゥナの瞳』。
製作は臼井央、春名慶ほか。
出演は神木隆之介、有村架純、志尊淳、DAIGO、北村有起哉、時任三郎、斉藤由貴ほか。
2019年の日本映画です。他人の死が見えてしまうという不思議な力を持ってしまった青年が、最愛の女性の「死」に立ち向かう姿を描いた百田尚樹の同名小説を、神木隆之介と有村架純の共演しました。監督は『僕等がいた』の三木孝浩です。
作品の紹介・あらすじ
解説
「永遠の0」「海賊とよばれた男」などで知られる作家・百田尚樹の恋愛小説を映画化。死を目前にした人間がわかる青年が、大切な女性の死の運命が見えてしまったことで苦悩する。主人公には『バクマン。』などの神木隆之介、ヒロインに『3月のライオン』シリーズなどで神木と共演してきた有村架純。『坂道のアポロン』などの三木孝浩が監督、『メアリと魔女の花』などの坂口理子が脚本を務めた。
あらすじ
幼いころに飛行機事故で家族を亡くした木山慎一郎(神木隆之介)は、仕事一筋に生きてきた。しかし、死が近い人が透けて見えることに気付いた彼は、自らの不思議な力に悩む。ある日、慎一郎は明るく率直な女性・桐生葵(有村架純)と出会い、二人は付き合い始めるが、葵の体が透けてくる。
シネマトゥデイ
感想・その他
原作があの百田尚樹さんと知ったとき、この映画を観る前は正直なところ違和感でいっぱいでした。私が知っている彼の作品といえば、映画化もされた『永遠の0』や『海賊とよばれた男』くらいで、重厚な歴史や社会を扱った作品という印象が強かったからです。「こんな恋愛ものを百田さんが書いたのか」と不思議に思いました。ところが、観終わってみて気付いたのは、どの作品にも一貫して流れているのは「無私の心」だということでした。題材は違えど、根底にあるテーマは同じなのだと感じました。さて、有村架純さんのことはいったん置いておき、今回は斉藤由貴さんについて。彼女は昭和41年生まれとのことですが、その年齢を感じさせないほど今も美しく、むしろ若い頃よりも大人の魅力が増しているように思います。ただ、その一方で「恋多き魔性の女」としてスキャンダラスな話題に事欠かない方でもあります。尾崎豊さん、川崎麻世さんとの不倫、さらに近年ではかかりつけ医との「ダブル不倫報道」など、なかなか破天荒で自由奔放な一面も持っています。
普通なら致命的になりかねない騒動も、彼女の場合は不思議と致命傷にならず、最近でも映画『空母いぶき』をはじめ、映像作品でよく目にします。不倫報道の直後こそNHK大河ドラマの降板やCM契約の打ち切りといったペナルティはあったものの、世間の受け止めは意外と寛容だったように思います。私自身、たとえば矢口真里さんの騒動には「ちょっと許せない」と感じた一方で、斉藤由貴さんに対しては「まあ、そういう人なんだろうな」とどこか納得してしまう不思議な感覚があります。これこそが彼女の持つ独特の魅力であり、ある意味で「斉藤由貴らしさ」なのかもしれません。
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