私的評価
映画『ザ・フォーリナー/復讐者』を観ました。レンタルDVDでの鑑賞です。
この映画の魅力は、アクションだけでなく、演技派俳優としてのジャッキー・チェンの存在感を存分に楽しめるところです。ストーリー自体は、爆発テロに巻き込まれて命を落とした娘への復讐劇という、よくあるパターンではあります。しかし、中盤以降はテンポがよく、ジャッキーの迫真の演技と緊迫感のある展開に引き込まれ、思わず手に汗握る時間を過ごせます。
とはいえ、この映画に限ったことではありませんが、ジャッキー演じる主人公が元特殊部隊の工作員だからといっても、あの超人的な行動が本当に可能なのか、とつい考えてしまいます。それでも、映画としての爽快感や緊張感を損なうわけではなく、「あくまで映画」と割り切って楽しむことができます。
アクション映画としても人間ドラマとしても、ジャッキー・チェンの新たな一面が見られる作品で、観る価値のある映画でした。
★★★★☆
作品概要
監督はマーティン・キャンベル。脚本はデヴィッド・マルコーニ。
原作はスティーブン・レザーの「チャイナマン」。
製作はジャッキー・チェンほか。
出演はジャッキー・チェン、ピアース・ブロスナンです。
2017年のイギリス・中国・アメリカ合衆国合作のアクション・スリラー映画です。
作品の紹介・あらすじ
解説
アジアのアクションスター、ジャッキー・チェンが製作と主演を兼任したサスペンスアクション。元特殊部隊員の男が、テロで亡くなった娘の復讐(ふくしゅう)を果たそうと、事件の裏に隠された真相に近づく。メガホンを取るのは『007』シリーズなどのマーティン・キャンベル。『マンマ・ミーア!』シリーズや、キャンベル監督と組んだ『007/ゴールデンアイ』のピアース・ブロスナンらが共演する。脚本は『エネミー・オブ・アメリカ』などのデヴィッド・マルコーニ。
あらすじ
クァン・ノク・ミン(ジャッキー・チェン)は、特殊部隊に所属していた過去を封印し、ロンドンでレストランを経営していた。高校生になる娘の成長を見守っていたが、彼女は無差別テロによって命を落としてしまう。憤怒に駆られた彼は、特殊部隊時代に培ったスキルを駆使して犯人を捜し出し、リベンジしようと決意する。調査を進めていくと、北アイルランドの副首相リーアム・ヘネシー(ピアース・ブロスナン)の存在が浮かび上がる。
シネマトゥデイ
感想・その他
この映画は、ジャッキー・チェンのシリアス映画です。私が観た中で、ジャッキーの笑顔が無い映画は初めてかもしれない。映画冒頭のジャッキーは、腰も曲がったお爺さんに見えるんです。演技でそうしているとは思いますが、映画『プロジェクトA』を映画館で観た私からすると、少なからずショックを覚えました。しかし、元特殊部隊の工作員だったという昔取った杵柄で、だんだんと覚醒していくジャッキーは顔つきが変わり、腰もピンと伸びてきます。そして、ジャッキーと対決する北アイルランドの副首相ヘネシーを演じるのは、ピアース・ブロスナンです。みなさんご存知の5代目ジェームズ・ボンドの俳優さんです(実際のところ、私はロジャー・ムーア辺りの007シリーズしか観ていません)。監督が007シーリーズも撮っているマーティン・キャンベルとくれば、この配役も頷けます。このピアース・ブロスナンの出演作をざっと見ましたが、実のところ映画『ダンテズ・ピーク』しかありませんでした。
そして驚いたことにこの映画に、現在公開されているターミネーターシリーズのリンダ・ハミルトンが出演していたことです。
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