
私的評価
Amazonオリジナルドキュメンター『ALL or NOTHIG NEW ZEALAND ALL BLACKS』を観ました。Amazonプライムビデオでの視聴です。
『ALL or NOTHIG』の「マンチェスター・シティの進化」が非常に面白かったので、観てみました。サッカーから今回はラグビー、どちらもそんなに詳しくはないのですが、非常に楽しめます。
★★★★☆
作品概要
日本語題名は『オール・オア・ナッシング ~ニュージーランド オールブラックスの変革~』で、ラグビーニュージーランド代表オールブラックスを追ったドキュメンタリーです。Amazonビデオで2018年の配信、全8話、プライム会員は無料で観られます。
「マンチェスター・シティの進化」は一年を追いましたが、「オールブラックスの変革」は4か月ということで、2話少ない6話となっています。
12年に1度行われるという、オールブラックス対ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦、そして、南半球のラグビー強豪国と戦うザ・ラグビーチャンピオンシップに焦点を当てたドキュメンター・ドラマとなっています。
作品の紹介・あらすじ
世界スポーツ史上、最多勝を誇るチーム、ラグビーニュージーランド代表オールブラックス。その秘密に包まれた舞台裏と困難なシーズンに直面する彼らの姿を初めてカメラが捉えた。肉体的に過酷なラグビーにおいて、伝統と100年にわたる覇権を固守するため挑戦を続けるチームを4か月以上追った。
Amazon Prime Video
感想・その他
ラグビーといえば、やはり最大の魅力は「巨漢たちの肉弾戦」。その迫力と緊張感は、他のスポーツにはなかなか見られないものがあります。とくにこのドキュメンタリーでは、そんな激しいプレーの数々をスローモーションで映し出してくれるため、選手同士が全身の力でぶつかり合う様子や、瞬間的な重心移動、衝撃の伝わり方までもが鮮明に伝わってきます。まるで、筋肉と筋肉、魂と魂がぶつかり合っているような感覚さえ覚えます。しかし、そんな壮絶なぶつかり合いには当然リスクもつきもの。激しいコンタクトの中で発生する怪我、とくに頭部への衝撃は、現代ラグビーが最も深刻に向き合っている課題のひとつです。軽度であっても脳震盪の可能性があれば、選手は直ちにプレーを中止し、フィールドを離れて専門の医師による精密検査を受けることが義務づけられています。安全性を最優先にする現代ラグビーの流れは、選手の命と未来を守るうえで不可欠です。
それでも選手たちは、恐れを抱えながらもピッチに立つのです。
なぜか? それは「ラグビー」という競技のなかに、自分の誇り、人生の目標、そして家族の期待すべてが詰まっているから。とくにニュージーランド代表「オールブラックス」の選手ともなれば、そのジャージに袖を通すこと自体が国民的な名誉。リスクよりも、その誇りが彼らの背中を押しているのです。
そして、オールブラックスといえば、忘れてはならないのが試合前の伝統儀式「ハカ(Haka)」。これはまさに圧巻のひと言に尽きます。
ハカとは、もともとニュージーランドを含むオセアニア地域の先住民族が戦の前に戦意を高めたり、敵を威嚇するために行っていた踊り。なかでも、ニュージーランドのマオリ族の伝統的な踊りが世界的に知られており、ラグビーファンにとってはおなじみのシーンです。
このハカを、オールブラックスが試合前に踊るようになったのは1905年。当時の遠征チームが、対戦相手に対して敬意を表する意味も込めて踊ったのが始まりとされています。以来100年以上、オールブラックスはこの踊りを受け継ぎ、今ではニュージーランドの精神的な象徴、そして世界中のラグビーファンの心を揺さぶる儀式となっています。
そしていよいよ、今年、日本で開催されるラグビーワールドカップ。この大会で、オールブラックスの「ハカ」を日本国内で何度も目にすることができるというのは、ラグビーファンにとっては本当に夢のような話です。
あの鼓動を揺さぶる声と迫力あるステップ、魂の叫びが、日本のスタジアムで響き渡ると思うだけで、今から胸が高鳴ります。
ラグビーは、ただのスポーツではありません。身体と身体のぶつかり合いの先にあるのは、文化、誇り、歴史、そして人間の強さそのもの。それを感じさせてくれるドキュメンタリーでした。そして本番の試合で、それがどのように表現されるのか——期待せずにはいられません。
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