私的評価
海外連続ドラマ『4ブロックス / 4BLOCKS』シーズン1・2を観ました。全6話、Amazonプライムビデオでの視聴です。
このドラマは非常に完成度が高く、観る者を引き込む力があります。舞台はドイツ・ベルリンの闇社会、主人公のトニー・クリスターが率いる麻薬組織「4ブロックス」を中心に描かれる物語です。シーズンを通して、家族や仲間、敵対組織との駆け引き、裏切りや暴力など、緊張感あふれる展開が連続します。ストーリーの重厚さとリアリティの高さは見事で、いわゆる「骨太なドラマ」の典型と言えるでしょう。
ただし、ひとつだけマイナス点を挙げるとすれば、登場人物に魅力的な女性キャラクターがほとんど出てこないことです。美しい女性や恋愛要素に癒される場面がない分、全体が非常に男臭く、暗く重い雰囲気に包まれています。その点が好き嫌いを分けるかもしれません。
ちなみに題名にある「4ブロックス」とは、作中で組織が関わる四つの違法ビジネスを指しています:麻薬、売春、みかじめ料、そしてスロットです。タイトル自体がドラマのテーマを端的に表しており、覚えやすく、同時に物語の闇の深さを象徴しています。
総じて、華やかさはないものの、緊迫感とリアリティ、そしてキャラクターたちの人間ドラマがしっかり描かれており、重厚な犯罪ドラマが好きな方には非常におすすめの作品です。
★★★★☆
作品概要
製作総指揮はクイリン・ベルク、 マックス・ヴィーデマンほか。脚本はボブ・コンラッドほか。
出演はキダ・コードル・ラマダン、フレデリック・ラウほか。
2017年10月よりテレビ放送されたドイツのドラマです。シーズン1は全6話。シーズン2は全7話。ドイツ・ベルリンが抱える移民問題について考えさせられるドラマです。
作品の紹介・あらすじ
トニー・ハマディは裏社会から身を引くつもりだが、警察により、その願いは微塵に打ち砕かれた。 短気な弟アッバスにファミリーを任せられず、トニーはやむなくリーダーの座に戻る。そこに旧友が現れ、トニーは希望を取り戻した。果たして彼は裏社会から這い上がることができるのか?
Amazon(4ブロックス-シーズン1)
クトゥルフ一味との激闘から1年、ハマディ家にはさまざまな変化が起きていた。アッバスは殺人罪で起訴され、アマラはラティーフと一からやり直すことにする。そしてトニーはようやく念願の不動産業に乗り出した。しかしファミリーの影響力を拡大しようとすることで、カリラとの結婚生活が危機に陥る。また強大な勢力であるアル=サーフィ家もベルリンの支配権を渡そうとはせず、争いが始まる。
Amazon(4ブロックス-シーズン2)
感想・その他
最近は欧州系のドラマや映画を観る機会が増えました。この『4ブロックス / 4BLOCKS』は、ドイツのベルリンを舞台とした犯罪ドラマです。ドイツのドラマとは言え、出演者のほとんどはアラブ系の人物ばかりで欧州感はあまり感じません。また、私が想像するドイツとはまったく違ったドイツでした。ベルリンのスラム街や警察の汚職、若者に蔓延する薬物…。移民であるが故にまともな職に就くことができず、このドラマのようにスラムを形成しマフィアを組織して違法行為。
そうなんです、このドラマの根っこにあるのは移民問題なんです。私が観た最近の欧州系ドラマや映画は、ほとんどが移民問題を取り上げています。移民大国のアメリカがそうであるように、治安が悪くなっていくのも仕方ありません。
そして我日本、2025年までに50万人超の就業を目指すという移民政策。安い賃金とやる気に満ちた移民に、駆逐される日本人労働者。安い賃金で働いてくれる移民がいれば、高い賃金の日本人労働者は要りませんよね。となれば、日本人の給料は上がらないし、貧困化がますます加速しそうです。なにより、落ちぶれた移民や日本人による違法行為。治安悪化も避けられないと思います。
そんな先行き不安な日本、それを考えさせてくれたドラマとなりました。
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