コリン・ファレル主演、映画『デッドマン・ダウン』のあらすじ・感想など

私的評価

映画『デッドマン・ダウン』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

率直に言って、この映画は明らかにB級作品の範疇に入るでしょう。ストーリーや演出、映像美の面で派手さはなく、どちらかと言えば地味な印象です。しかし、意外にも退屈で眠たくなるような映画ではありませんでした。適度な緊張感やサスペンス要素があり、最後までなんとか視線を引きつけてくれます。

主役のキャラクターに関して言えば、いわゆる「スーパーヒーロー」的な存在感はまったくありません。どこか小物感が漂い、派手なアクションや超人的な行動を期待すると裏切られます。こいつはスゲー、と思わせる瞬間が全くないのが逆に特徴と言えるかもしれません。普通の人間のリアルな弱さや迷いが強調されているため、共感はできる一方で、強烈な印象は残りにくいキャラクターでした。

総じて言えば、奇をてらわず地味で平凡な作品ですが、だからといって完全に退屈ではない、ほどほどに楽しめる映画です。B級映画特有のチープ感はあるものの、サスペンスや心理描写を軽く味わいたい方には、それなりに観る価値のある作品だと思います。

★★★☆☆

作品概要

監督はニールス・アルデン・オプレヴ。
脚本はJ・H・ワイマン。
製作はニール・H・モリッツ他。
出演はコリン・ファレル、イザベル・ユペール、ノオミ・ラパスほか。

2013年制作のアメリカのクライム映画です。裏社会の大物の右腕として働く寡黙な殺し屋ヴィクターと、彼の住むマンションの向かい合わせのビルに住む女性ベアトリス。二人はそれぞれ復讐したい相手がいた…。

作品の紹介・あらすじ

解説
『フライトナイト/恐怖の夜』『トータル・リコール』などのコリン・ファレル主演によるサスペンス。暗殺者の男と彼に復讐(ふくしゅう)を依頼した女が、思わぬ窮地に立たされながら惹(ひ)かれ合う姿を活写していく。監督は、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』で注目を浴びたデンマーク出身の鬼才、ニールス・アルデン・オプレヴ。彼と同作以来のコンビを組むノオミ・ラパスが、秘めた過去を持つヒロインを好演する。謎とスリルが交錯する展開に加え、重厚なガンアクションの数々にも目を見張る。

あらすじ
裏社会で幅を利かせるアルフォンス(テレンス・ハワード)のもとで、殺し屋として暗躍するヴィクター(コリン・ファレル)。彼は向かいのマンションに暮らす、顔に痛々しい傷跡を残したベアトリス(ノオミ・ラパス)の存在が気になるようになる。そんな中、彼女から殺しの現場を目撃したと告げられ、通報しない代わりに顔の傷を作った男を殺害するように頼まれる。自身も妻子を殺した敵への恨みを晴らすべく、名前や経歴を変えながら慎重かつひそかに復讐(ふくしゅう)の計画を進めてきたこともあり、ヴィクターは彼女と心を通わせるようになる。

シネマトゥデイ

感想・その他

この映画で一番印象に残ったのは、なんと言ってもフランス人女優のイザベル・ユペールでしょう。主演のコリン・ファレルやノオミ・ラパスではありません。イザベル・ユペールは、ノオミ・ラパス演じるキャラクターの母親役として出演していましたが、その存在感は圧倒的で、わずかな登場シーンでも目を奪われます。

実は、1年前までは私はイザベル・ユペールというフランス人女優のことをまったく知りませんでした。彼女を初めて意識したのは映画『エル ELLE』です。この作品で、還暦を3年も過ぎた女優が放つエロチックでセクシーな魅力に、私は完全に心を奪われました。その存在感、表情のひとつひとつ、話し方や立ち振る舞いまですべてが印象的で、「こういう女優がいるのか」と衝撃を受けたのを覚えています。

さらに2018年の映画『エヴァ』では、高級娼婦役として出演しています。なんと65歳で高級娼婦役を演じるにも関わらず、年齢を感じさせないその美貌と佇まいには驚かされます。画面に映るだけで、観る者の視線を完全に独占する力があるのです。

もちろん『エヴァ』もぜひ観てみたいと思っています。もちろんAmazonプライムビデオで(笑)。これからもイザベル・ユペールが出演する作品は追いかけていきたい、そう思わせる女優です。

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