ジョヴァンニ・リビシ主演、海外連続ドラマ『スニーキー・ピート』のあらす じ・感想など

私的評価

Amazonプライムオリジナルドラマ『スニーキー・ピート』シーズン1を観ました。
全10話、Amazonプライムビデオでの視聴です。

最初の数話を観ていると、正直少々かったるく感じ、眠気を催すことさえありました。「このまま続きを観るのをやめようか」と思うくらい、序盤はじっくりと人物関係や設定の紹介に時間を割いている印象です。しかし、物語が中盤を過ぎるあたりから、一気に面白さが加速していきます。伏線が次々と張られ、キャラクターたちの思惑や裏切りが明らかになってくると、気づけば画面に釘付けになっていました。

特に最後の数話は怒涛の展開で、手に汗握ること必至です。予想もしなかった展開や緊迫した心理戦が連続し、視聴者として「次はどうなるのか」と夢中になってしまいます。そしてラストシーン。思わず「あっ!」と声を上げてしまうような衝撃的な結末が待っていました。ここで「めでたし、めでたし」と終わるのではなく、見事にシーズン2への布石を残しているのがまた憎い演出です。

このシーズン1を観終えた今、シーズン2が待ちきれません。序盤のやや退屈に感じる時間を乗り越えれば、その後の怒涛の展開が待っているという点で、長編ドラマの醍醐味を存分に味わえる作品だと思います。キャラクターの裏表や心理戦、巧妙に張り巡らされた伏線を追いかける楽しさもあり、サスペンス好きには特におすすめです。

★★★★☆

作品概要

監督はマイケル・ディナー、アダム・アーキン、ローラ・イネス、サラ・ピア・アンダーソン。
脚本はブライアン・クランストン、デイヴィッド・ショア、アイアン・マクドナルドほか。
製作総指揮/企画はブライアン・クランストン、デイヴィッド・ショアです。
出演はジョヴァンニ・リビシ、マリン・アイルランド、シェーン・マクレーほか。

2019年7月5日現在、シーズン3まで、Amazonビデオでプライム会員は無料で観られます。全10話。詐欺師マリウスは刑務所から釈放されるが、借金を負うギャングから逃れるために牢仲間のピート・マーフィーの名前を偽る。保釈金立替業を営むピートの家族に関わり愛着を覚えるようになり、彼らのもめ事と犯罪に巻き込まれる。

作品の紹介・あらすじ

あらすじ
抜群の記憶力を持つNYの詐欺師マリウスはカジノのオーナーのヴィンスからの借金が返せず、自ら刑務所に入る。3年後出所し、牢仲間のピート・マーフィーの名をかたり、コネチカット州のブリッジポートにあるピートの祖父母オットーとオードリーの家に身を寄せる。ヴィンスはマリウスの弟エディーを捕えて金を返済するよう脅す。マリウスはピートの実家の傾いた保釈金立替業を助け、従兄妹の警官テイラー、シングルマザーのジュリア、学生のカーリーなど一癖も二癖もある家族の愛情に触れる。オードリーは、マリウスを追う刑事を殺してしまう。マリウスは昔の詐欺仲間と組み、3年前に殺された仲間の復讐を果たすため、大掛かりな詐欺をヴィンスに仕掛ける。ヴィンスから盗んだ大金の分け前は、ピートの実家に渡して危機を救う。

Wikipedia(スニーキー・ピート)

感想・その他

このドラマで特にお気に入りになったのは、主人公マリウスの元恋人で、現在はヴィンスの情婦を演じるカロリーナ・ヴィドラという女優さんです。ネットで検索してみても、日本語の情報はほとんど見つからず、知名度はあまり高くないようです。分かっているのは、ポーランド生まれで38歳、身長175cmということくらい。ルックスもスタイルも抜群で、演技にも存在感があり、個人的にはもっと有名であってもおかしくない女優さんだと感じました。

さらに、彼女が出演する次回作は、ニコラス・ケイジ主演の映画『A Score to Settle』(アメリカ公開2019年8月予定)とのこと。これが日本でも公開されれば、少しは名前が知られるかもしれませんが、現時点では日本公開があるかどうかは不明です。いずれにせよ、カロリーナ・ヴィドラの演技を観る機会が増えるのは楽しみです。

ドラマのストーリー面では、主人公マリウスがなりすまして潜入するのが、かつての牢獄仲間ピートの祖父母の家です。この祖父母の家は、保釈金の立替を生業にしており、いわば“保釈金専門の金貸し”といったところ。ドラマ内では担保の設定や手数料の取り方も描かれ、実際の住宅ローンのような仕組みと似た印象を受けました。日本で同じような制度があるのか調べてみると、日本保釈支援協会という団体が存在するようです。こうしたリアルな背景描写も、ドラマに説得力を与えています。

最後に、主人公ジョヴァンニ・リビシについても触れておきます。彼は映画『プライベートライアン』で衛生兵アーウィン・ウエイド伍長役として出演しており、その確かな演技力がドラマのキャラクターに深みを与えています。『プライベートライアン』で見せた彼の落ち着いた存在感は、今回の作品でも存分に発揮されており、主人公の魅力を高める重要な要素となっています。

全体として、演技派キャストとリアルな設定、そして巧妙なストーリー展開が見どころの、非常に完成度の高いドラマだと感じました。

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