上高地サイクリング 嗚呼、地獄の釜トンネル(2019/6/1)



平湯温泉から158号線で安房峠を越え、上高地へと続く県道24号へ向かいます。その県道の入り口にあるのが、釜トンネルです。この道はマイカー規制が敷かれており、通行できるのはバスとタクシー、そして自転車や徒歩だけ。マイカーがいないことを考えると、静かで走りやすい「自転車天国」を想像してしまいます。

しかし、現実はそう甘くありません。入り口から続く斜度10%の上り坂が1.3kmほどずっと続き、呼吸が乱れるほどの負荷がかかります。そこに通り抜けるバスの轟音と排ガスが加わり、まるで巨大な怪物に押し流されそうな恐怖感。狭いトンネル内での迫力ある音と振動に、思わず体が硬直してしまいます。正直なところ、「もう二度とここを走りたくない」と思うほどの緊張感でした。

ところが、帰り道になると同じトンネルがまるで天国のように変貌します。上りの苦しみが消え、下り坂で重力に身を任せるとペダルはほとんど必要ありません。バスやタクシーも上りほどの頻度では通らず、静かに風を切ってスーッと走り抜ける快感は、行きの恐怖とはまるで別世界。1.3kmのトンネルがあっという間に過ぎ去り、体も心も解放される瞬間です。

この上下でまったく違った表情を見せる釜トンネル。挑戦する価値は十分にありますが、上りでの恐怖体験を乗り越えた者だけが、下りでの至福を味わえるのです。

釜トンネル

総延長は1,310 m、幅員は7.0 m(路肩含む)、計画交通量は2,100台/日(うち大型車は800台/日)、設計速度は30 km/hである。最大勾配は10.9パーセントで、トンネル両端での標高差は約100 mにも及ぶ。トンネル南側の国道158号との分岐点には、県道を冬季通行止めとするためのバリケードがある。現在のトンネルは、旧道の代替ルートとして2002年(平成14年)から2005年(平成17年)にかけて建設された。

Wikipedia(釜トンネル)


安房峠


大正池


河童橋


ご一緒していただいた、なべちゃん(左)、adam12さん(中央)

コメント